関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ 日本型経営の研修に最適 大阪藤原雄一郎の時事通信 2005年6月号 |
郵政民営化 チキンレースの様相 6/29小泉首相は郵政民営化法案の修正に対してゼロ回答をし、「廃案になったらそれはしかたがない」と漏らしたと報道されています。まさに郵政民営化を巡って、小泉首相と反対派の間で「先にブレーキをかけた方が負けとなるチキンレース」の様相を呈してきました。道路公団民営化の時に、このような粘り腰を見せてくれていたならと、とても残念です。この問題はハッキリ言って、自民党内での最後の権力闘争のように見えます。反対派の主力は小泉政権下でほとんど壊滅的打撃を受けた旧橋本派と、随分と冷遇された亀井静香、ならびに靖国問題で自身の信念を曲げてまで「打倒小泉」に走ろうとした古賀元幹事長など反体制派の面々がずらりとそろっています。 ここは小泉首相が「解散」に打って出るだけの力をまだ秘めているか、その最後の見極めに反体制派は躍起になっているように見えます。国民はそのあたりを良く知っているからこそ郵政民営化が一向に国民の注目を浴びないのではないでしょうか? 前回述べましたように1000兆円を越える借金の中、公務員の効率化が緊急の課題であるとすれば、郵政公社職員約26万人を公務員から外すことは大変に意義があります。また郵政事業で優等生である郵貯も、過去の高金利時代の遺産であって、昨今の低金利で郵貯の優位性はほとんど無くなり、郵貯から資金はドンドン逃げ出しています。 しかしATMの夜間・休日無料の便利さは維持されていて費用はかさみ、一方で有利な特殊法人等への貸し出しは減少の一途をたどっています。早晩優等生の郵貯も旧国鉄のように赤字体質に転落するのは避けられないと思います。このようなことを考えると体力のある今のうちに郵政民営化に踏み切るほうが良いのではと思います。 幸い郵政公社は優れた民間の経営陣を迎え、体質改善に大車輪で取り組み、その成果も出つつあります。いまが民営化のチャンスであるように思われます。 民営化すれば過疎地などで不便な事態が発生するでしょうが、そのために使うお金と年金・医療のために使うお金のどちらを優先するかということに行き着きます。もはや「あれも・これも」は通用しないで「あれか?これか?」の時代です。この際、勇気を持って郵政民営化に突き進むべきでしょう。 それにしてもだらしないのは民主党です。効率化の敵、官公労にしっかりと押さえつけられて、真の郵政改革の対案を出すことも出来ず、昔ながらの審議拒否や竹中大臣の個人攻撃など枝葉の部分に時間を使い、国民のための議論をしない有様には絶望します。こまったことです。 国の借金1000兆円を越える 6/27財務省は24日、今年3月末時点での国の借金が781兆円5517億円で、過去最高を更新したと発表しました。しかし借金はこれだけではありません。郵便貯金や年金から調達する財政投融資の残高は121兆5532億円、また為替介入資金を調達するFBは96兆762億円、さらに民間からの借り入れは59兆1122億円となりました。その合計は1000兆円を超える巨額なもので、国内総生産の二倍近くになり、先進国では例を見ない莫大な数字です。だのにどうして大騒ぎにならないのでしょうか?2008年からは小渕内閣時代の野放図な借金の返済期限を迎えますが、とても返済できる状況ではありません。そこで再び国債を発行して借り換えることになります。はたして買い手はいるのでしょうか? 特殊法人の放漫経営を可能にしたのは、郵便貯金資金です。一世を風靡した高金利の定額貯金を官僚は考え出して、国民のお金をドンドン集めることに成功しました。今度は国債の巨額発行に備えて個人国債に有利な条件を設定しました。この低金利時代に有利な個人国債はいま人気です。このように民間に比較して有利な条件を出すことが可能なのは、採算性を無視しているからです。すでに郵貯・簡保・年金資金はかなりの額が不良債権化していると囁かれています。 しかし郵貯や国債が直ちに紙切れになることはありません。官僚と政治家の不始末に対して、私たちの血税を豊富に注入しますので、貸し倒れにならないのです。