関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ 日本型経営の研修に最適 大阪藤原雄一郎の時事通信 2004年7月号 |
世の中本当に変わった! UFJ争奪戦 8/02前回の藤原通信でUFJ問題を取り上げましたが、その日に何と三井住友銀行がUFJとの統合に名乗りを上げました。本当にビックリです。何度も申し上げていますように、銀行業界は産業界の中でも一番保守的で、絶えず監督官庁である旧大蔵省に箸の上げ下ろしまでお伺いを立てて、業界横並びの護送船団方式を永らく続けてきました。お上に楯突いたり、業界で突出するような特異な行動を銀行業界から期待するのは到底考えられませんでした。それが今回はまずUFJが監督官庁である金融庁と徹底的な争いを起こしました。金融庁の特別検査に対して組織的に検査忌避的な行動を行い、怒った金融庁は業務改善命令まで出しています。 従来ならば、国民の見えないところで金融庁とUFJで密かに手打ちが行われていたところですが、今回は業務改善命令という透明性の高い処分と、これに対してUFJもホームページで謝罪をするという従来では考えられなかったことが発生しています。 次にUFJ信託と住友信託の合併合意を白紙撤回するとすかさず住友信託が裁判所に訴える手段に出ました。従来の金融業界でこのような表だった争いは聞いたことがありません。仲間同士の争いは仮にあったとしても「銀行業界の信用」という錦の御旗の陰でこのように顕在化することはありませんでした。またお役所が必ず乗り出したことでしょう。 そして最後の極めつけが、裁判での差し止め命令が出たのを好機と見た三井住友銀行が、三菱東京FGとの交渉の真っ最中に、UFJとの統合に名乗りをあげるという、誰もが驚く行動に出ました。銀行界の覇権争いを公衆の面前で堂々と宣言したのです。本当にあの一番遅れていた銀行業界がよくぞここまで変化したと感慨無量です。 私たちのような日頃外国の企業と熾烈な争いを繰り広げている業界では、このような「生き馬の目を抜く」行動は日常茶飯事で別段驚くことではありませんが、日本の産業界でこの様な思想とは全く正反対に位置していた銀行業界だけにあたかも明治維新が到来したこのような驚きを感じた訳です。 三菱東京FGも三井住友もいまだに「規模の拡大」により覇権を求める思想から脱却しきれていませんが、行動様式は本当に変わりました。何より変わったのは透明性が一段と高まったことです。これは決して悪いことではありません。むしろ「なるべく穏便に仲間内で」という隠蔽体質や密室政治がもう世の中で通用しない時代になったことを肝に銘じなければなりません。(政治もそのようになりつつあります) 日本経済躍進の原動力であった「心を一つにして企業に忠節を尽くす」ことを可能にする、終身雇用、年功序列賃金、株式持ち合いなどの制度が世界レベルでの激しい競争にさらされた結果維持できなくなってしまいました。まさになりふり構わぬ弱肉強食の熾烈な競争社会に突入しているわけです。 このような厳しい競争社会で生き抜くためにはルールを逸脱することが多発します。そこで従来以上に経営に透明性を持たせ、企業倫理を厳しく守ることが必要になって来ています。また企業内不正行為に対しては内部告発が日常的に行われる時代になっています。 日本社会の美風であった「性善説」から世の中は欧米流の「性悪説」に変わっていることを身に染みて認識しなければなりません。社会のシステムが大きく変わったのです。このように世の中で発生する現象を整理すれば、まだこの変化に気づかない人々が新聞紙上を賑わしていることがわかります。私たちはこのような時代の変化に的確に対応しなければならないと痛感しました。 泥沼UFJ 7/30三菱東京FGとの経営統合を発表して世の中をアッと言わせたUFJが泥沼に落ち込んでいます。金融庁との激しいバトルに敗北したUFJは一向に進まない不良債権処理をこの一年で政府の指導通り半減させることを宣言せざるを得なくなりました。不良債権の処理をするには莫大なお金が必要ですので資本増強をどうしても達成しなければなりません。せっぱ詰まったUFJは虎の子であるUFJ信託を住友信託に売却することで、この危機を乗り切ろうと一旦は決心し基本合意書まで締結しました。しかしUFJ信託の売却では危機の乗り切りが十分で無いと見たUFJは突如基本合意を白紙撤回し、三菱東京FGとの経営統合に突き進んだのです。 