ビジネス応援団藤原通信>藤原通信2004年9月号

関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ 日本型経営の研修に最適 大阪

藤原雄一郎の時事通信 2005年9月号

失敗作「道路公団民営化」10月1日発足 9/30

「郵政民営化が入り口の改革なら、出口の改革の目玉が道路公団民営化である」と大見得を切った道路公団が、10月1日に六つの新会社と借金返済を担当する独立行政法人の計7組織に再編されます。道路公団民営化こそ、旧来の自民党の抵抗勢力と官僚の抵抗により骨抜きになった失敗作の代表です。小泉首相に郵政民営化ほどの執念があればと惜しまれてなりません。

失敗の第一は「借金返済を担当する独立行政法人」を作ったことです。6つの新会社にそれぞれ借金を負担させる「上下一体方式」であったならば、民営化の効果もあったのですが実に残念です。現在の方式では6つの会社の通行料金を上納させて借金の返済にあてるわけですから、厳しい上納基準をもうけて「上下一体方式」と同じ効果を出さないといけません。

失敗の第二は「計画した全ての高速道路を建設する」ことです。新会社が採算が悪化するからと言って建設を拒否しても結局は作らされる仕組みが残りました。これでは何のための民営化かさっぱりわかりません。

失敗の第三は「政府は将来も株式の3分の1以上を保有し、代表取締役の選任や事業計画の認可権も持つ。そのうえ社債には政府保証がつく。」ことです。また競合がありませんから、経営を知らない官僚の放漫経営によって赤字が膨れあがる心配もあります。これでは民営化とは名ばかりで、放漫経営に加えて、官僚と政治家が色々と注文をつけ、その結果赤字が拡大したとしても、政府保証がついていますので、結局は税金で尻ぬぐいすることになります。

このような内容で本当に民営化と呼べる代物でしょうか?その上、官製談合で逮捕者が出た道路公団の経営陣で逮捕されなかった人々がそのまま経営の中枢に居座ります。官製談合体質まで引き継いでいるではありませんか!せめて人事くらいは手をつけてくれると私は堅く信じていましたが裏切られました。

このように既得権益を死守する官僚の壁は厚く、かつ高くそびえ立っています。せっかく国民の大きな支援を得た郵政民営化が道路公団民営化のように骨抜きにならないように、十分な監視の目を注がなければなりません。官僚は「名を取らせて実を取る」ことに関しては芸術的手腕を発揮します。

郵政民営化は小泉首相が去って、実施段階に入ったときが、一番危険な状態になります。恐るべき官僚の力量を甘く見てはなりません。

まさに様変わり 郵政民営化法案 9/28

小泉自民圧勝を受けて、郵政民営化法案成立のための特別国会ともいえる、国会が開会されました。そして自民党内での郵政民営化に対する状況はまさに一変しています。あれほどまでに揉めに揉めた自民党総務会も、わずか10分で民営化法案の中味が了承されました。

参院で法案否決の流れを作った鴻池氏や中曽根氏も早々と法案賛成へと態度を豹変しています。野田聖子や平沼赳夫でさえも郵政法案に対して明確な反対の声をあげていません。あの反対は一体何だったのでしょうか?

確かに今回の選挙の争点は郵政民営化であり、国民の圧倒的な支持を小泉首相は勝ち得ました。だから国民の声に従うというのは、一見正しい選択のように見えます。しかしそうでしょうか?野田聖子は「反対票で自分の信念を貫いた」 と言っていたではありませんか。彼らが反対する一番のポイントは何であったのか、そしてなぜ豹変するのかを具体的に明らかにする説明責任があるのではありませんか?

