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関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ 日本型経営の研修に最適 大阪

藤原雄一郎の時事通信 2006年3月号

 民主党無惨! 行革推進法案に対案間に合わず  3/29 

偽メール問題ですっかり求心力を失った前原代表は、スキャンダル追求方式から、本来の政策論争へと舵を切り替えようとしています。今国会の最重要課題は「行革推進法案」に絞られてきました。

前原代表はかねがね「どちらが行革推進をする党か競争をしたい」と言ってきました。ところが国会審議が開始されているのに、対案すら提出できずにいます。郵政民営化と同じパターンを性懲りもなく繰り返しています。

その遅れの原因は「公務員の人件費削減」にあります。民主党の公約であった20%削減は労組系議員の強硬な反対にあって宙に浮いてしまったからにほかなりません。民主党が「お役人の立場にたった考え方」ではただでさえしぶといお役人がおいそれと行革推進に賛成するわけでもなく、労使一体で法案骨抜きに走ることでしょう。困ったことです。

行革推進法案の主要な項目を列記しますので、せめて私たちだけでも、小泉首相の後押しをしましょう。

1 平成二十二年度末までに国家公務員六十八万七千人を5%以上純減。

2 公務員の労働基本権などについて幅広く検討。能力・実績主義の人事制度導入や天下りの見直し。

3 二十年度に国民生活金融公庫など四つの政府系金融機関を一つに統合し、沖縄振興開発金融公庫も二十四年度以降に移す。商工中金など二機関を完全民営化し、公営企業金融公庫は廃止。

4 三十一の特別会計を二分の一から三分の一に減らし、十九年に「整理合理化法案」を国会に提出。

5 閣僚は所管の独立行政法人の組織、業務を点検。

6 十年間で国の資産のGDP比を半減させることを目安に公務員宿舎など政府資産を売却。

どれも本当に重要な項目ですね。是非実効ある法案にしあげなければなりません。

 耐震設計で原発差し止め  3/27

北陸電力志賀原発2号機をめぐる民事訴訟で金沢地裁は「地震がおこると原発事故がおこり、住民に放射能被爆のおそれがある」として原発の運転差し止めの判決を下しました。

この判決に驚くと同時に、私は裁判官に「原発設計の何たるかが理解できているのか」との危惧を持ちました。一審では時々おかしな判決が出ます。そして何よりも恐ろしいのは(おかしな判決で)国民に不要な不安感をもたらすことです。

私は技術屋ですから、航空機の設計思想が一般の設計思想より並はずれて厳格であることを知っています。その航空機よりさらに厳格な設計思想が、日本の原発にはあります。かなり昔の話ですが、航空機が墜落した時、「原発に航空機が墜落した時の安全性の検証をせよ」との命令が下ったとも聞いたことがあります。

前置きが長くなりましたが、原発の耐震設計には岩盤立地が条件になっています。万一地震が起こっても安全なように、岩盤の上でないと、建設が許されないのです。ですから日本全国で原発が建設出来る箇所は限られています。

さらに仮に地震により破壊したと仮定して、放射能が漏洩しないよいうに二重三重の防護壁が設けられています。原子力の設計思想は二重三重に安全なように考えることが義務づけられています。

時代の経過とともに、昔は正しくとも、現時点では正しくないことがいくらも出てきます。原発の設計思想はそのような事態を想定してなされているのです。

しかしこのような技術的内容を理解するのは技術者にとってもきわめて困難です。技術者がどんなに一生懸命説明したとしても、裁判官に理解出来るとは思いません。技術が理解できない時には「疑わしきは罰する」では裁判の根底である「疑わしきは罰せず」との整合性をどのようにとるつもりでしょうか?