まさに花王との化粧品部門売却を土壇場で撤回し、産業再生機構へと駆け込んだカネボウを思い起こさせる事態の発生ですが、その後の展開は違った方向に進みました。 すでに投資家に対してUFJ信託と住友信託との合併で日本一の信託銀行誕生と大々的に宣伝していた住友信託は怒り心頭で、UFJ信託と三菱東京FGとの経営統合交渉の差し止めを裁判所に訴え、第一審では住友信託の主張が認められました。これで三菱東京FGとの経営統合交渉は大混乱に陥ります。 昨年のりそなの実質国有化、みずほグループと三井住友のなりふり構わぬ資本増強で不良債権問題は解決に向け、一応目処がつきました。しかしUFJだけは昨年抜本的対策を行わなかった(行えなかった?)ばかりに問題は解決せず、不良債権の評価をめぐり金融庁に対する検査忌避を組織的に行ったとして業務改善命令を出され、いよいよせっぱ詰まった挙げ句の「苦し紛れの打ち手」がこのような大混乱を招きました。 今年に入ってのUFJの動きは「りそなの二の舞は避けたい」一心でまさになりふり構わぬ行動に出ています。どのようにひいき目に見てもUFJの将来を見据えた戦略に基づいた行動とは到底思えません。カネボウと並んで経営不在の「経営災害」とでも言える状況ではないかと思います。 UFJの従業員は一体何が何やらさっぱりわからず茫然自失の状態ではないでしょうか。またUFJの大口融資先である再建途上の双日やダイエーの関係者は眠れない日々を過ごしていると思います。結局は行き着くところへ行き着くことになるでしょうが、その過程で失うものは少なくありません。 今回の裁判騒動の内容が詳しく報道されていませんので見当違いのコメントになるかもわかりませんが、不可解なことがあります。それは基本合意書の内容です。私は随分多くの商談の契約に携わって来ましたが、ごく一般的な常識として、契約書面には必ず「契約が実行されない時の取り決め」をあらかじめ取り決めておきます。(ターミネーションとかサスペンションなどの条項を設定しています) もしUFJ信託と住友信託との基本合意書にこのような取り決めがあれば裁判をするまでもないことです。どうしてこのような世間での一般常識がなされていなかったのでしょう。またUFJは金融庁と徹底的に戦いました。従来なら「お上に楯突く」ことなど銀行業界では考えられなかったことです。 このように「特殊な世界であった金融業界」も大変革の嵐に見舞われ普通の世界に近づいて来つつあります。これからは「特殊な世界」として聖域におかれている分野にもドンドン普通の世界の風が吹く時代になってきたことを痛感します。大きな時代の変化のうねりです。いよいよ世の中の動きから目を離せない時代になってきました。 プロ野球も終わりの始まりか? 7/2826日に行われた12球団の代表などが集まって開催されたプロ野球実行委員会は七時間近い激論の末、結論が出ないまま終了したことを各紙一斉に報道しました。新聞報道からの印象ではありますが、関係者はそれぞれに経済合理性の観点から必死になって自説を主張しているように思われます。パリーグは6球団が4球団になればリーグ運営そのものが魅力の乏しいものとなり、球団経営がより厳しくなるので1リーグ制を必死になって主張するのは良く理解出来ます。一方阪神を筆頭にセリーグ球団はドル箱の巨人戦が少なくなれば、収入が激減しこれまた球団経営を直撃しますので現状維持をしたいとの主張にはこれまた誰しも理解できるものがあります。 一方悪評ふんぷんの巨人の渡辺オーナは「このような会議など時間の無駄」とバッサリと切り捨て、自分自身の意図を強力に押しつけようとしています。 自分自身のことは良く見えなくても他人のことはとても良く見えます。私自身の不見識を棚にあげて感想を述べさせて頂くとすれば、以上のような反応は経営に携わる人々にとっては誠に死活問題ではありますが、プロ野球界トップの皆さんの論議には一番大切な「野球を愛し、プロ野球を盛り上げてくれるファンやその期待に応えて活気あるプレーを展開する選手」に対する配慮は全くありません。 日本経済の失われた十年間における日本企業の不振は、プロ野球騒動と全く同じであったことを痛感させられます。すなわち、企業をここまで悪化させた経営者の責任は全く問われることもなく、まず第一に野球で言えば選手にあたる従業員対象の大規模リストラを実施する。 