郵政民営化の審議から選挙戦を通じて「民営化法案が通過すれば郵便局は無くなる」などと荒唐無稽な声は聞こえましたが、誰もが納得するような反対理由はついに耳にしませんでした。実は「民営化反対は口実にすぎず、倒閣運動に 過ぎなかった」というのなら、全ての行動は理解出来ます。

クーデターを起こして小泉政権打倒に成功したと思った瞬間、小泉首相は脱兎のごとく国民の間に逃げ込んで、国民と共にクーデターを鎮圧したと解釈すれば、鴻池や中曽根や平沼、野田といった面々が「白旗あげて、民意の前に降参する」ことは明快に理解出来ます。「民意には従う」などと卑怯なことを言わずに、「クーデタに失敗しましたが命(政治生命)だけは助けてください」と陳謝すべきです。

その点、民主党は明快です。今度の国会では前回の失敗を反省し、郵政民営化法案には反対するが「郵貯・簡保は規模縮小で民営化か廃止」の対案を出すと言っています。とてもわかりやすい対応です。「国民にとって必須の郵便事業は郵政公社として存続、その役割を終えた郵貯・簡保は規模縮小か廃止」これこそが模範的対応だと私は思っています。それにひきかえ、鴻池や中曽根や平沼、野田の各氏の態度は政治家としてとても疑問を感じざるを得ません。

本当に民主党は惜しいことをしました。前の国会でこの方針で攻めて、攻めて攻めあげれば、このような惨敗には決してならなかったことでしょう。それを労働組合に気がねして、怠ったばかりに民主党も自民党守旧派も同列に見られて大敗してしまいました。残念です。

日本経済にお金が回って来た? 9/26

小泉劇場による政治ショーのかげに隠れていましたが、最近は経済関係の明るいニュースが続いています。

国土交通省が20日に発表した都道府県地価(基準地価)はまだ低落傾向にありますが、東京都など利便性の高い土地は価格上昇傾向に転じました。昨年度71地点であった地価上昇地点は、今年351地点にまで拡大しています。また日経平均株価も4年3ヶ月ぶりに1万3千円台を回復し、株式市場は連日の大商いに沸いています。

また日銀の発表によりますと、1998年10月に公表して以来、初めて銀行の貸付残高が前年度より増加しました。日銀が大幅な金融緩和を長い間続けても一向にお金が民間に回らなかったのが、ここにきてやっと回り始めた印象があります。お金が回り始めるのは経済が健全化しつつある証拠で喜ばしいのですが、長い間、デフレに慣れ親しんできた人々には要注意です。

日銀が金融システム維持のためにどのようにお金をだぶつかせようとも、経済が健康体でなければ、お金は市中に回りません。その結果デフレは続き、金利はほぼゼロに張り付いているため、金融機関がせっかく集めたお金も融資先がなく、やむなく大量の国債を購入していました。

しかしお金が回り始めると、だぶついたお金でバブルが発生し、インフレへと向かい始めます。その結果どうなるかと言えば、金利が上昇するのです。いままで「お金はゼロに近い金利で調達できた」状況が一変します。金利負担が個人であれ、企業であれ、お金を大量に借りている人々を苦しめ始めます。

お金を借りるとき「高金利になっても大丈夫」な計画のもとに借金をしていたならば、あわてることはありませんが、その心の準備なく借金をしていれば怖い状況が待っています。その典型が政府です。2007年に小渕時代に抱え込んだ大量の借金の借り換えのために、さらに大量の国債を発行する必要があります。

しかし既に発行されている大量の国債は金利上昇とともに暴落し、銀行や郵貯・簡保を直撃しますから、はたしてその時に大量の国債を購入してくれる人がいるのでしょうか?銀行は手持ち国債の暴落で手痛い被害を受けて、新しい国債にまでは手が出ないことでしょう。国は借金をしたくても出来ない状況に追い込まれます。その破滅の日がくるまでに構造改革を徹底し、借金を減らさなければなりません。財政再建は日本にとって最も緊急の課題です。

カトリーナ被害に見るアメリカ 9/23

超大型ハリケーン・カトリーナがニューオルリーンズを中心として大きな被害をもたらしたことはすでに皆さんご承知のことと思います。そしてはからずも「これが世界で覇権を握るアメリカなのか?」と疑うほどの混乱と略奪の無法地帯と化したことに、市民の意識の低さをいやというほど見せつけられました。

日本でも地震や台風などの大きな被害を受けることは良くありますが、避難方法やその態度、ボランティアの救援活動など、今回のカトリーナ騒動と大きな開きがあることを改めて知りました。日本人としての誇りと尊厳をいつまでも矜持したいものです。