国の借金を外国に依存し、外貨が底をついて初めて破綻が現実となり、郵貯や国債が紙切れになりますので、現時点では一番安全な金融商品です。 このように財政破綻をごまかすことに知恵を使う前に、何度も言っているように国も地方も小さな政府を目指さなければなりません。社会保険庁や大阪市の職員厚遇問題で明らかになったように、効率化を阻害する自治労など官公労にも存分にメスを入れて、公務員の数を劇的に減らさなければなりません。 厚遇問題に揺れる大阪市は横浜市の二倍の人員をかかえていることも明らかになりました。「行政の効率化指標」などを設定して、厳しい監視の目を注ぐことが必要でしょう。従来から叫ばれてきた、公共事業や箱物行政の無駄、特殊法人の衣替えである独立行政法人の放漫経営に加えて公務員の人件費削減は絶対条件です。しかも高級官僚だけでなく、効率化を阻害する人たちに指導されている自治労を筆頭とする官公労に対する世間の糾弾が必要です。 今更ながらに小泉構造改革の「民で出来ることは民で」の重みが心に迫ります。郵政民営化も完全に民営化することによって、「職員を公務員から民間人」にすることは小さな政府への第一歩だと、1000兆円の借金を目の前にして、しみじみと感じます。 経済財政諮問会議 骨太の方針 医療費抑制経済財政諮問会議が、政策運営の基本指針となる今年のいわゆる「骨太の方針」をまとめました。概して不評です。それはすでに破綻が明確な財政に対して有効な方針を示すことが出来なかったことです。高齢化社会の到来で、増加の一途をたどる福祉関係の費用の中で、今回は医療費を国内総生産の伸びの範囲で抑えることが大きな話題となりました。さすがに「経済成長の範囲内で病気をせよと言うのか」との激しい反対にあって、撤回せざるをえませんでした。ここで一番問題なのは医療費の適正化ではないでしょうか。医療費の負担についてはドンドン先取りで増加していますが、肝心の医療費の適正化は手つかずのままです。 相変わらず横行する「医療費の水増し」や「下手な医者ほど儲かる仕組み」など医師のモラルを問う問題も根が深いものがあります。医療の定額制など、アイデアは沢山ありますが、医師の診療報酬が減る方向での改革には医師会の大きな壁があり一向に進展しません。この壁を突破しないかぎり医療費削減は全く進展しません。 ビジネスの世界で考えると、医療費の伸びが国内総生産の伸びを大幅に上回るということは、医療費総額が増加しているということです。従って医療報酬が現状のレベルのままだと(医者の数が急激に増えているわけでもありませんから)医者は合理化もせずに収入が増えることになります。このような単純な発想に立てば、「医療制度の効率化で医療費の伸びを国内総生産の伸びの範囲で抑える」という民間委員の主張もまんざら暴論ではありません。 それを医師会の恫喝に負けて「医療費削減=患者側の負担増大」に走ろうとするから「経済成長の範囲内で病気をせよと言うのか」という全く横道にそれた議論になるのです。同時に政府は「何とかして医者通いを少なくさせる」発想ばかりしています。医師会の頑迷な思想がかえって自らの首を絞める結果になろうとしています。 この辺で医師会も目を覚まして欲しいと思います。医療の世界に競争原理を持ち込んで、「良質な医療を安価に提供出来る医者が儲かる」ように制度の抜本改革に取り組んで欲しいと思います。「下手な医療でいつまでも患者を病院に塩ずけにする」現在の実費精算方式をまず改めることです。 医療の合理化と競争原理の導入なくしては日本の財政破綻が立ち直る方策はありません。 日韓首脳会談 6/22日韓首脳会談は今までにない厳しい環境で開催されました。また会談の結果、「ほとんど成果らしい成果が無い」と韓国大統領自身が言っています。私はそれで良かったと思っています。従来の「日本ことなかれ外交」であったならば、首脳会談の成果を焦るあまり、日本側の不必要な妥協がはかられたことでしょう。今回もそのようなことがあれば日本の外向的自立はなくなってしまいます。もともと盧政権は"NGO(非政府組織)政権"との評があり、左派ないし革新系で反日的な民間組織や知識人の影響を強く受けている政権です。そして彼はアマチュア政治家とも言われています。 