そして野球のファンに相当する「大きく変化した市場の意向」を全く無視した商品や製品を、旧態依然のまま製造し続ける姿勢と二重写しになってしかたがありません。「私たち企業人は今回のプロ野球騒動のようなことを今までしていたのだなあ」と痛感します。 多くの企業がこのような状況から脱却したからこそ、今回の景気回復があるのですが、いまだに不振の企業は恐らくプロ野球と同じ事を今も続けているのでしょう。そんな目でダイエーの経営再建やUFJの合併問題を見つめると何かが見えてくるのではないでしょうか。 球団経営が苦況に陥った今こそ、どのようにすればプロ野球が魅力的になり、より多くのファンを獲得することが出来るのか考える絶好の機会ではありませんか。各球団が自分たちのことばかり考えて、資金に余裕がある強いチームにより良い人材を集中的に集めることをやめて、各球団が一瞬の気のゆるみで天国と地獄を味わうそのようなスリル満点のプロ野球にしなければ、プロ野球界にとって「終わりの始まり」です。 自 民党もプロ野球も企業も根本は同じであることをしみじみと感じています。 支持率急落! 小泉改革次の一手は? 7/26先週前半、参院選後初めての各社世論調査が発表されました。参院選での自民敗北を裏付けるように過去最低とも言える支持率になっていました。そして重要なのは小泉内閣不支持が支持を上回ったことです。あきらかに小泉マジックは「はげ落ちて」しまいました。この状況に対して小泉首相の打った手は、まず九月内閣改造です。それも従来の小泉手法を守り通して、派閥推薦でない人事を完遂すると宣言しています。果たして支持率の落ちた小泉内閣で従来通りの手法を守り通せるでしょうか。今や三年にわたる小泉政権下でガタガタになった橋本派や亀井派は9月の内閣改造で派閥の意向をを通しきれなければ派閥は壊滅してしまいます。 それだけに両派閥は死に物狂いで派閥の存続のために立ち上がり、官僚並の手腕で小泉首相に「名を取らせて実を取る」ことに成功するのではと思っています。この点が9月内閣改造の大きな見所です。古賀元幹事長や次を狙う人々の行動も目をはなせません。 そして9月内閣改造が終われば、自民党も一挙に騒がしくなるでしょう。もしそれでも静かならば、内閣改造が従来の自民党派閥政治に戻って各派閥が満足しているに他なりません。小泉マジックの終焉と同時に今度こそ正真正銘「自民党の終わりの始まり」です。 小泉首相の最後の手は「郵政民営化」を実現させて改革の旗印が色あせていないことを示すことにあるようです。その証拠に9月内閣改造に当たっては「郵政民営化」の踏み絵を持ち出して早くも観測気球をあげています。しかし問題はその中味です。すでに道路公団民営化では完全な骨抜きになったことは国民の定説になっています。 あれほど民営化に反対した抵抗勢力は、ムダと思われる道路がほとんど無傷で建設可能になったことに大満足で、自民党からは道路公団民営化に対する不満の声は全く聞こえて来ません。 この手法を使えば、あの自民党が全員一致で郵政民営化へ走ることも不可能ではありません。それは郵政民営化が完全に骨抜きになったことを意味しています。その一方で郵政民営化が本当に必要かと多くの国民は疑問に思っているのではないでしょうか。 ひとくちに郵政事業と言っても郵便・郵貯・簡保の三つの大きな事業から成り立っています。その中で一番足を引っ張っていた郵便事業は生田総裁の懸命の努力でやっと黒字浮上しました。この分野は宅急便との厳しい競争が待っており、民営化しなくても現在の郵政公社でのガラス張り経営で全く問題はありません。 郵政公社の収益源は郵貯・簡保です。この資金は過去において放漫経営の特殊法人等に湯水の如く流れ、特殊法人の放漫経営の尻ぬぐいに毎年5兆円もの税金が投入されていました。一方税金投入のおかげで郵貯・簡保には高い利息で特殊法人等に貸し付けた多額の利子収入が入って来るわけですから、郵貯・簡保は健全経営そのもので郵政事業を支えてきました。 要するに郵貯・簡保の莫大な資金が特殊法人等官僚による放漫経営の元凶になっていたのです。この「郵貯・簡保の潤沢な資金を無駄使いさせないためのどのように改革するのか」が実は郵政民営化の非常に大きな問題点なのです。 あれほど非難を浴びた悪名高い特殊法人は今、続々と衣替えの真っ最中です。その内、特殊法人は存在しなくなるでしょう。