ここで「カトリーナとクルーズの関係」という少し変わった話題を提供したいと思います。

カトリーナが大きな傷跡を残したニューオルリーンズやモービル市はカリブ海クルーズの出発地としても有名です。そのニューオルリーンズとモービルを母港とするカーニバル社のセンセーション/エクスタシイ/ホリデイの三隻は母港が壊滅的被害を受けたために利用できず、クルーズの運営が出来なくなりました。

これらの船を他の港に移送して、クルーズを続行することも十分可能だったのですが、カーニバル社ではいち早く政府への協力として、この三隻を政府に貸し出しました。政府は宿泊・食事施設の整った、これら三隻を避難民の収容に使う予定でした。ところが多くの避難民はアストロドーム(野球場)など最初に避難した不自由な場所から快適な船に移ることを拒否しました。

せっかくの計画がぶち壊しになった理由のひとつに「洪水に対するトラウマ(心の傷)」が避難民の心の中にあり、海を連想させる船には行きたくないという心理が働いたと分析しています。その結果、カーニバル・センセーション/エクスタシイの二隻は救難援助に働く人々とその家族の宿泊場所として活用せざるを得ませんでした。このような大きな災害に出合った人々の心理を見誤るとせっかくのアイデアがアイデア倒れになってしまいます。

残る一隻のカーニバル・ホリデイはこのようなわけで、使い道がないままにドックに係留されていましたが、最近になって150人が避難所として使用しはじめました。クルーズ体験と同じで一度クルーズ・シップに乗船すると、野球場などでの避難生活よりよほど快適であることがわかります。150人はクルーズ・シップの楽しいパブリックスペースを楽しんでいるようです。仕事のある人々はバスなどの移動手段まで提供されていますが、2000人以上収容可能な船に150人収容とは見当違いも甚だしい結果となりました。

災害への対応に日米ではこのように大きな差があることをしみじみと感じると同時に、日頃の準備の大切さを痛感しました。

問題先送り 6カ国協議初合意 9/21

本当にやる気のあるのかないのかさっぱりわからなかった北朝鮮。6カ国協議を始めて丸二年経過して、やっと共同声明を採択するまでにこぎつけました。

共同声明の内容は新聞紙上でしか読んでいませんが、まさに精神的・抽象的な表現であり、日本流「玉虫色」の共同声明に驚いています。アメリカが良くこのような「玉虫色」の共同声明を受け入れたものだと、とても意外に思いました。しかもアメリカ代表は「この声明はウイン・ウインの良くできた声明である」と自画自賛しています。

原理原則を真っ向から戦わす北朝鮮とアメリカの双方が勝つ、すなわち「ウイン・ウイン」の共同声明とは、すなわち「双方がきわめて自分に都合良く説明できる内容」である何よりの証拠です。要約すれば「北朝鮮は核兵器を破棄する気持ちは毛頭無く、アメリカは軽水炉を提供するなど全く考えていない」ことになります。

私自身は「日朝平壌宣言」などを日本政府が本気になって推進してはならないと思っています。国際的な約束を平気で破る北朝鮮に莫大な経済援助など狂気の沙汰です。従って日本政府は拉致問題で徹底的な解決を求め続けなければなりません。北朝鮮が「日本国民の誰もが納得する誠意ある解決」を示すことが「日朝平壌宣言」へ日本が一歩踏み出すための踏み絵であるとの態度をとり続ける必要があると考えます。

それにしてもオーム真理教が国となったような北朝鮮が国際社会で堂々と存続を許されるのは我慢がなりません。国際的な警察があれば、日本国におけるオーム真理教のように司直の手を伸ばすことができるのにと悔しい思いをしています。

今後6カ国協議がどのような進展を見せるにしろ、日本側としては「拉致問題の根本解決、すなわち50人とも100人とも言われている拉致した人を全員帰国させる」ことが実現しないかぎり、一歩たりとも北朝鮮に対する経済支援はしないと、ここで改めて宣言する必要があると思います。

民主党代表選 政治は変わるか? 9/19 

「改革」を「現状を変えて新しい時代に対応する」と定義すると、民主党と古い自民党は驚くほど似ています。まず自民党の特定郵便局長会や医師会などの支持団体が民主党の場合組合です。今回は「働かない労働組合:官公労」のために郵政民営化で民主党は迷走しました。しかし民主党を支えているのは官公労だけではありません。

