ビジネス応援団藤原通信>藤原通信2004年3月号

関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ 日本型経営の研修に最適 大阪

藤原雄一郎の時事通信 2005年3月号

マネーゲームでどのような会社が狙われる? 3/30

ライブドアとフジテレビの争いに突如ソフトバンク・インベストメントが乱入し、状況は全く混沌としてきました。28日の月曜日に行われる予定であった、北尾・堀江会談は土壇場になってキャンセルされました。北尾CEOがあれほど言いたい放題を言えば、さすがの「ほりえもん」も会談に臨むわけには行かないでしょう。きわめて個性の強い北尾CEO 対「ほりえもん」の戦いはワイドショウ的に見れば興味はつきません。当分はテレビの前に視聴者を釘付けにすることでしょう。

さて今回のような企業乗っ取りは何も今回が初めてではありません。前にも述べたようにすでに、このような事例は多発しています。一体どのような会社が狙われるのでしょうか?

今回も名前がチラホラする村上ファンドによる東京スタイル事件は、一時マスコミを賑わしましたが、経済面でのみ騒がれ、今回の「ほりえもん事件」のように一般の人の注意をひきませんでした。「M&Aコンサルティング村上世彰」が仕掛けた東京スタイル事件をもう一度振り返ってみましょう。

村上ファンドが狙った東京スタイルは売上が600億円であるにもかかわらず、1200億円もの資金を持つ裕福な会社でした。その豊富な資金に村上ファンドが目をつけて、ひそかに株を買い集め大株主となりました。そして何と1200億円の資金の中から500億円を配当(一株あたり500円)として株主によこせと、激烈な戦いを挑んだのです。

企業が長年にわたり、必死になってため込んだ貴重な資金は株主のものであるから「配当として株主に還元せよ」との主張です。ほりえもんがいつも言っている『会社は株主のものでしょう』との観点からの執拗な攻撃でした。この時、村上ファンドが株主総会での議決権の過半数を握ることに成功すれば、貴重な虎の子は500億円は東京スタイルから流出していました。

幸か不幸か、この戦いは村上ファンドの敗北に終わりましたが村上ファンドは今もなお、株価が安くて資産を多くかかえている会社を常時選びだし、虎視眈々と獲物を狙っています。また村上ファンドだけでなく、他にもこの種のファンドが跋扈している現状に目覚めて早めに防衛策をとらなければいけない時代になってしまいました。

しかし会社が稼いだ利益や財産は株主だけのものでしょうか?「ほりえもん事件」とからんでしきりに「ステークホルダー」という言葉が飛び交っています。この言葉は企業に対して利害関係を持つ人のことを意味します。

株主の他に会社の従業員や、消費者、さらには企業を支える地域社会も含まれます。「会社はこのようなステークホルダー」のものであるとの意見が根強くあります。私もまさにその通りであると思いますが、現実には相次ぐ商法改正で、村上ファンドや「ほりえもん事件」のようなことが平然と行われる状況になっているのです。

アメリカでは過去においてこのような激しいマネーゲームの弊害が噴出し、現在は反省期に入っています。日本はアメリカに何周も遅れて、このような弊害と対峙しなければなりません。「会社は誰のものか」を今一度真剣に考えて、法制度の不備は早急に修正すべきではないでしょうか。

電波は公共財の欺瞞  3/28

ライブドアが裁判で完全勝利を収めました。これで「ライブドアの電波業界への殴り込み」が一気に前進すると考えられていたところに、ソフトバンクグループの手強い敵があらわれて局面が大きく動こうとしています。プロ野球ではライブドアは同じIT業界の楽天に「トンビに油揚げ」でしたが、今回はソフトバンクの「後出しじゃんけん」です。今後の展開に大いに興味が集中することでしょう。

さてそれはそれとして、24の毎日新聞に興味深い記事が出ていました。 「テレビやラジオの放送業界は放送法や電波法で規制され、新規参入が困難な業界で最後の護送船団と呼ばれている」との書き出しから始まって、既得権益死守と視聴率競争にあけくれるテレビ等が「真の公共財」としての実績を残してきただろうか?都合の良い時だけ公共財を持ち出しているのではないか!と書いてあり我が目を疑いました。