盧武鉉大統領は昨年「私の任期中は歴史問題を争点として公式に提起しない」と表明しました、ところが、きのうの小泉首相との2時間余りの会談では「1時間50分は歴史問題だった」と自ら語っています。もともと今回の韓国側の要求は無理筋でした。具体的には「竹島(韓国名・独島)領有権の放棄」「靖国神社への首相参拝中止」「韓国側の歴史認識受け入れ」です。 これでは日本に一方的に屈服せよと言っているようなものです。なぜこのようなことになったのでしょうか?それは韓国や中国が「かならずしも正確な事実に基づかない反日教育」を長年にわたって繰り返してきた結果に他なりません。その結果「自分で自分の首を絞める」ことになり、中国・韓国ともに日本に対して強硬姿勢をとらなければ政権の存立が危うくなったのです。 日本の過去を検証するばかりでなく、戦後日本が世界平和と経済援助にいかに尽くしてきたかを含め、「中国・韓国・日本の正確な歴史認識」を堂々と日本は要求すべき時期に来ています。中国はもともと独裁国家です。韓国も一時期軍事政権でありました。日本だけでなく、日・中・韓三国に対する正しい歴史認識を世界に問う必要があると思います。(アメリカは中国共産党の歴史認識を追求してます) その上で、正確で正しい歴史認識に立って、日本が謝罪すべきはして、そして戦後の日本が不戦の誓いを立てて、赤字国債を出しながらの世界第二位のODA実績などを認めて貰わなければなりません。また日本を「敵国」といまだに見なしている国連に対してさえ世界第二位の負担金を出していることも中・韓両国民に知って貰わなければなりません。 このようなことをすれば中国など政権維持が困難になるからこそ反日の大合唱です。靖国問題もここまでこじれた以上、参拝は実行せざるを得なくなりました。このような露骨な反日運動で日本国民を怒らせて何の得(トク)にもならないことを両国は知るべきです。 65歳の新入社員 6/20私がクルーズコンサルタントとして修行していることは藤原通信でもたびたび申し上げました。単なる個人がクルーズコンサルタントとして修行すると言っても、その活動には限界があります。私の場合はまずホームページで多くの人々に「クルーズの楽しさ」を知っていただく活動から始めました。それが藤原雄一郎のクルーズワールドです。 http://inox-tabi.com/cruise/cruisetop.htm 特に外国の船に乗船するたびに豊富な写真をもとに楽しいホームページ作りに力を入れて5作目になる日本生まれの「ダイヤモンドプリンセスのアラスカクルーズ」ではとうとう写真の数も500枚という膨大なホームページになりました。 このサイトをいくつかの旅行社に紹介したところ、「よくもここまでのホームページが出来たものだ」と大好評で確かな手応えがありました。私の目下の夢は「このサイトをクルーズに関して日本一に育て上げること(大言壮語がすぎますが)」。そしてインターネット業界で今、最先端を行くCMS(今大流行のブログの一歩先を行くものですが、説明はしません)を取り入れた、利用者の声を反映した楽しいクルーズを旅行社と協力して作ること。 すなわち「藤原雄一郎のクルーズワールド」「最新のCMS技術を利用した利用者参加型クルーズ」「旅行業者」の三者を結びつけ、クルーズの拡大を図るというアイデアです。そこで無謀にも私のサイトに興味を持ってくれた大阪の旅行社に売り込み、同意を得て、その会社の本社へ正式に申し入れることにしました。そして17日に上京しました。 クルーズ業界でも数少ないクルーズ・マスターの資格を持つ責任者に「私の想い」を約30分熱く語りました。するとその人は「私は大昔、初めてクルーズを体験し、その時の感激が忘れられずこの業界に入りました。そこにいる我が社の若い社員に、情熱を持ってクルーズを販売するようにと、いつも言っていました。ところが藤原さんの話を聞いて、情熱に年齢は無関係と改めて認識しました。喜んで協力しましょう」との回答を得ました。そしていきなり、何と社内会議にまで参加させてくれたのでした。大感激です。 これからはその会社への出入り自由で、秋には店頭に立って実際に対面販売も経験させて貰うことになりました。社員という訳ではありませんが、いわば65歳にして新入社員のようなものです。