民間企業の労働組合もまた民主党の大きな支援団体です。一旦選挙となれば、組織内候補の場合、組合から特に若い人たちが動員され、休暇を取って選挙運動をすることを命じられます。彼らの役割は自民党の地方組織と同じですから、民主党が組合と決別すれば満足に選挙運動すら出来ません。このことが民主党の「改革への動き」に大きくブレーキをかけています。

次に評判の悪い自民党の派閥ですが、民主党は派閥と呼ばずに「グループ」と呼んでいますが派閥は存在しています。そして亀井静香や綿貫、平沼、古賀といった守旧派が民主党では旧社会党などです。ここまで言えばおわかりでしょう。そうです、小泉首相は民主党で言えば組合と断絶し、旧社会党を追い出したのです。そして選挙に勝利しました。

この肝心なポイントに触れたくないばかりに、亀井静香の「民意は明確に下ったが、国民はマインドコントロールされている」の言葉のような言い訳ばかりが民主党から聞こえてきます。「自分たちの言い分は正しいのに小泉劇場にマスコミが幻惑されて理解して貰えなかった」と民主党は言いますがとんでもないことです。労働組合と旧社会党の人々との決別なくしてはどのような美辞麗句も所詮守られない約束になってしまうのです。

さて前置きが長くなりましたが、民主党代表選で僅差ながら前原氏が管氏を破り、代表の座を勝ち得ました。旧社会党を支持基盤とする市民運動家出身の管氏が選ばれたならば民主党も終わりでしたが、かろうじて踏みとどまりました。

早速注目されるのが人事です。まず人事で前原代表の「本気度」が試されます。そして若い前原代表が「変化を嫌う党内抵抗勢力」とどのように戦ってゆくか、注目に値します。政治が本当に変わるのか?その試金石です。

総選挙 自民勝利の影に秘策あり 9/16

今回の自民圧勝は小泉首相のわかりやすい争点設定と、覚悟の強さというか本気度が有権者に伝わった結果というのが、おおかたの見方です。その見方に間違いはありません。しかし、その裏には用意周到なメディア戦略がありました。

自民党本部から有力なメルマガ、ブログ作者に招集がかかったことはすでに述べました。その中心的役割を担ったのが自民党広報本部長代理の世耕弘成参議院議員です。同氏はもとNTT広報課長で、今回の総選挙でメディア対策の一切を引き受けました。そして「コミュニケーション戦略チーム」を結成したのです。

「コミュニケーション戦略チーム」とは一体何でしょうか?皆さんはテレビでの各党の代表者が丁々発止と激論を戦わしているのを興味深くご覧になったことと思います。このチームはテレビの選挙報道をワイドショウにいたるまでつぶさに観察し、自民党が有利になるように「話し方の内容」をことこまかく分析し、出演者に指導を与えていました。

ある番組でやりこめられると、すかさず「反論と切り返し」を竹中大臣のような専門家を交え検討し、テレビ出演者に直接説明したそうです。さらに凄いのは、このような情報を当事者だけでなく、全ての候補者にファックスで流したのです。

この他にも、新聞、テレビ、インターネットなどあらゆる情報を集めて、毎朝10時に持ち寄り、戦略を決めて、全候補者に伝達すると同時に直接候補者を指導することも実施しています。すなわち「一人の情報や対応策を全候補者の情報や対応策にする」という、企業で実施している業務標準化を実施して、個人個人の力で戦うのではなく、組織の総力をあげて戦ったのです。

さらに驚くべきことは世耕弘成参議院議員は自民党の候補者選びにも参画していたといいます。まさに完璧の選挙対策です。その上に新聞、テレビなどのマスコミに先駆けて、独自に世論調査を実施して、判断を誤らないようにしていました。まさに第二次世界大戦で米軍が実施した「情報をいち早く収集し、正確な情報に裏打ちされた戦略を持って攻撃する」ことをそのまま実施したのです。

いままでは亀井静香に代表されるように「時代錯誤の時流に乗り遅れた自民党」であったのが、静かに「若い力で近代戦を挑む」ような変化が古い自民党の中に台頭していたのです。小泉首相の気迫のこもった覚悟と分かりやすい争点にこのような近代兵器まで加われば、民主党をぶち壊すことは容易であったことがわかりました。