まさに私たちの実感そのままを、マスコミの真ん中に位置する毎日新聞が書いていることに、とても感心しました。大阪市職員厚遇問題といい、毎日新聞は冴えています。

放送法によれば●善良な風俗を害さない ●政治的に公平 ●報道は事実を曲げない とあります。特にテレビは視聴率至上主義で「劣悪な風俗を害する番組」を垂れ流している現状があります。またヤラセ番組が発覚したことは一度や二度ではありません。またテレビ朝日に見るように政治的に公平とは見られない番組もありました。

これで電波が公共財ということが出来るのでしょうか?また総務省の行政指導によれば教養番組を全体の3割とするように指導しているとのことです。このような状況を満足しているのはNHK教育放送くらいのものではありませんか?

ここは思い切って電波の自由化を行い、参入自由として「電波が公共財である」などという欺瞞に満ちた国民の常識を追放することの方が大切ではありませんか。「憲法第九条のもとで自衛隊は合憲である」などという欺瞞と「電波は公共財である」との欺瞞は同レベルであるとマスコミに大きな声で叫びたいと思います。「マスコミとはもともといいかげんなものである」との常識を私たちが持てば良いのです。

またしきりに「事実に関する厳密でかつ綿密な調査に基づいた公正な報道を使命とするジャーナリズムの必要性」を叫びだしましたが、それなら一度ジャーナリズムの原点に立ち戻って「厳密でかつ綿密な調査に基づいた公正な報道を使命」とするマスコミにして欲しいと思います。

あまりにも不勉強なキャスターやコメンテータをテレビから追放してから、このような発言をして欲しいのです。都合の良い時だけ、自分自身を省みることなくスローガンだけを叫ぶのはやめて貰いたいと思います。

第二の人生を刺激的に  3/25

クリスタルハーモニーというクルーズ船でハワイから太平洋を横断して、ノンストップで横浜まで9日間の旅を終えたのは二週間前でした。いままで外国船はスタンダード船の経験しかなかったので、このような「優雅さのあふれる一流の船」の良さがまだ頭から離れません。いまだにその余韻に浸っています。

デジタルカメラで1000枚近く写真を撮影し、その中から270枚を選び抜いて、今週前半にやっとホームページが完成しました。興味があれば覗いてください。
http://www.inox-m2.com/apple/cruise/crystalh/

昨年、私はクルーズコンサルタントの資格を取り、さらに添乗員の資格と難関の国家試験である一般旅行業主任の資格

も取得して、現在クルーズコンサルタントとして修行中です。世の中にはピンからキリまで様々なクルーズが準備されていますので、その全てを経験することは財力の面でも容易ではありません。しかし経験しないことには修行にならないし、なかなか修行の道は険しいとしみじみ感じました。

せっかく添乗員の資格も取得しましたので、いっそ、どこかの旅行社へ弟子入りして添乗員として修行する道もないわけではありませんが、65歳の身ではなかなか思うように行かず、戦略の立て直しです。

良く人から「金にもならんことをするのはやめたら?修行してどうするの?」と聞かれます。旅は楽しいものですが、修行という目的を持てば、多くの観点から旅を楽しむことが出来ます。今のところクルーズコンサルタントになっても「何のトク」にも「何の役」にも立っていません。自己満足だけです。

私自身は会社の第一線から退いて、全く新しい人生を始めたつもりでいます。これからの人生は幸か不幸かずいぶん長いものですから、何か目的を持って、常に頭を刺激しながら生きてゆきたいと思っています。その意味でクルーズコンサルタントとしての修行もかかせません。これも一種の種まきです。

「藤原通信」にしても「藤原雄一郎の経営最前線シリーズ」にしても全くのゼロからの立ち上げでしたが、皆さんのおかげでネット上では結構な存在となることが出来ました。5月はじめには「権限の無い社員が会社を変える」というタイトルでインターワーク出版から発売されます。
http://inox-m2.com/fujiwara/book01.htm