週に一度か二度、その会社の西日本センタに出入りして存分に実情を吸収できることになりました。 クルーズコンサルタントとして実践の場所を確保したわけです。これからの団塊の世代の大量定年を迎え、インターネット最新技術とセレブなクルーズとの結びつきに挑戦したいと、いま熱く燃えています。 対中国 もの申す外相 6/17 前回 6/15町村外務大臣の「文芸春秋」七月号に町村外務大臣の「対中国『へりくだり外交』を排す」という記事が掲載され、最近その強気の発言が注目をあびています。何かと問題山積の日中や日韓関係について、「一方的に日本がへりくだり、おもねることでしか友好関係が成立しない、ということであれば、これは長続きしない関係になってしまう」と指摘して、国際社会に対して日本の立場や意思を明瞭(めいりょう)に表明すべきだとの主張です。 また多くの皆さんもテレビでごらんになったと思いますが「靖国神社に行ったから、日本は軍国主義だとか批判もあるが、とんでもないことだ」「赤字国債をだしながら世界第二位のODA援助をしている」などときわめて歯切れの良い発言をしています。国際社会に対しての積極的な情報発信はとても大切なことだと思います。 また最近、日韓歴史共同研究の報告書が公表されました、その中で日韓双方の学者の歴史に対する見方や考え方の違いが明確になっています。どうやらお互いの主張を激しく述べあったようです。私自身もそうですが、中国や韓国が「歴史認識」と日本にせまるたびに、どのような歴史認識を言っているのか、多くの日本・中国・韓国の国民はその具体的内容について知りません。 伝え聞くところによると中国の反日教育も随分とその内容が誇張されているようです。ここは中国との間でも「正しい歴史認識」の共同研究がなされ、日韓歴史共同研究のようにその内容を世界に対して公表するべきだと思います。 韓国は民主主義国家ですが、それでも韓国の学者は政治的影響から脱却出来なかったようです。まして共産党の一党独裁である中国では、自由な発言が許されるはずもありません。そこで韓国の時のように両論併記で世界中にその情報を公開すれば、必ずや世界が中国を直視して、「中国こそ正しい歴史認識を」との声が世界に広がると思います。 中国は北京オリンピックを控え、国際世論にはことのほか敏感です。「歴史認識」を声高に主張する中国に対して、その要求を受け入れ、日中歴史共同研究を強烈に申し出る絶好のチャンスだと思います。今までの「へりくだり外交」から脱却して、世界を舞台に、中国に対して「もの申す日本」になるべき重要な時期が到来していると思います。 靖国問題 「英霊が静かに休まることが大事」 6/15今、日本が直面する大切な問題は、「700兆円を超える借金で国家財政がすでに破綻しており、破綻状態にもかかわらず増加する一方の年金・医療などの福祉問題をどのように解決してゆくか」の一点に絞られるはずです。しかし与党も野党も真剣に考えるそぶりもありません。その一方で年金の無駄使いの元凶である社会保険庁の改革は結局のところかけ声だけで終わり、高級官僚や自治労による「労使一体」となった国費無駄使いには結局メスが入らず、後は増税が待つだけの閉塞状況となりました。 小泉政権も終盤に入り、反体制派は虎視眈々と権力の奪取を狙っています。その大きな武器が「郵政民営化」と「靖国参拝」問題です。特に靖国問題では完全に小泉包囲網が完成しました。それは反体制の筆頭である古賀元幹事長が自身の信念を曲げてまで、靖国参拝に遺族会として後ろ向きの考え方を誘導したことです。まさに味方が背後から鉄砲を撃つ行為です。 産経新聞の報道では 日本遺族会(会長・古賀誠自民党元幹事長)は11日、都内で幹部会を開き、小泉純一郎首相の靖国神社参拝について「遺族会の悲願で有り難いが、並行して英霊が静かに休まることが一番大事だ。近隣諸国に配慮し、理解してもらうことが必要だ」との見解をまとめた。とありますが、朝日新聞は「あくまで古賀元幹事長の私見」であると報道しています。どちらが正しいかわかりません。 まさに「肝心の遺族会が靖国参拝中止を要請」という印象をばらまき、参拝中止となれば「そのような意味ではなかった」と文句を言えるようなきわめて巧妙な表現になっています。