そして特殊法人よりもっと放漫経営が可能な「特殊法人改め独立行政法人」などに郵貯・簡保などの資金が流れ込まないようにするのが郵政民営化のポイント中のポイントだと認識して下さい。 また国の借金である国債を引き受けてくれる有り難い存在が郵貯・簡保でもあります。(最近では運用に困った銀行も多額の国債を購入しています)要するに国や特殊法人にとって郵貯・簡保は「放漫経営を可能にする打ち出の小槌」なのです。 このような便利な存在である郵政事業を民営化して官への資金注入を止める、すなわち国や特殊法人が兵糧攻めにあうと、官僚や利益誘導型政治はとても困ります。なぜなら税金だけでは従来型利益誘導政治や特殊法人の放漫経営は資金不足に陥るからです。そこで郵政民営化反対の大合唱が起こるのです。 民主党は民主党で組合をかかえていますから郵政の経営合理化や人減らしには大反対です。したがって郵政民営化が本来の目的通り機能しだしたら、与野党こぞって大反対が起こります。 それにもかかわらず静かであるとすれば「名を捨てて実を取る」道路公団民営化方式が見事に成功したと受け取るべきです。道路公団は民営化したけれどムダな道路は作り続けることが可能になったように、郵政民営化が実現しても抵抗勢力や官僚が従来通り放漫経営を続けることが出来れば騒ぎません。 私たちはこの三年間の小泉政治で見てきた「既得権益を守る抵抗勢力の卓越した頭脳と凄まじい力」をまざまざと見せつけられました。 「小泉政治の方向性は良いが、容易なことでは改革が成功しない」このような事実がおぼろげながら国民に理解され小泉内閣の支持率急低下になったのではと思っています。 これから9月までの政治には大きな関心を持たなければと痛感しています。 必死になれば知恵も出る。脱製造業空洞化 7/23中国の躍進と共に生産拠点を中国に移す企業が続出し、製造業の空洞化が叫ばれて久しい時間が経過しました。一時は日本経済の要である製造業が空洞化すれば日本の将来は無いとの悲観的な見方が蔓延していたものでした。ところが最近の景気回復と共に「製造業の国内回帰」という嬉しい報道が見られるようになりました。「工場閉鎖」の危機の中、必死になって知恵を出して国内に工場を残そうと努力した結果がこのような「中国に負けない製造現場」を生み出したのです。兵庫県加東郡社町にある松下クッキングシステム事業部の炊飯器工場の奮闘ぶりを今日はご紹介します。 機械工学を学ぶ人々にとって大河内賞の受賞は大変な栄誉です。機械技術者として「世界の一流への仲間入りを認められる」それほどの権威ある賞です。 その大河内賞を松下電器の炊飯器部門が受賞しました。兵庫県加東郡社町に松下クッキングシステム事業部の炊飯器工場があります。恐らく国内で炊飯器を製造している工場としては唯一ではないかと思います。なぜ国内に炊飯器工場が生き残ったのか?それは中村社長の唱えるブラックボックス技術を持つことに成功したからです。 この工場では炊飯器のうち付加価値の低いマイコンジャーは海外に生産を移転しIHクッキングに絞って生産展開をしましたが、一向に生産が伸びませんでした。そこで「日本にものづくりを残す」ことを目標にブラックボックス技術獲得運動が始まりました。名付けて「ガチャコロものづくり改革」です。「プレス機でガチヤンと成形し、コロンと炊飯器の釜が出来上がる」ことを目指してこのような名前をつけたそうです。 このプロジェクトは文字通り非常識への挑戦の連続であったそうです。たとえばミクロン単位の精度を要求される銅メッキされたクラッド鋼板を四百トンプレスで一発加工して内釜を製作する量産技術や、加熱コイルの樹脂モールドを一体成型する量産化工法などの輝かしい技術の開発に成功しました。 これこそ中村改革で提唱されているブラックボックス技術です。その成果は機械工学分野で認められることとなり大河内賞を受賞する栄誉に輝きました。そして日本での炊飯器製造生き残りに成功したのです。 「ブラックボックス技術がなければ生き残れない」との言葉が、文字通り工場の存続をかけて闘っている現場にとって「天の声」のように実感を持って響いたのだと思います。その結果自分のやっていることは正しいと信じて一生懸命「不可能に挑戦」すれば道が開けた典型例であったと思います。 さてご好評を頂いております、藤原雄一郎の経営最前線シリーズの「この一冊で企業がよみがえる」をこのほど全面改定致しました。