世の中本当におかしくなっています。高度な専門性を必要とする、特許や技術や経済などについては専門の裁判制度が必要なのではないでしょうか?これだけ各分野の専門性が強くなっている現代では、傷害や殺人をさばくのが専門の現行裁判制度は機能しないと思います。

 野球世界一 久しぶりの明るいニュース  3/24

日本がいったんはあきらめていた野球世界一の座に輝いたのは久しぶりの明るいニュースでした。同時に世界は広いなあ〜と、常識の違いにも驚きました。

さわやかの第一はイチローをはじめとして、選手のひたむきさでした。一生懸命になって勝負にかける姿は、大きな感動を私たちに与えたと思います。サッカーのワールドカップと同じく真剣勝負の魅力をふんだんに見せてくれました。

野球と言えば何と言ってもアメリカで次は日本と私自身思っていました。ところが今回の大会はアメリカ大リーグの国別対抗戦だったらしいのです。ですからドミニカ共和国が大リーガを輩出して優勝候補の筆頭だったなど、野球にあまり詳しくない私は全く知りませんでした。韓国が日本に連勝したのも大リーガ投手の活躍におうところが大であったとか!

そして2次リーグの代表者が決勝トーナメントで再度戦うという、常識では考えられない組み合わせも、日本の属する組はアメリカを勝たせる組み合わせで、大リーガの多い強い国はキューバの組にいれて、アメリカは決勝ではじめて強いチームと戦うストーリだったといいます。そう言われればなるほどと思います。

審判の露骨なアメリカひいきの誤審や組み合わせの不自然さなどはすべて野球発祥の国、アメリカを勝利させるための布石であったのに、「天は正義に味方する」の言葉通りアメリカが予選敗退し、余計に痛快であったといえましょう。

イチローの「今後30年は日本にはかなわないと言う勝ち方をしたい」との発言が韓国チームを発憤させ、決勝進出できないことが明確なメキシコが露骨な審判の誤審に怒りアメリカを倒した等々・・・筋書きのないドラマが随所に出現し、いやが上にも興味が高まりました。

「イチロー以外は世界に名のある選手のいない日本が優勝するとは」などの海外のコメントを聞くと「ちがうんだがなあ〜日本の野球のレベルの高さを知らないの」と世界の常識に反発したり・・・勝敗以外に面白い発見満載の楽しいWBCでした。

 クルーズ販売業界にも時代の波が!  3/22

私がクルーズコンサルタントとしてクルーズの普及に努めていることは藤原通信で何度か紹介しました。日本では一年間に国内旅行をする人は1億8千万人で、毎年2千万人近い人たちが海外旅行に出かけています。

ところがクルーズは国内、国外を一緒にしても昨年はたったの17万人でした。従ってクルーズを販売する専門の旅行社はごく少数で「クルーズは金持ちの道楽」「お年寄りばかりの世界」といった常識がまかり通っていました。そして競争の少ない、小さな世界でしたので、クルーズ販売会社にとって「クルーズは儲かる商売」でした。

ところが最近クルーズに関する記事が結構新聞紙上に出回るようになりました。そこへ格安旅行で台頭してきたHISがクルーズ専門のクルーズプラネットを設立し、業界に価格破壊を持ち込んだのです。

国内クルーズは一泊4〜5万円で、10日もクルーズを楽しむと、安くて50万円もします。ところが海外ではクルーズ業界は競争が激しく、一泊1万円から1万5千円で日本のクルーズ船に比較して設備は圧倒的に立派で、ショウなど日本のクルーズは足下にも及ばない内容です。アラスカクルーズで、8泊9日で航空券つき、三食、ショウなど完備、添乗員つきで20万円を切る安値もあります。

HIS系統のクルーズプラネットは外国クルーズの国内総代理店を通さず、直接仕入れに踏み切り、さらに安値攻勢に出ました。いま、クルーズ販売業界ではちょっとした戦争が起こっています。飛鳥Uやクリスタル・クルーズを扱う郵船とは取引停止状態で、クルーズプラネットは販売していません。かつてのダイエーと松下電器を思いおこさせます。