種まきが実って、大きな書店で並ぶだけの部数での発売です。詳細が決定しましたら藤原通信でも紹介させて頂きます。

第二の人生を「ただ生きているだけ」の受け身で過ごすよりも、大きな自由があるわけですから、思い切り新しいことに挑戦して、失敗して、また挑戦する!そして種を蒔き続けることにより、そのうち思わぬ所から芽が出て美しい花が咲く!そのような夢を持ちながら、貴重な第二の人生を刺激的に生きて、思い切り脳細胞を活性化させたい!そのような気持ちでいます。

「それはいいけれどライブドアの裁判での完全勝利はどうした」との声が聞こえてきそうです。現在は出張中ですのでご勘弁を!

政治が静か  3/23

経済界はライブドアで大いに盛り上がっていますが、政治のほうはとても静かです。本来は国と地方の700兆円を超える借金による深刻な国家財政破綻問題が存在し、一方、年金をはじめとする福祉分野では従来モデルが完全に破綻していて、私たちの将来に不安が襲いかかっているというのに、この静けさは一体どうしたことでしょう。公金の無駄使いの典型である社会保険庁の出直し的改革も一向に進んでいません。

「教条主義の社民党や共産党」の没落に代わって「政権担当能力を備えた現実政党と自称する民主党」の勢力拡大で、数の上から言えば自民党は危機的状況にあるというのに、この静けさは民主党が本当に政権を担う力があるのかとの不安を抱かせるに十分です。大切なことが棚上げにされて、貴重な時間が過ぎゆくばかり!対応が遅れるとそれだけに対策が劇的になってしまうというのに困ったことです。

その自民党で現在郵政民営化をめぐり、激しい戦いがおこなわれています。そろそろ制限時間いっぱいとなって、少しづつ着地点が見えだして来ました。それは小泉首相に「見かけ倒しの花」を持たせて、郵政民営化が成立したように見せかけて、どっこい肝心なことは小泉退陣後に自分たちが自由にしようという、きわめて狡猾な方法です。

このようなことでは「郵政公社より悪い、ろくでもない民営化」が完成してしまいます。自民党と官僚によるいいかげんさはもうどうしようもありません。せめて私たちの血税が民営化されるであろう郵政事業に無駄に注ぎ込まれないように厳しい監視の目を向けなければなりません。

すでに日本全体を「既得権益死守の古い勢力と新しい勢力が水面下で激しくせめぎ合っている」というのに、政治と官僚の世界はまだまだ古い体質でがんじがらめです。これからの政府はいかにして財政破綻を遅らせ、年金や医療の制度を抜本的に改革するのかが最大重要ポイントであるにもかかわらず、このような問題を扱っていても選挙の票にならないばかりに、ほったらかしにされています。

その最大の理由は、国家財政破綻で被害を受けたり、年金制度破綻で被害を受けるサラリーマンやフリータにパート従業員が医師会や郵政関連団体のように組織化されず、選挙に背を向けて投票に行かないことに原因があると思います。今後の国政選挙でいわゆる「浮動票」と称する多くの国民が投票所に殺到して投票率が80%を超すほど上昇すれば、政治は一変するのですが・・・

声なき声を顕在化するのが民主主義の原点ではないでしょうか?政治家と官僚に「国家財政を破綻させるな」「年金問題に本気で取り組め」と大きな声で叫ぼうではありませんか。そして投票所に大挙して押し寄せようではありませんか。

ソニートップに外人登場  3/21

あのソニーが今月7日に外国人トップ、ハワード・ストリンガー氏を会長兼最高経営責任者(CEO)に指名したソニーの経営刷新はおそらく世界中の人々を驚かせたと思います。ライブドア事件が世間を騒がせている時でもあり、日本は一体どうなるのかと心配しているむきもあるのではないでしょうか。