サブタイトルは「二十一世紀は智恵で生きのびる時代」です。本日の藤原通信のような内容が豊富に掲載されています。この機会に是非ご購読ください。 http://park5.wakwak.com/~inox/smelma/melma0004HP.htm http://park5.wakwak.com/~inox/smelma/melma0006JI.htm 時代の波に呑まれるUFJ銀行? 7/21苦戦が伝えられていたUFJグループと好調な三菱東京グループとの経営統合を日経新聞がスクープした時は正直言って本当に驚きました。金融業界では統合再編が進み、昔の銀行の名前を思い出すことさえ困難になっているほどの大変化に慣れてしまっていた私たちですら驚くほどの思い切った経営統合です。世の中の変化は恐ろしいスピードで進んでいることを改めて認識しました。私たちのような古い世代では、大きな財閥である三井と住友が合併すること自体が当時は青天の霹靂であったのに、今では「随分昔から三井住友財閥が存在していた」くらい日常的な感覚になっています。そこへ保守的で有名な三菱までがUFJと経営統合するのですから、これからの世の中は何でもありの時代になったことを心の底から思い知ることになりました。 金融業界は皆さんご承知のように、ついこの間までは、旧大蔵省の行政指導のもとに、お役人にそれこそ「箸の上げ下ろし」まで細かく指導され「護送船団方式経営」と揶揄されていた経営不在の最も保守的な業界でした。そこへバブル崩壊という大嵐が吹きすさび、千兆円を軽く超える資産が一挙に失われて、不良債権の山を築きました。絶対に潰れることが無いと信じられていた大銀行がいくつも消えて無くなりました。 一番保守的な業界に大嵐が吹いて大混乱のあげく、新しい秩序が生まれつつあります。もうあと一息で新しい時代の幕開けが待っています。このような時代の変化の大嵐は何も金融業界に限ったことではありません。自由競争原理の産業界ではとっくの昔に嵐が吹いて、革命が終了しつつある業界もあります。 そのような血のにじむ努力で生き残った企業の数が次第に増加した結果、景気の回復が見られていると考えて差し支えありません。しかしその過程で多くの人々が時代の波に呑まれて沈んで行きました。 時代がこのように大きく変わっているのに、まだ変革への道を歩んでいない人々に対しても、情け容赦なく嵐は今も吹きすさんでいます。その典型例がプロ野球です。朝日新聞の報道によれば十二球団の赤字推定額は何と毎年150億円だと言います。近鉄は40億円の売上に対して40億円の赤字、ロッテやオリックスも売上と同じくらいの赤字を抱えているとの報道です。このような状態で経営が成り立つはずもありません。 また時代の波に大きく取り残されているのはまさに日本国です。今や国と地方の借金は700兆円を超え、郵貯・簡保や保険金からの借金を加えた金額は千兆円を超えています。参院選で問題となった年金財政は破綻から立ち上がれないほど厳しい状態ですし、医療など福祉関係はプロ野球とは比較にならないひどい状況です。 時代の変化の大きなうねりは、情け容赦なくまた例外なくどこにも押し寄せて来ます。皆さんの家庭や職場はどうですか?「入ってくるお金」と「出て行くお金」を同じにするという、極めて単純な努力を怠った結果がこのような厳しい状況を招いています。 「入ってくるお金」が減少すれば「出て行くお金」を削減するか、懸命になって「入ってくるお金」を増やす努力をしなければならなのに、安易にサラ金に手を出して、利息の支払いをまたサラ金に依存する。このような状況がまさに国と地方の状況であり、多くの破綻企業の実情です。 「時代の変化対応に追随出来ずに経営破綻した」などというと何か不可抗力で自分の責任でないような響きがありますが、要するに家計の収入と支出のような関係で世の中を眺めて真面目に「収入と支出を同じにする」原則を貫徹さえすれば、時代の大きな波に呑まれないですむことを改めて認識した次第です。物事は複雑に考えない方が良いようです。 参院選敗北に不思議な沈黙の自民党 7/16参院選が終了して早くも一週間が経過しようとしています。大敗北の共産党と社民党は「時代の要求に大きく取り残されての敗北」にもかかわらず「票を我が党に入れない有権者の意識が遅れている」とでも思っているのでしょうか、有効な再建への道を歩もうとの気迫がまるで伝わって来ません。