また香港−大阪15日間を25万8千円からという超安値をクルーズプラネットが出したとたんに日本の総代理店がクルーズ部分を9万8千円の超・超安値で出してきました。価格破壊の暴れん坊とその存在を脅かされる日本の総代理店との間で、皆さんの目に見えないところで激しい戦いが行われています。これも時代の流れでしょうか。

海外の1泊1万円以下のクルーズ
http://inox-tabi.com/cruise/pride/

一泊4〜5万円の日本のクルーズ
飛鳥U  http://www.inox-tabi.com/cruise/asuka2/
にっぽん丸 http://www.inox-tabi.com/cruise/nippon2/

 ソフトバンクの壮大な賭  3/20

ソフトバンクがボーダーフォンを1兆7千5百億という気の遠くなるような金額で買収すると発表しました。ボーダーフォンは現時点であまり経営状態が良くないために売却に応じたのでしょうか。あるいはマネーゲームで採算がとれると判断したのかもわかりません。

しかし買収するソフトバンクにとっては、従来のボーダーフォンのビジネスモデルを抜本的に変えないと1兆7千5百億という天文学的な投資が大きな負担となって経営に重くのしかかってきます。一体どのように劇的にビジネスモデルを変えてくれるのか期待したいと思います。

ソフトバンクは「ライブドアそのままのマネーゲーム」でのし上がってきた会社です。ライブドアと同じく「ソフトバンクは何を本業としているのか」と良く言われたものです。それが虚業から実業へと大きく舵を切ったのがヤフーBBでのブロードバンドへの進出でした。

お役人の仕事なら道路公団のように、道路建設計画をする時に、採算に乗るように需要を決めて「これは立派な黒字道路です」と建設を始めます。そして建設完了時点では需要予測が大きく外れても知らぬ顔で赤字の山を築きます。ところがソフトバンクは採算がとれる需要を確保するまで、なりふり構わず販売を続け、ついに日本に「安価なインターネット環境」を作り上げることに成功しました。

携帯電話は現在のところ寡占状態にあって、その費用も固定電話に比較すれば、大幅に高い状態です。競争が無いために高いのか、もともと高いものなのかわかりませんが、ソフトバンクが得意の価格破壊で安価な携帯への道を開いてくれることを願っています。

世の中の技術進歩は激しいものがあります。安価な無線LANの活用で(携帯電話とは全くことなる方式での)安価な携帯電話の実現にむけてソフトバンクが挑戦し、見事成功してほしかったと思うのは見当違いでしょうか?それほどまでに1兆7千5百億という金額は重いものだと実感しています。

金利が上昇傾向にある昨今、1兆7千5百億という巨額な投資が、手かせ、足かせにならないことを祈ります。

 したたかな自民党  3/17 

15日の朝刊に民主党と永田議員連名で「偽メール謝罪広告」がでました。内容は全面降伏そのもので、良くもまあ、ここまで民主党も書いたと思うと同時に自民党も書かせたものだと思いました。

「小泉首相が直ちにガセネタと断定してヒヤリとした」と以前、藤原通信に書きましたが、その後の週刊誌等の記事を見ていると、自民党は早くからこの情報を掴んでいて、ガセネタだと確認していたように思えます。

今更ながらに、このようなガセネタに飛びつく民主党と、ガセを本物と断定し、大見得をきった野田、前原の若手コンビには開いた口がふさがりません。この調子だと、中国や北朝鮮の諜報活動にいとも簡単に乗せられてしまう民主党の姿が見えてきます。危機管理のあまりのお粗末ぶりに、民主党に政権を取らせて大丈夫かと、とても心配になりました。

その点、自民党はしたたかです。長い間政権についていただけあって、絶えず激しい権力闘争を繰り返した経験からか、権謀術数にたけているなと思いました。ようするに「喧嘩の仕方を知っている」のです。民主党も「負けるなら負ける」で負け方があるのにと残念です。