政治の世界も次第に変わってきていることを知り、嬉しく思いました。

総選挙 改革の旗印の麻薬 9/14

今回の総選挙で民主党が大敗北したのは「改革の旗印」を小泉自民に取られたことが大きな原因だと考えられます。政権与党であるが故に、いつも守勢に回っていた自民党が今回ばかりは「改革の大きな旗印」をかかげ歴史的な大勝利を得ました。これで自民党も目が覚めて、これからは「改革の旗印」を掲げることになるでしょう。

東京10区の「小林」対「小池」の決戦は「地元の小林」と「脱地元で日本改革の小池」と明らかに旗印がことなりました。そして小池の圧勝です。小池百合子氏は「従来のような選挙手法は明らかに通じなくなってきた」と高らかに勝利宣言をしました。

もともと「無党派」は既得権益とは無縁の存在ですから「地元利益誘導」の旗印は全く通用しません。その一方で年金、医療や増税などには敏感に反応します。その上で1000兆円に達する借金で日本が財政破綻を来していることも「無党派」は知っています。そこで「郵政民営化という改革の旗印」が「無党派」の心をとらえ、このような大勝利を勝ち得ました。

このうま味を知った自民党は、従来の地元誘導型「ドブ板選挙運動」と決別し、無党派層の取り込みに一歩踏み出すのではないでしょうか?そしてそのことが「政治が変わる」第一歩です。

次の選挙は恐らく、与党も野党も「改革の旗印」のオンパレードとなることでしょう。しかしここで安易に「改革の旗印」をたてただけでは無党派の風は吹きません。今回の小泉大勝利は郵政民営化に対する小泉首相の本気度が選挙民に伝わってきたからこその大勝利です。与党も野党もここのところを読み違えて貰いたくありません。

次の選挙に向かって、与党も野党も「本気の改革」を実績で競い合わなければ、無党派はまた眠ってしまいます。もし与野党が本気で改革を競い合った時、日本の政治は大きく変わり、確かなニッポン再生へと力強い第一歩を踏み出します。是非そのようになって欲しいものです。

総選挙 小泉自民の気合い勝ち これからが大変 9/12

今回の総選挙は自民党の地滑り的大勝利で終了しました。多くの国民は小泉首相の「困難をモノともせず。勇敢に突き進む」姿勢に心を奪われたのだと思います。永田町(政治の世界)では誰もが予想しなかった「解散→郵政民営化国民投票→刺客騒動」にひたすら突き進む小泉首相に久しく見なかった「強いリーダシップ」を感じたと思います。

世の中がすでに「地域優先、利益誘導」から国民全体の「財政再建、福祉重点」に変わっているのに、自民党守旧派や民主党が明確なメッセージを出さず、世の中に閉塞感が漂っていたところに、古い政治体制を本当にぶっ壊す小泉首相の「気合い」を感じ拍手喝采を送りました。

同時に民意と明らかに異なる決定をした参院に対する強烈なパンチとして、参院で否決しても衆院で再度可決することができる「三分の二の絶対多数」を衆院与党に与える審判まで下したのです。参院無用論を参院にもつきつけました。

これからが大変です。国民は明確に「政治よ変われ!」との強烈なメッセージを送っているのに、亀井静香などは「国民はマインドコントロールされている」と今だに国民の声を聞こうとしません。小泉首相は速やかに郵政民営化法案を可決させ、政府系金融機関の統廃合や、おかしな方向に走っている道路公団民営化に軌道修正を加え、農林族、医師会などの影響力排除など次々と改革の手を打たないと、国民の期待は大きな失望に変わります。

また「民で出来ることは民で」「地方で出来ることは地方で」を強力に推進し、「働かない官公労」「税金無駄使いの霞ヶ関」の勢力を本気になってぶっ壊すことが必要です。

今回の選挙のように「民意を聞かないと大変なことになる」との恐怖心を政治家に次々と植え込まなくてはなりません。この総選挙で国民は鮮やかな刃を「時代の変化に背を向ける政治家」につきつけました。本当に日本国民は聡明であると思います。

政治家よこのへんで目覚めよ!!    