本件に関する情報は一般マスコミからしか知り得ないのですが、どうも今回の人事は出井会長の腹づもりとは相当に違ったとの噂が伝わってきます。私にはいち早くワールドスタンダード経営を目指した出井会長が逆にワールドスタンダードなるものに詰め腹を切らされたと思えてしかたがありません。

というのもソニーでは2003年に委員会等設置会社に移行し、取締役選任には社外取締役の合意が必要というシステムに出井会長がしてしまったからです。ソニーほどの大会社となれば普通は会長や社長が人事権を握り、よほどのことが無い限り自社でトップ人事を決めることが出来ます。

今回の人事では社外取締役制度が正確に機能し(噂の域をでませんが)出井会長に退陣の引導を渡し、かつ人事も思い通りにさせなかったとの情報が飛び交っています。つい先日突取締役会により突如解任されたヒューレットパッカードのフィオリーナCEOと同じく日本もアメリカ並みになったものだとの深い感慨を持ちます。

日本の会社ではたとえ形だけは「委員会等設置会社」と「世界標準ふう」にしても、世間に対して見栄えを良くするだけで、実質は骨抜きにして無力化するのが古い日本の経営陣の得意技でした。ところがどっこい、今回はその中に日産のゴーンさんを初めとする大物が座っており、日本流骨抜きは通用せず、社外取締役会は立派にその機能をはたしたのでしょう。

今回の決定がかの有名なIBMのガースナ登場の時のように立派な成功例となるのか、あるいはワールドスタンダードとは「世界標準ふう」で日本の経営風土とは相容れないものかは歴史が証明することでしょう。

しかしながら日本の企業経営がライブドア事件といい、今回のソニーの経営刷新といい、確実に変化しつつあることを認識させるに十分でした。「古い日本と新しい日本のせめぎあい」はこれからも加速することはあっても減速することはないでしょう。古い世代の私などは相当の覚悟が必要だと痛感しています。

一日もいや「ひととき」も、世の中の動きから目がはなせません。

大阪市「職員厚遇問題」  3/18

毎日新聞が口火を切った大阪市「職員厚遇問題」はその後他のマスコミも取り上げるようになって、世論がようやく盛り上がって来ました。従来から国と地方のお役人による税金の無駄使いについては厳しく糾弾されて来ましたが、その大部分は「エリート官僚批判」が大部分でした。

ところが社会保険庁問題で、かすかではありますが労働組合の時代錯誤の「親方日の丸(合理化・効率化は労働強化で悪だ)」ぶりが指摘され始め、今回の大阪市「職員厚遇問題」では市側の提案に対して組合が頑強に反対している姿がチラホラ報道されるようになりました。国や地方の税金無駄使い問題の解決には組合問題にメスを入れなければ抜本的な解決にはほど遠いものがあります。私たちも組合の動向に注意してゆかなければならないと思っています。

さて大阪市「職員厚遇問題」ではヤミ年金・退職金問題、「職員互助組合や職場ごとの親ぼく団体への公金による補助」のいわゆる過剰福祉問題、「カラ残業」や、給与の二重取りとなりかねないと国税庁が調査に乗り出すとの噂の絶えない特殊勤務手当や係長への管理職手当等の過剰待遇問題など、民間の会社では考えられない「お手盛りによる公金ぶんどり」が発覚しています。

さすがの大阪市もこのような乱脈ぶりに襟を正すべく17年度予算では160億円の削減を組合に提案しました。これに対して組合は「従来からの労使交渉で合意の上築き上げてきた労使慣行を一方的に破棄するのは許されない」と猛烈な反対をしています。要するに「お互いが合意して決めた内容をどうして世間が騒ぐからといって改める必要があるのか」と言っているようなもので、そこには「世間常識で物事を考える」「これらのお金が税金である」との視点が見事に欠落しています。

さすがに世間の猛反発と上部団体である連合の指導もあり、当初は40億円程度の削減しか頑として譲らなかった組合も、最終的には100億円を超す削減に同意する見込みとなりつつあります。毎日新聞の問題提起で世論の怒りが沸騰しなければ「決して実現することのなかった」快挙が実現しつつあります。このような流れが全国に波及して「労使が一体となって公金を無駄使いする」風潮をただす一歩となることを心から祈っています。