明らかに反体制派の筆頭である古賀元幹事長が靖国参拝で勝負をかけているように見えます。反体制派にとって何よりも腹立たしいのは「内閣支持率が一向に下がらないこと」です。 小泉首相の靖国参拝のよりどころである遺族の気持ちを参拝反対に誘導し、小泉首相が靖国参拝を断念すれば、これだけ難しい靖国参拝問題ですから、「信念を頑固に守る小泉純一郎」のイメージに対して国民の反応に何らかの変化が出ることを狙った作戦に思われてなりません。 「押しても駄目なら引いてみな」作戦でしょうが、このような国益にかかわる大切なことを、小泉政権打倒の道具に使って良いものでしょうか。反小泉の旗印を掲げている面々の何と時代遅れの感覚でしょうか?自民党が決定的に破滅に向かう引き金を引いているとしか思えません。これも民主党がだらしないから、時代遅れの反体制派をのさばらすことになるのです。迷惑するのは私たちです。 「JR西の事故の教訓を生かし民営化は慎重に」 冗談ではない!! 6/13物知り顔の評論家(藤原雄一郎もそうではありますが)が「JR西の事故に見るように収益重視のために安全を犠牲にしかねない『民営化リスク』に注意を喚起したい」などと言っています。彼らは企業経営の何たるかがまるでわかっていません。まずJR西と競合関係にある阪急や阪神が同じように利益重視のために安全性を犠牲にしていますか?阪急も阪神もJRの時間短縮競争に参加せず、阪急などはJRに敗北しているではありませんか。 会社経営は言うまでもなく利益を出すことが存立の条件です(官は赤字垂れ流しでも平気の平左)。赤字垂れ流しで企業の存続はありません。だからこそ「安全とか品質を軽視したら企業の存続さえ危うくなる」ことが「骨の髄」まで染みこんでいるのが健全な経営者です。私自身実際に製造業という安全にかかわる事業経営に携わってきましたから良く理解しています。 なぜかと言うと、「安全や品質軽視」が極めて巨額の利益の損出に直結するからです。すなわち「安全や品質軽視」は最初のうちこそ「僅かばかりの利益の増加」に結びつきますが、ある一線を越えたとたんに「目もくらむような巨額の出費」の洗礼を受けることになります。 このように「安全や品質軽視」が生々しくお金に換算出来ますから、利益優先のために「安全や品質軽視」政策を採用した場合の「底なし沼のリスク」を健全な経営者は知っていますから、よほど度胸のある人か、無能で鈍感な人でないとそのような政策は採用できません。 しかし官僚には「額に汗して利益を稼ぐ」観念がありません。官僚が企業経営をすると「お金の質」がわかりませんから、今回のJR西(経営者は元官僚)のような経営になってしまいます。この点では確かに「民営化のリスク」はありますが、このリスクを排除するのはとても簡単です。民営化する会社のトップから中間管理職に至るまで、民間の優秀な人材と入れ替えればすむことです。 このように言うと必ず反論があります。「三菱自動車や関電の不祥事は利益優先の結果ではないのか?」確かに結果としてはそうです。しかしそれは経営者の管理能力不足の結果であって、経営者の質の問題です。世の中には俗に「2−6−2」の法則があります。組織は必ず「優秀な2割と劣悪な2割に普通の6割」の構成になってしまうということです。 しかし「企業経営の神髄を経験していない官僚」に企業経営をさせれば「優秀な0.5割と劣悪な8割と普通の1.5割」になるのではありませんか。道路公団も郵政民営化も組織形態よりも、経営者に官僚を起用するのか、優秀な民間経営者を起用するのかを見極めることが大切です。 その意味では道路公団民営化は完全に不合格であり現在の郵政公社は経営トップは合格ですが、あとは実施部隊をどれだけ民の血と入れ替えることが出来るかです。民営化された郵政会社の経営陣が再び官僚の天下りになればそれこそ「民営化リスク」ははかり知れません。(素人のあなたが航空機を操縦するようなものです。それほど官と民には意識の差があります) このような重要なポイントを決して見逃さないことです。 「小泉内閣の支持率はなぜ落ちないのか」 読者の意見 6/10藤原通信「小泉内閣の支持率はなぜ落ちないのか」については結構反響がありました。