自民党は民主党が真っ正面から政策論争を挑んでも、ノラリクラリとはぐらかすだけでなく、民主党の政策の美味しいところはいつのまにか自民党の政策に生かしています。あせった民主党は週刊誌ですら取り上げないネタで「スキャンダル暴露のワイドショウ政治」に迷い込み「目立ちさえすれば良い」とはしゃいだ結果が今回の醜態です。

国際社会はいよいよ複雑化し、諜報活動も盛んで、ひとときも気を許せません。このような状況下で民主党の対応は、とうてい正視できるものではありません。解党的出直しが民主党には必要です。ところが前原代表をはじめ、民主党のひとたちに、失った信用の大きさ、すなわち「ことの重大さ」の認識がありません。

健全な野党の存在しない日本の前途は真っ暗です。ほりえもんにしろ前原代表にしろ、国民に大きな期待を持たせ、見事に裏切ったことがどれほど深刻なことか認識してほしいと思います。同時にこれから台頭してくるであろう新しい勢力のひとたちは「信用の大切さは生命の大切さと同じ」と肝に銘じて行動してほしいと思います。

 ライブドア上場廃止  3/15

証券取引等監視委員会によるライブドアの粉飾決算告発を受けて、東京証券取引所はライブドアの上場廃止を決定しました。世間を騒がせたライブドアの株も4月14日をもって、証券市場では売買出来なくなります。しかし株券が紙くずになったわけではありません。

ライブドアは結構お金を持っていますから、ハゲタカファンドがライブドアの資産を売り払って儲けるために「上場廃止で株券は紙くず」と思っている人たちに「ライブドアの株券を買います」といわゆる敵対的買収(TOB)をかける可能性が囁かれています。フジテレビを始め、ライブドアが盛んに仕掛けてきた手法で今度はライブドアがハゲタカの餌食になるのです。

ライブドアの常軌を逸した株式分割で数多くの個人株主が生まれました。また最近はやりのデイトレーダ(自宅でインターネットを利用して株式売買をする個人投資家)の隆盛を導き出した功績もあります。そして同時にこれら個人投資家に多くの痛みを伴う教訓をライブドアは与えました。

欧米型自由競争社会では「偽物と本物を見分ける力」が必要だとされています。本来会計監査が十分に機能していれば粉飾決算は起こらないはずですが、カネボウをはじめとして名門企業でも粉飾決算は多発しています。まして新興企業で急成長した会社が「本物か偽物か」を見極めることは難しいことです。

これも一種の危機管理です。「素人が専門知識を勉強しないと危なくて生活出来ない」状況であってはなりません。ライブドアはその意味でも法的整備に一歩大きく踏み出させる功績を示しました。長い間の株価低迷で関係業界が必死になって個人投資家を呼び込むための手を「拙速」に打った結果、ライブドアの不正を許す土壌を作ったのです。

結局業界のエゴの犠牲になるのは、いつも弱い立場の個人であることが今回も立証されました。「うまい話には罠がある」との諺どおりです。時代の寵児ともてはやされたライブドアも多くの教訓を残し、無惨な最後をとげるのでしょうか?

 日銀 量的緩和を解除  3/13 

日銀がこのほど政府の反対を押し切って量的緩和を解除しました。量的緩和といってもあまり理解できるものではありませんが、単純明快に割り切ると、これで金融の世界も「需要と供給の関係で金利が決まる」という「あたりまえの状態」に戻すということです。

5年間もの間、ジャボジャボの金余り状態にして、どんなにお金の需要があっても「お金の値段」すなわち「金利」はあがらないという異常事態においてきたのです。その結果金融機関や経営不振企業は大きく救われました。産経新聞の試算によれば、私たち預金者が本来貰えるはずの金利約300兆円が、これら放漫経営の尻ぬぐいに消えてしまったということです。