ただ一つお役人に対して同情すべき点を指摘しておきたいと思います。例えば中央官庁では名刺は自己負担です。民間ではすべて会社負担です。このような馬鹿な話はありません。また予算を獲得出来なければ必要なことは一切出来ません。「余分な予算は余し、必要な部門にその費用を回す」ことが出来ないために矛盾が生じ、結局公金の無駄使いと悪事を誘発します。

そして圧巻は残業規制です。大阪市の場合4時間程度に規制されていたと言います。必然的に職員のサービス残業が発生し、その救済にと「カラ残業」等の悪事に発展します。民間でもサービス残業は頭のいたい問題です。そろそろ仕組みの改正が必要な時期に来ています。

「公私混同」はいけないことですが上に述べたような「私公混同」もまた悪事の温床となります。これだけ自腹を切っているのだから多少の不正は許されるだろうと考えるのは人間として自然なことです。官公庁特有の硬直した物の考え方と運営を改めないとこのような行政の非効率はいつまでたっても解消されないでしょう。本当に行政の効率的運営に心血を注ぐ時代が到来しています。

ライブドアとフジテレビ第二幕へ  3/16

クルーズに行っている間に、注目のライブドアによる新株予約権の発行差し止めに関する一審の判決が出ました。ライブドアの勝利です。フジ側の「ライブドアの支配下となれば企業価値が下がる」との主張に対しては「企業価値が下がるかどうかは株主が判断すること」と裁判所は判断を株主にゆだねました。

一方ライブドアの「新株予約権の発行はフジの支配を強めるのが目的である」との主張を認めました。これで敗色濃かったライブドアが息を吹き返し、この問題は新たなる局面へと進むことになりました。大いに結構なことです。

株の持合という独特の経営を長らく続けてきたきた日本企業は、あいつぐ商法改正により規制緩和が急速に進み、欧米流の株主重視の風潮が押し寄せて来ている「時代の大変革」に対して、あまりにも備えが遅れていました。まさに多くの日本企業には時代の変革に対応できずに消え去った恐竜のような絶滅種となり、欧米企業の草刈り場となる危険性が充満しています。

そこえ降った湧いたかのような今回の事件は、世の中に警鐘を鳴らすに十分であり、あたかも黒船に対応する尊皇攘夷論のごとく、猛烈なライブドアバッシングが発生しています。ここでライブドアの敗戦が決定すれば、せっかくの「目を覚ます機会」が奪われるところでした。

ここはとことん最後まで「泥沼の闘争」を繰り広げて、考えることの出来るすべての手法をフジとライブドアがお互いに繰り出すことにより、「企業の乗っ取り」の本質を徹底的に勉強する千載一遇のチャンスにしなければなりません。

そのようにすることで日本国民を含め、企業の経営者が現実に目覚め、この事件をきっかけに、他の方面に対しても、新しい時代が押し寄せているという認識を持ち、「新しい時代を巧みに乗り切るのだ」という心構えを万全にすることが出来るでしょう。日本人は「危機が目の前にある」ことを明確に認識すれば、素晴らしい学習効果を発揮し見事に危機を克服することが出来る人種ですから。

過去においてライブドアは「イーバンク乗っ取り事件」で若さが爆発する傍若無人ぶりで、見事に失敗しています。ライブドアの「ほりえもん」こと堀江社長も、これだけ天下の注視のもと、また凄まじいバッシングがあれば、少しは世の中が自分の思い通りには行かないことを知り、賢く切り抜ける術を会得するのではないかと思います。

先鋭的な新しさと旧態依然の古い体質の落差が激しければ激しいほど、その激突から得られるものは多いと思います。その意味では「ほりえもん」にもっともっと頑張って貰って、これだけ盛り上がった国民の関心を味方につける巧妙さを身につけて欲しいと思います。

二十一世紀に入って、世の中が猛烈に変化しはじめています。ライブドア事件を「経済のことだから自分には関係ない」などと思わないで、社会の些細な変化に対して「全身を目とし耳として」見逃さないことがとても大切だと思う昨今です。