みなさん異口同音に不思議だとおっしゃっています。読者からのメールで次のようなコメントを頂きました。「それはみんなが、このままじゃうまくいかないということを肌身で感じているからではないからでしょうか?うまくいかない以上変化が必要であり、たとえ改革が実らない小泉首相であっても、改革を叫ぶことさえ知らない他の政治家よりはましだという判断があるように感じます。」 本当にそのように感じます。しかし「『政治家の質の低下』はテレビ番組と同じく、それを国民が求めるからである」というのが、私の口癖です。そうすると「どうして政治家はこのような国民の敏感な感情を受け入れることが出来ないのか?」との疑問に突き当たります。そこでハタと思い当たりました。 自民党にとっての国民とは「遺族会、医師会、薬剤師会、特定郵便局長会」等々、一般庶民とは離れた人たちである。また公共事業に群がる政・官・業癒着の構成員が自民党にとっての国民である。 一方民主党にとって国民とは、税金を無駄使いする時代遅れの自治労とか労働組合が国民である。このように政治家の背後では「およそ国民を代表していない人たち」が国民としての影響力をふるっているのが現状ではないでしょうか。日経ビジネスでは「タックスイータ2」の特集で自治労の傍若無人な実態や、労使一体となった大阪市職員厚遇問題など、いままでマスコミが及び腰であった、「官公労のひどさ」の実態にメスを入れています。 これら官公労と民主党とが一体になって、ますます政治不信に陥る悪循環が、多くの真の意味での国民に「たとえ改革が実らない小泉首相であっても、改革を叫ぶことさえ知らない他の政治家よりはましだという判断」を与えたのでしょう。 「それでは真の意味での国民は何を支持しているのか」それは「投票に行かない行動」と解釈すべきなのでしょうか?小泉内閣支持率調査は投票行動とあまり関係ないので、このような捻れ現象が起こり、本当は「国民は変革を求めている」のが真実なのでしょう。いや「将来に対する不安感にひどくさいなまされている」だけなのでしょうか? このままでは日本の財政は破綻し、民間では外資のハゲタカに蹂躙されてしまいます。このような閉塞状況を打破する「英雄待望」状態はとても危険です。私たちひとりひとりの心の中で、私たち自身を改革する努力を地道に進めたいと思います。 おかしいぞ自民党! 靖国問題で中国と結託か? 6/08靖国問題については何度も「難しい問題です」と申し上げ、世の中の意見に多少の私の意見をつけくわえたかたちで、藤原通信に取り上げる程度で深く突っ込むことはしませんでした。しかし今日は少し怒りを感じています。毎日新聞の6日朝刊にもありましたが、靖国問題に対して「小泉包囲網」が出来上がり、首相が孤立しているというのです。その裏には中国側の必死の自民党議員説得が功を奏しているとあります。まさに内政干渉そのものであり、それに乗る政治家に激しい憤りを感じます。 さきに河野衆議院議長が歴代首相を集めて「靖国参拝は慎重に」との意見を表明し、歴代首相からの賛同を引き出しています。靖国参拝派で遺族会会長の古賀誠元幹事長までが「立場のある人の発言には近隣諸国への気配り、思いやりが必要」と小泉首相を牽制しています。彼は反小泉のリーダ的存在です。 私は自民党の政治家が、個人としての信念からこのような動きをするのであれば、何も言うつもりはありません。しかしこのような動きを良く見ると、靖国参拝賛成派の亀井静香氏が牽制したり、亀井派と同根の中曽根元首相までが「参拝をやめるのも一つの立派な決断だ」と発言するなど、親中派でない有力者を総動員して小泉包囲網を形成している現状に、「あわよくば政局(小泉打倒)に持ち込もう」とする動きを感じないわけには行きません。 今まで靖国参拝を支持していた人たちのこのような不思議な動きと、首相を牽制するのが反小泉の面々が多いことを考えると、どうしてもきな臭い動きと勘ぐりたくなります。古賀、亀井両氏はあくまで信念を貫徹する小泉首相を見習って欲しいと思います。政権奪取のために信念を変える変節漢は信用されません。両氏は靖国問題に対して小泉首相の味方をしてこそ政治家です。 