政府や地方自治体の場合は財政破綻は簡単に「税金で尻ぬぐい」をしますが、民間の場合は、回り回って私たちが尻ぬぐいをしたわけです。とにかく政府であれ、民間であれ私たちが否応なく尻ぬぐいをさせられているという事実に目覚めなければなりません。

そうは言っても、私たちだって住宅ローンでゼロ金利の恩恵を受けてきました。また金利はなくとも、デフレで物価上昇がありませんでしたから、年金生活者にとってはとても良い時代であったといえるでしょう。

これからは普通の世の中に変わって行きます。金利が上がるということはインフレになることを意味しますから、さしずめ年金生活者にとっては「金利はゼロでも昔のほうが良かった」ということになるかもしれません。また住宅ローンの金利が上昇し、生活設計が狂うこともあるでしょう。

「金利はどれほど高くなっても物価上昇より高くはなりません」から、これからは生活してゆく上で、物事の考え方を早く昔の感覚にもどさなければなりません。量的緩和の解除と言っても金利上昇までは年の単位が必要でしょうから、今から色々と勉強し意識改革をすれば間に合います。がんばりましょう!

 嗚呼! 民主党 元の木阿弥 3/10 

偽メール事件で民主党前原代表の求心力が落ちて、民主党も「元の木阿弥」になってしまいました。自民党は前半国会で四点セット攻勢をしのぐのがやっとでしたが、偽メール事件という格好の民主党自滅をうけて、本来の行政改革推進国会にもどりつつあります。

そんな中、偽メール事件での前原代表の権威失墜を良いことに、特に参院民主党が行革反対で勢いづいています。参院民主には日教組の8人を筆頭に自動車総連5人、自治労、UIゼンセン、電機連合、JAM(機械・金属産業労組)各3人と何と合計で31人もの労組出身議員がいます。

行政改革推進法案には平成22年度末までに国家公務員を5%以上純減させる公務員削減が盛り込まれています。民主前原代表は自民党への対案を魅力的にすべく「総人件費の20%以上削減」を主張していました。

参院民主党のこれら労組系議員は、ここぞとばかり、前原私案を葬り去ることに気勢をあげています。郵政民営化で民主党が壊滅的打撃を受けたことをすっかり忘れてしまったような抵抗勢力ぶりです。

公務員人件費2割削減は、昨年の衆院選で民主党がマニフェストに明記した国民との約束です。それを反古にするのでは、「民主党も自民党抵抗勢力と同じ」ですね。衆院選で大敗北した失敗が全く教訓になっていません。本当に困ったことです。

その一方で自民党は次の参院選を狙って早くも来年度の予算に公共事業予算の拡大を画策しています。民主党が抵抗勢力化してしまい、自民党の抵抗勢力が息を吹き返したのでは、1000兆円を超す日本の借金はいつまでたっても改善されません。「しっかりせよ民主党」と声を大に叫びたい気持ちです。

 民主党 渡部恒三国対委員長が意外な人気 3/08

誰もが逃げて「なり手のいない民主党国会対策委員長」に老齢の渡部恒三氏が就任し、意外と人気です。「ご老公水戸黄門」とメディアももてはやし、「抜群の安定感がある」と偽メール事件完勝で余裕の自民党から賞賛まで得ています。

人気のひとつに「民主党の壊滅的危機だというのに立ち上がろうとしないで逃げ回るだけでなく、前原代表をひきずり下ろそうとする」民主党の実力者と「いやだけれど党の危機だから引き受けた」渡部恒三氏の大きな落差があるでしょう。

「最近の若い人は前原代表や永田議員のように高学歴で頭も良いが、世の中の常識というか、世渡りの大切さを知らない」との声も次第に大きくなっています。ほりえもんもこの同一線上にあるのでしょう。

現在、日本の社会は世代交代の真っ最中だと思います。そして古い世代が次第に追いやられ、新しい世代の台頭に、少しばかり疲労が蓄積しはじめています。そこへ新世代の代表ともいえる、ほりえもんや前原代表が足を踏み外したものですから、「やはり古い世代の常識を大切にしないと」と旧世代のホッとした気持ちがこのような言葉として伝わるのでしょう。