総選挙 民意の素晴らしさを示す時 9/09

ハリケーン・カトリーナが大被害を及ぼした米国では大変な状態になっています。略奪や放火騒ぎは「これが世界の覇権を握る米国の国民なのだろうか」と首をかしげる状況です。阪神・淡路大震災の時の日本人の態度に対し世界中の人々が驚嘆したことを思い出します。米国の現状を見るとき、改めて日本民族の優秀さを知る思いをしました。

このような優秀な日本人が、どうして昨今の低迷を招いているのでしょうか?新しい時代にどうして対応できないのでしょうか?その原因の一つに「国民の政治に対する無関心」があると思われてなりません。

政治以外の世界では、プロ野球への新規参入をめぐるホリエモン騒動。フジテレビをめぐるホリエモン騒動。そしてカネボウやダイエーの解体に西武堤王国の崩壊など、着実に古い世界が崩壊し、新しい日本の台頭が起こりつつあることはすでに何度も述べました。

そして今回の総選挙です。古い世界の抵抗勢力や「働かない労組、官公労」などの危篤権益死守勢力と新しい世界のせめぎ合いがついに政治の世界へも波及してきたのです。自民党で「景気対策と大声で叫んでいる勢力と郵政民営化反対勢力は重なる」との官房長官の発言はまさに言い得て妙ではありませんか。誰が問題か、姿を現してきたのです。

すでに述べたように優秀な日本民族が、政治の世界における改革推進を本当に志す人を鋭くかぎ分けて、日本の再生のために、尊い一票を投じることがとても大切です。

今回の国民の審判が「日本が世界で生き延びて再び輝きを増すかどうか」を決めることになります。是非とも懸命な判断をしようではありませんか。

マニュフェストをどう評価すれば良いのか? 9/07 

各党ともマニュフェストなるものを競い、従来の政党公約より一歩踏み込んだ内容になっているとマスコミでは評価しています。しかしどうでしょうか?一般企業で言えばマニュフェストは事業計画にあたります。その観点から見れば、各党のマニュフェストは事業計画の内容、手法とはほど遠いものがあります。

新聞、テレビでは民主党のマニュフェストが数値目標もあり、より具体的であり、自民党はなぜ数値目標を入れないのかと非難しています。本当にそうでしょうか?

民間企業では裏付けのない数値目標はすべての人を不幸にしています。具体的な事例をあげればカネボウの粉飾決算です。これこそまさに裏付けのない数値目標を何としてでも達成するために、粉飾決算に走り、あげくのはてに元社長、副社長が逮捕されています。

民主党の郵政事業に対する対応はお粗末そのものです。「郵貯制限額を1千万円から5百万円に半減することにより、郵貯資金を半減する」と公表した直後に、これが全く事実に基づかない数値であることを露呈しました。そして郵貯資金を半減させれば人員過剰になると突っ込まれて、やむなく郵貯・簡保は廃止か民営化との方針転換を余儀なくされています。

これは一例ですが、いやしくもマニュフェストと呼ぶならば、しっかりとした戦術・戦略があり、その戦術・戦略が確かな数値で検証されていなければなりません。その意味ですべての党のマニュフェストは選挙スローガンにすぎません。選挙が終われば忘れさられるものです。

その中で唯一の例外は自民党の郵政民営化です。この政権公約は国会で長時間にわたり審議され、「自民党勝利のあかつきには再度法案成立をはかる」というものですから、これほど確かな公約はありません。法案が成立するかどうかは国会が決めますが、「自民党が確かな行動を起こして約束を実行する」ことは誰も疑っていません。

その他の事項については「全ての政党のマニュフェストは選挙民の耳に快く響く美辞麗句を並びたてた項目の羅列である」と考えておくほうが後になって腹が立たないと思います。

それよりも古い体質を切り捨てようとする自民党に期待するのか、政策では自民党とほとんど変わらない民主党に政権を担当させるほうが政官業の癒着を断ち切れると思うのか、それとも二大政党の大政翼賛会的な傾向を是正するために共産党の叫ぶ「確かな野党」を望むのか?ジックリと見極めて投票することが大切だと思います。