いやしくも国の尊厳と国益にかかわることで、自分の信念を曲げてまで、中国と歩調を合わせることで政局(小泉打倒)に持ち込もうなどという動きをしているとするならば、言語道断で政治家の資格は全く無いと思います。 靖国問題は日本人が、日本国と真っ正面から対峙して、自らの心に問う問題であり、「中国とのこれ以上の関係悪化があってはならない」などとのレベルで論ずる問題では到底無いと思います。声高に要求するからと言って相手の要求を受け入れるのは実にレベルの低い外交で、中国はますます要求をエスカレートしてきます。要求を飲むには世界の人々が「なるほど」と思う理屈がなくてはいけません。 私自身は首相の靖国参拝にはあまり賛成出来ませんでしたが、このような卑劣な人々に負けて小泉首相が参拝を中止することには同意出来ません。あまりにも偏った見方でしょうか?皆さんはどう思われますか? なぜ落ちない?小泉内閣支持率 6/06靖国問題は本当に難しい問題です。6月3日の社説でもまたまた産経と朝日が「河野衆議院議長が首相経験者を集めて靖国参拝問題を取り上げた」ことに関してまるで正反対の意見を社説で述べています。産経新聞は「河野氏は席上、『昨今の日中、日韓関係の急速な悪化は看過できない。大きな原因の一つに、 首相の靖国参拝がある』と述べたという。 この発言は、中国の胡錦濤国家主席が『目にしたくない動き』として、首相の靖国参拝などを批判 したことと同一歩調を取っていると受け取られかねない。これは結果的に小泉首相を中国とともに 揺さぶることになる。」とまで極言しています。 また6月5日の朝日新聞社説では「 『朝日新聞は中国の反日に迎合しているのではないか』とのご指摘もいただいている。 だが、中国が問題にしているのは一般兵士の追悼ではなく、戦争指導者の追悼である。A級戦犯が合祀され た靖国神社を、日本国を代表する首相が参拝するのが許せないというのだ。 侵略された被害国からのこの批判を、単純に『反日』と片づけるわけにはいかないと思う。」 それはそれとして、私は小泉首相も「賞味期限をとっくに過ぎ、支持率は急落するだろう」との予測まで藤原通信で書きましたが、一向に急落する気配がありません。国民はこれだけ四面楚歌で叩かれているのに、(ことの正否を超越して)自分の信念を微動だにさせない小泉首相に何か惹かれるものを感じているのでしょうか。 自衛隊のイラク派遣問題を初め、政策面では小泉首相のやることに反対が多いのに、なぜか支持率が落ちないという現象が続いています。郵政民営化にしても、あれだけの露骨な反対があることが、物事の正否を超えて小泉さんの人気を続けさせているのでしょうか? 昨今は全く話題にも上らなくなったホリエモンのライブドアといい、世の中の既成勢力に対する根強い反感が国民の中に鬱積し、これら既成勢力と戦っているようなイメージに対して拍手を送る、すなわち「判官びいき」的な状況がホリエモンや小泉人気を支えているのでしょうか? 事実郵政民営化を声高く叫んでいる政治家に安倍さんのような爽やかな印象を与える政治家はいません。どうみても悪役の感じがします。それはそれで良いのですが、「改革を叫びながら、改革が出来ていない」小泉政権の間に、日本はますます沈んで行くような印象を受けます。 「英雄待望」の気持ちが日本を充満することはとても危険なことだと思います。世の中の動きを正確に見据えることがとても大切に思えてなりません。 アラスカクルーズ 6/03五月半ば、藤原通信を休ませて頂いて、日本生まれのクルーズシップ「ダイヤモンドプリンセス」のアラスカクルーズへ行って来ました。クルーズから帰って豊富な写真によるホームページを作成し、少しでもクルーズコンサルタントとしての目を養いたいとの目的です。口の悪い友人には「クルーズの回し者のワザに磨きをかけに行くのか」と冷やかされています。ホームページ作りもだんだんエスカレートして、今度は500枚もの写真による大作となりました。クルーズの雰囲気を十分に伝えることが出来ると自負していますが、藤原雄一郎流に言えば「評価は人がするもので自分がするものではない」と自分を戒めています。 今回のアラスカクルーズで改めて感じたのですが、アラスカ旅行はクルーズでないと事実上出来ないと思いました。アラスカと言えばアンカレッジやフェアバンクスが知られていますが、日本からの直行便はありません。