クルーズの報告  3/14 

藤原通信をお休みし、申し訳ありませんでした。今日から再開です。

今回はハワイから太平洋を航海して横浜まで、途中寄港することなく、8日間、ひたすら船の旅を楽しむクルーズを経験しました。外国船のクルーズは一泊100ドル(1万円)のスタンダードクラスから200ドル(2万円)程度のプレミアムクラス、400ドル(4万円)程度のラグジュアリクラス、そして最高峰の一泊600ドル(6万円)のブッティッククラスに分かれています。

いままでは一番下のスタンダードクラスを経験し、レポートを公表して来ました。このクラスは値段からも想像できるように、タイタニックで代表される豪華客船のイメージとはほど遠い、庶民のクルーズですが、それなりに楽しむことが出来ます。私などは気さくで気取らないスタンダードクラスが気に入っています。

さて今回の船は日本郵船系列のクリスタル・クルーズに所属するクルスタル・ハーモニーで、クラスから言えばいきなりのラグジュアリクラスとなります。内幕を話せば、豪華船の格安バーゲンセールだったものですから飛びついたのですが・・・

印象から言えば「これは一流だ」という雰囲気でした。スタンダードクラスにはない「サービス」の概念が明確に存在しています。そして様々の趣向が、8日間という長旅を飽きさせることなく快適に過ごすことを可能にしています。乗客もクルーズのベテランがほとんどで、夫婦二人で100万円を超す豪華なクルーズを年間に何度も楽しむ人たちが多く「お金を持っている人たちがずいぶんいるものだなあ」と妙な感心をしました。

途中日付変更線を超えた所で、何年に一度という大シケに遭遇し、大揺れの荒海を存分に楽しむというハプニングも経験しました。おかげで航海が14時間遅れて、香港までの乗客は楽しみにしていた横浜下船が中止となりましたが、誰も騒ぐ人はおりません。平然としています。

そして横浜到着が深夜に及んだために、横浜下船組100名全員にホテルが一泊分無償提供されました。私たちは帝国ホテルの広い素晴らしい部屋の提供を受けて、一流の旅の締めくくりを豪華に飾ることができました。本来悪天候のための遅延ですから、船の側に責任は無いのですが、このような船を利用する乗客には無償で超一流ホテルを提供するのが常識なのでしょう。さすがだと思いました。

この船より上に最高峰のブッティッククラスの船があるそうですが、「お望みの時に、お望みのことを、お望みのままに」との究極のサービスが存在するそうです。しかしサービスを受ける側も「『要求しなければ何もしないことが究極のサービス』であることを理解する上質の客」でなければ折角の超一流のサービスも「この船は何もサービスの無い最低の船だ」との評価となり、究極のサービスが台無しになってしまいます。

あげくの果てに、何も要求しないでおいて「この船は欧米人にはサービスをするが私たち日本人にはサービスをしない」などと人種差別論にまで発展してしまいます。サービスの本質を知らないための大変な誤解です。同時に欧米では要求さえすれば無理を聞いて貰えると勘違いして、スタンダード船で要求を連発しても拒否の嵐に遭遇するだけです。その場の雰囲気でサービスのレベルを判断することが大切です。

日本人には「何も言わなくても手をかえ品を変えサービスをする」ことが究極のサービスと勘違いしている人が多く存在します。そのために万人に対して等しく過剰サービスの波状攻撃となってしまい、「真のサービス」を知っている欧米人には煩わしさを感じさせます。ここまで来ると文化の違いでしょうか。

その証拠にテレビなどの温泉紹介では、絢爛豪華で品数の多い料理が画面に登場しますが、食べきれないのではと思います。これははっきり言ってサービスの押し売りです。それこそ小食の人にはお好みの極上の料理を食欲にあわせて提供し、心ゆくまで食事を楽しんで頂くのが真のサービスです。(それなりの対価を支払うことは当然ですが) このようにサービス論議を突き進めてゆくと、クルーズの値段とは、その費用を払うことが自然である人々を集めるための手段であるという結論に到着してしまいそうで困惑します。一泊1万円を払うのが自然な人が、たまたま一泊6万円の船に乗船出来たとしても場違いで本人も周りも困惑するのではないかと思いました。その逆も前回のスタンダード船ではありました。