明治維新は若い力で長い間続いた武家社会を破壊し、全く新しい日本を作り上げてきました。第二次世界大戦敗北では軍部を破壊し、新生日本が世界に羽ばたくきっかけとなりました。

現在の日本は「こころざし」を失った官僚と既得権益にしがみつく政治家や企業が1000兆円もの借金を積み上げ、医療や介護、年金などの福祉予算の破綻も急ピッチで押し寄せています。社会構造は大きく変化し、社会制度が全く追いついていません。

ここらで「ガラガラポン」が必要な時、問題の本質を見据えた「常識の打破」が必要です。問題の本質さえはずさなければ、ほりえもんや前原代表のような「道の踏み外し」は起こらないと思います。今回のこのような事件で「正しい常識打破」の機運まで萎えてしまわないように願っています。    

 政治家は言葉の重みを知らねばならない 3/06

ライブドアの偽メール事件は民主党の全面降伏で幕をひきそうです。単なる永田議員の馬鹿さかげんだけなら、これほど大きな反響にはならなかったでしょう。問題がこれほどまでに大きくなったのは民主党前原代表の代表としての資質が問われたからです。

この問題の発端で、永田議員の爆弾質問に対して即座に小泉首相が「ガセネタ」と発言したとき、私はヒヤリとしました。秘書給与不正利用問題で田中真紀子や辻本清美が最初に全否定して次第に追い込まれた事実が一瞬頭をよぎりました。今回の事件は小泉首相自身の問題ではないのに、いち早く「ガセ」と断定したことで、後日のっぴきならないことになるのではと危惧したのです。

一方、民主党の前原代表は「確証がある」と積極的に発言し、党首討論にまで取り上げて自信満々でした。「これは大変なことになる」と直感的に思いました。党首や首相の発言の重みから考えれば(真実は一つしかないわけですから)「嘘をついた」ほうは確実に辞任に追い込まれると思ったのです。

小泉首相にどれだけの自覚があったのかは今となっては不明ですが、前原代表にはその自覚が明確に欠けていたことが判明しました。これほど大切な問題を取り上げるにもかかわらず、事実認識がきわめて脆弱であったとは信じられない思いです。資質を疑われるのは当然です。

全面降伏をするのなら、いち早く全面降伏をして一刻も早く火消しをしていればこれほどまでの問題に発展しませんでした。そのチャンスはたった一度だけ「永田議員の二度目の質問の時」だったのです。この時に徹底的に証拠の確かさを検証すべきでした。それを事態を軽く見て、未練がましく傷口をすこしでも小さくしようとした結果、全面降伏と前原代表の資質問題にまで問題をこじらせてしまいました。

かって民主党の管代表(当時)があの有名な「国民年金未納三兄弟」発言で大受けしたあげく、自身が未納にひっかかって辞任に追い込まれました。「人を責める時には慎重の上にも慎重」でなければやがてその言葉は自分自身に跳ね返ってきます。

テレビなどのメディアのように「火のありそうなところに煙をあげて、燃えさかるのをおもしろがる」風潮を政治家がやって良いわけがありません。まして首相や代表という思い立場の人はその発言の重みを十分すぎるほど噛みしめなければなりません。小泉首相にはその認識がかけるところがあり、政治家の言葉の重みが失われつつある昨今です。

この偽メール事件を契機に「政治家の発言の重み」を考え直す好機としてもらいたいものです。

 筋金入り! 官僚の骨抜き技術 3/03

朝日新聞に面白い記事が出ていました。政府系金融機関の統廃合に関する、商工中金と日本政策投資銀行の民営化問題です。この問題はすでに政府の「完全民営化」の方針が決まっていますが、これを実際に法律にする段階で、お役人の巧妙な骨抜が始まっていると言うのです。