選挙の争点 公務員の人件費削減 9/05 

選挙の争点の一つに公務員人件費削減があげられています。民間なら事業の業績に応じてリストラ等の大手術が行われますが、公務員の場合は大きな費用削減が実施されるどころか、大阪市の職員厚遇問題に見るごとく、労使癒着でデタラメの運営が行われています。

ここで公務員の実態を数字で確認しましょう。

国家公務員は約62万人で人件費約5兆円。地方公務員は308万人で給与関係経費は22兆円です。そしてその中身を精査すると国家公務員では62万人のうち自衛官が25万人います。地方公務員308万人のうち教職員115万人、警察官27万人、消防署員16万人です。

一口で公務員と言っても、ここに述べた自衛官、教職員、警察、消防などは必要な公務員です。削減の対象にすべきは、行政職である国家公務員33万人、地方公務員107万人であり、思いきった効率化、スリム化を達成しなければなりません。

さらに郵政事業のように「民でできることは民で」の思想で、コスト意識の無い公務員に事業をさせないことが最も重要なことです。その意味で郵政公社26万人の公務員を民営化により、公務員から切り離すことは必須であることがわかります。

政治家の中には「郵政公社には一銭の税金の投入していないのだから、公務員から切り離しても公務員の削減にはならない」と声高に叫ぶ人がいます。とんでもないことです。今までは郵貯・簡保のお金は特殊法人に流れ、そこに税金が投入されて、高い利子を郵貯・簡保に支払っていました。だからこそ郵政公社が維持出来たのです。

ところが今後は郵貯・簡保のお金が特殊法人などに流れる量が極端に減少します。するとうま味のある資金運営が出来なくなり、このままでは行きずまることは目に見えています。民営化により、新しい事業に乗り出さない限り、第二の国鉄になってしまいます。どうしても今の時点で民営化し、26万人を公務員から切り離さなければなりません。

民営化すれば厳しい競争が待っていますので、必然的に天下りの温床であるファミリー企業にもメスを入れなければならなくなります。その他にも民で出来ることはすべて民営化して、公務員だけでなく、その傘下にある組織の浄化を図らなければならないのです。郵政の次は赤字垂れ流しの政府系金融機関などまだまだ無駄使いの元凶はたくさんあります。

郵政民営化を突破口に「官から民へ」を貫徹しなければなりません。

選挙とインターネット 9/02 

いま密かに話題になっていることがあります。それは8月25日に自民党がブログ記者やメールマガジン作者33人を党本部に招いて懇談会を開いたことです。実は藤原通信にも自民党から招待状が届きました。しかし関西在住の私にとって東京の自民党本部まで出向くことは出来ず、やむなく欠席にしました。皆様のおかげで藤原通信も一人前になれたと感謝いたします。

出席者の話では有名なIT起業家や、メディア名を聞いたことがある著名な人が多く出席したそうです。武部幹事長や安部幹事長代理も出席したそうです。藤原通信の20倍以上の読者を持つメルマガ作者は突然の自民党からの招待に驚いたと、興奮した状態で報告していました。私も招待状に驚きましたが、ブログやメルマガの影響力にいち早く目をつけた自民党の戦略はさすがです。

さらに報道機関およびメルマガ作者、ブログ執筆者限定という8月31日の7党政策討論会への招待状も届きました。ブログやメルマガ作者が報道関係者と同列に扱われ始めたのでしょうか。良い傾向です。

同時に現在の公職選挙法の時代遅れも関係があります。公示されると各政党のホームページの更新も出来ず、民主党が岡田代表の第一声をホームページに掲載したところ当局からの警告があり即日削除しました。このような状況から自民党はブログやメルマガ作者を通じて自民党の政策を報道して貰いたいとの意図が透けて見えます。

ところがブログやメルマガも勝手な情報発信をしていると選挙違反の対象になります。まだその基準が明確ではありませんが、十分注意しなければなりません。

そこで藤原通信では誠に残念ながら、党名を明確にしたメルマガは選挙が終了するまで差し控えることとします。しかし私たちが投票にあたり判断基準になる事柄についてはドンドン情報発信して行くつもりです。

時代遅れの公職選挙法を早く改正して、インターネットでの自由な活動が許可されるようになって欲しいものです。
 

ビジネス応援団藤原通信>藤原通信2005年9月号