「スタンダード船から上級の船へと進むにはそれなりに自分自身を高める努力が必要である。自分は一体どのクラスに適応出来るのだろうか?」このように考えるとクルーズの魅力がさらに奥深いものとなりそうです。このあたりを今後もっと追求してゆきたいとふと思いました。

今回の船中で「クルーズコンサルタント」の肩書きをつけた名刺を出したところ、若い乗客から「海外船をたった三度目で良くクルーズコンサルタントなどと書けたものだ」と言われて絶句!!これからも藤原通信をお休みしてクルーズ修行に励みますのであしからずご了承のほどお願いします。

裁判に専門性を持たせたら?  3/02 

ライブドアとフジテレビの争いが司法の場に持ち込まれました。この裁きの結果はこれからの経済活動に大きな影響を与えます。これだけの重要な裁きを取り仕切るだけの実力が今の裁判官にあるのかと素朴な疑問が湧いてきます。

少し古くなりますが大和銀行の不祥事に対する株主代表訴訟で1000億円に近い損害賠償を命じた第一審が多くの話題を呼び、その後法律が改正され賠償額に一定の歯止めがかけられました。このことは第一審の判決が世間常識を越えた法外なものであった何よりの証拠と私は受け止めています。常識はずれの司法が立法によって修正を命じられたと解釈出来ないでしょうか。

また最近では特許裁判で有名な日亜と中村教授の判決です。一審判決600億円が二審ではわずか1000万円の評価となり、結局和解となりました。大きく世間の関心を引き起こしたこの裁判で、裁判官は全く評価の基準を持っていないことを暴露してしまいました。中村教授は「日本の裁判制度は腐っている」と憤っています。

裁判と言えば、殺人、強盗などの事件ものから、合憲か違憲かといった憲法解釈や所有権を巡る争いなど、いわゆる従来型の裁判であれば、長い歴史と凡例の積み重ねという重みが裁判官の権威を高め、一部におかしいと思われる判決があったとしても、概して大多数の人は納得します。

しかし先端技術や経営の神髄に触れる特許裁判や、変化が激しい今回のライブドア事件のような経済問題について、裁判官はどれほどの専門知識を持っているかとても不安になります。裁判と深い関わりのある弁護士の世界では、高度に分業化していて、それぞれの分野に特化して専門性を深めています。このような敏腕弁護士の手にかかれば裁判の結果はいかようにもなるのではないかと不安になります。

もともと司法とは六法全書で代表される分野です。六法とは「憲法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法」ですから、この内容からしても科学技術の最先端を行く特許となじむとは到底思えません。また商法も果たして欧米の最先端を行く金融技術をカバーしているのでしょうか。

特許裁判や今回のライブドア事件のような経済裁判において、大和銀行や中村特許のような事例は絶対に避けなければなりません。そのためにも特許裁判所や経済裁判所というように専門に特化した裁判所が出来ても良いのではないでしょうか。

ライブドアの差し止め請求に対してどのような審判を裁判所が下すかは多くの関係者が今後の影響力の大きさから固唾をのんで見守っています。昨年の住友信託によるUFJと三菱東京FGとの合併交渉に対する差し止め請求のように、また一審と二審で全く逆の審判を下すのでしょうか。また審判の結果より判決理由の正当性が問われる裁判だということを今回担当する裁判官は自覚しているでしょうか。

司法の世界についてはあまり詳しくありませんので、的はずれの指摘かもわかりません。しかし経済界に長く身をおいた私としては「本当に真実を理解して裁くのであろうか」との不信の念がぬぐえません。明快な裁きをお願いしたいものです。

勝手ながら二週間ほどお休みを頂きます。
 

ビジネス応援団藤原通信>藤原通信2005年3月号