「完全に民営化」と「完全民営化」の差がわかりますか?私には全くわかりません。ところが朝日新聞によれば、完全民営化を達成するためには(1)根拠法の廃止(2)全株売却(3)政府出資廃止があると言うのです。それを「完全に民営化」となれば「根拠法」を残すことによって、お役人による人事等の影響力を残すことが出来ると言っています。

このお役人の巧みな骨抜きに気がついた竹中総務相が小泉総理に直訴して「完全に民営化」のお役人原案を「完全民営化」に変えさせたといいます。これで「お役人の抵抗も万事休す」と普通は思います。ところがどっこい、まだまだ骨抜きを考えているらしいのです。

お役人は2001年に制定された「特殊法人等の組織見直しの類型別ガイドライン」の中に完全民営化の特例として「真に必要な場合は個別に異なる取り扱いをすることを妨げない」との記述を潜り込ませ、商工中金と日本政策投資銀行の完全民営化阻止への隠し球として準備しているというのです。行革推進を唱える小泉、竹中なきあとはこの隠し球で完全民営化阻止を狙うつもりのようです。

どうですか皆さん!民主党が自民党のスキャンダル探しに血眼になっている間に、このように着々とお役人の陰謀は進行しているのです。なぜお役人がこれほどまでに抵抗するのか?それは天下りの優雅な人生を守るためです。

皆さんがお役人の立場になって下さい。辛くて苦しい、薄給のお役人生活を我慢して、やっと億をこえる収入が待っている第二の人生が目の前で消える恐怖を!死にものぐるいでお役人が抵抗するのは当然ではないですか。まして自分より学力が劣ると考えていた同期が民間で社長をつとめ、優雅な生活を送っているとすれば、お役人の気持ちも理解できるではありませんか。

しかしこのようなお金は国民の税金です。行革推進こそ、現在の政治家が取り組むべき最重点課題ではないのでしょうか。

 嗚呼!民主党 発想をかえて危機に燃え上がれ 3/01

永田議員の「偽メール事件」には一応これで決着をつけたつもりの民主党執行部ではありますが、私を含め多くの国民に「きわめて杜撰な民主党」との強い印象を植えつけてしまいました。

昨年の衆院選惨敗を受けて選ばれた前原代表には、小泉首相に劣らぬ強いリーダシップを期待し、事実民主党抵抗勢力と戦う姿勢を感じて頼もしく思いました。

ところが思いもかけず舞い込んだ、自民党攻略4点セット(ライブドア事件、耐震設計偽装、アメリカ牛肉BSE、防衛施設庁官製談合)が力を発揮して、自民党がよろめいたために、民主党が一気に「ワイドショウ的スキャンダル追求路線」にのめりこんだのが今回の騒動だと理解しています。

スキャンダルは断固追求しなければなりませんが、前回の藤原通信でも述べたように、行政改革推進法案は霞んでしまい、官僚が高笑いしているではありませんか。安全保障という大切な問題に一歩踏み込んだ前原代表得意の外交も全くのほったらかしではありませんか。

いやしくも政権与党を目指すなら、スキャンダル追求を中心とするのでは無く、国民のためにいかに良い政治を目指すかの政策論争に真剣に取り組む必要があるのです。そろそろ旧態依然の攻め方から脱却して政権取りに本気になって欲しいものです。

それ以上に呆れかえるのは民主党の体質です。この一件で前原代表の再選は無くなり、9月の代表戦までは様子見の状態だといいます。時代は激変しているのに、このような悠長なことで民主党は本当に国民の心をとらえることが出来ると思っているのでしょうか?

ここは民主党内が一致結束して「スキャンダル論争より政策論議」に方針転換し、「国民のための政治」という原点に戻る堅い決意を示すべき時ではないのでしょうか?全くもって未熟な執念のない政党だとため息が漏れます。「民主党よ奮起せよ」と言いたいです。

ビジネス応援団藤原通信>藤原通信2006年3月号