それに見所が海岸線にそって沢山あります。陸上での移動には多くの制約があります。 その点、船の場合は見所の海岸線に上陸し、そこからヘリコプターや観光列車、またはバスで縦横に観光が出来ます。しかも日本からの直行便のあるシアトルやバンクーバへ飛べば、そこにはアラスカクルーズの拠点として多くのクルーズ会社がひしめいています。毎週、土曜と日曜日発の七泊八日の旅が一般的です。 アラスカの寄港地では四隻の船が鉢合わせして、停泊設備が少ないものですから、沖に停泊してテンダーボートで上陸する船もあります。それくらい5月から9月にかけてのアラスカクルーズは人気があります。しかも航空運賃の安い時期を選べば航空運賃込みで25万円程度でおさまります。(オプションツアーは高い!!) たとえば前泊してシアトルマリナーズでイチローの活躍を見て、翌日はアラスカクルーズへ出発することも可能です。今回は寄港地の写真も150枚くらい掲載しました。人口800人くらいの小さな町に一隻3000人近くのクルーズ船が四隻も同時に寄港すると、人口はたちまち一万人を超すという奇妙な経験もしました。 まさに「観光が命」の町ですね。このような生き方もあるのだと感心しました。しかし人々をひきつける魅力がなければ人は集まりません。過疎の町が生き延びる一つの方法を見た思いがしました。 日頃堅い話ばかりですので、たまには500枚の写真を見て、クルーズに参加した気分を味わってください。 http://www.inox-tabi.com/cruise/princess/index.htm 欧州連合(EU)憲法 フランスが反対 6/01「ヨーロッパは一つ」の思想のもとで結成された欧州連合(EU)は通貨の統合を経て、今度は共通の憲法を持つまでに発展しつつあります。しかしここに来て、欧州連合(EU)の指導的立場にあるフランスで欧州連合(EU)憲法採択の可否を問う国民投票の結果予想外の大差で反対票が賛成票を上回りました。私自身、欧州連合(EU)が通貨統合にまで進んだことに驚きを感じていました。特に歴史的に見て長い間、欧州の覇権を争って敵対状態にあったドイツとフランスが一つの旗のもとで協調することは考えられませんでした。しかも昨年5月には旧共産圏の10カ国まで加わり、「本当に大丈夫なの?」と思っていました。 欧州連合(EU)というのはわかりにくいのですが、いわばアメリカ合衆国のようにヨーロッパが英国やフランス、ドイツの経済強国にポーランド、チェコ、ラトビア、リトアニアなどの経済弱者が加わって、いわば「欧州合衆国」を形成することです。 欧州連合が単に関税の撤廃などを目的とするのであれば、自由貿易協定(FTA)は今や世界的な大きな流れになっていますので、驚くことではありません。しかし通貨を統合するとなれば、一歩合衆国に近づきます。この通貨統合を欧州連合(EU)が達成した時の私の驚きは相当なものでした。(さすがに通貨統合から英国は離脱しています。) そこへ今度は憲法の制定です。ますます欧州合衆国に近づくことになります。今回の国民投票は「これ以上の合衆国化を進めるのかと国民の意思を問う」意味を持っていると私は見ていました。果たしてあまりにも急激な統合への歩みに対して「このあたりで一休みしよう」とのフランス国民の意思表示であったと思います。 しかし長い歴史の過程で戦争にあけくれた欧州各国が合衆国を形成するのは大きな意義があります。やがてこの流れはアジア合衆国、南米合衆国へと波及して行くことになるでしょう。その中で中国がアジア合衆国での覇権を握るべく、日本に対して強い態度に出ているのだと思います。 中国にとって「中国の下で日本や韓国が協力する」姿を描いていることは間違いありません。そのためには、まず日・中・韓の最大の問題点である靖国問題を日本側の譲歩で解決したいと懸命です。ところが肝心の小泉首相はアジア合衆国での覇権争いより日米同盟に軸足を置いているために「中国との話し合いのテーブルにつこうとしない」と考えると靖国問題の見方もかわって来ます。 近い将来、「アメリカと手を組み続けるのか」、「中国と手を組んでアジア合衆国を目指すのか」との究極の選択を私たち日本国民は迫られるのではないでしょうか? |