これほどの大敗北にもかかわらず執行部に責任を取る人は皆無です。「人を責めるのは得意でも、自分に対しては大甘」の攻撃的野党の本質そのままです。このままではやがて近い将来歴史の彼方へと消えて行くことでしょう。 同じ敗北でも政権を担う自民党の場合はその重みが違います。かっての自民党ならば参院選敗北に対して、次の政権の座を狙う人々が一斉に声をあげて小泉退陣の大合唱がわき起こるはずだのに、不気味なほど静かです。従来型自民党政治から全く脱却することの出来ないポスト小泉を狙う人々は、仮に小泉退陣に成功して自分の手で政権を握ったとしても、賞味期限の切れた自民党では敗北に敗北を重ねるだけとの思惑が働いているのでしょうか。 今後間違いなく小泉政権の支持率は下がり続けると思います。国民の支持を失った小泉政権は自民党との間で妥協に妥協を重ねて、かっての斬新なイメージは跡形もなくなりつつも生きながらえて、残された任期を全うすることになるでしょう。自民党に残された時間はあと二年ほどしかないと言うのに、小泉カラーに変わる新しい形の政治を掲げるリーダが出現しないのは嘆かわしいかぎりです。 小泉首相は従来の自民党政治と異なり、「公共事業へ税金投入」の大盤振る舞いをしないで経済再建を成し遂げた希有な存在です。そしてあれほどひどかった不良債権問題に鋭くメスを入れ、不良債権問題を解決の方向に持って行った功労者でもあります。小泉政権を継承する人々はこの路線を逆戻りさせないようにしなければなりません。旧来の利益誘導政治に慣れきった自民党の実力者に小泉首相ほどの頑固さで財政再建に驀進する見識を持った人がいるでしょうか? 今回の選挙で鈴木宗男が訴えたように「何としてでも仕事を北海道に持ってくる」との「利益誘導型旧来政治」が小泉首相の力の衰えと共に、次第に頭をもたげて来ることに私は大きな危機感を抱いています。頑固な小泉政治の厳しい三年間で目を覚まし、やっと「政府を当てにしてもダメだから自主自立で立ち上がろう」としている自立の芽をここで摘んでしまったら日本の将来には滅亡が待っているだけです。 今回の選挙で躍進した民主党にしても、破綻を来しつつある国家財政に対する有効な策は全くもって提示していません。仮に民主党政権になったとしても旧来型利益誘導政治が無くなるとはとても思えません。利益誘導先が変わり新しい利権集団が誕生するだけではないでしょうか。 その証拠に年金問題で概念論を闘わせている足下で、年金財政は破綻への道をまっしぐらに突き進んでいることに民主党は全く触れず「ほおかむり」しています。 小泉政権三年間の大きな成果は、従来の「政治家は国民にとって甘いことを言い続ける」姿勢から「あえて国民に痛みを強いる」姿勢に大きく転換したことです。これからは「全ての国民が満足する政治を続けていたのでは国家財政は破綻する」との前提に立って、「十分な説明責任を持って、国民納得の上で国民に痛みを強いる」政策に大きく舵を切らなければなりません。この姿勢だけは自民党であれ民主党であれ、政権を担当する者には必ず継承して貰わねばなりません。 一方、小泉政治の最大の失敗は「官僚の税金無駄使い」を阻止出来なかったことです。むしろ小泉政権下の三年間で官僚はやりたい放題をしてきたと断罪しても差し支えありません。このような状態では政治家や官僚がどのように説明しようとも、国民は痛みを分かち合う気持ちに到底なることは出来ません。 このように述べてくると今後の政治の向かうべき道がおぼろげながら見えてくるような気持ちがしませんか?これからの政治を注意深く見つめて行きたいと思います。 構造改革の波? 球団合併 7/14社会人野球を初めとして企業スポーツから撤退する企業が続出しています。高度成長期には「広告宣伝費に比較すれば安い」とか「社員の一体感を高めるのに効果がある」と言った理由から企業丸抱えのスポーツが盛んでした。事実社会人野球からは多くの優秀な選手を輩出していますし、マラソンなどは実業団以外ではオリンピック出場を果たすことの出来る選手を育てることが出来ません。このような企業選手はアマとは言ってもスポーツを主体とした勤務体系で、純粋なアマチュアとは全く異なっています。このような意味で日本のアマチュア・スポーツ界を今まで支えて来たのが企業でした。そのおかげでマラソン以外の競技に於いてもオリンピックでそこそこ戦える選手を送り出すことが可能になっています。これも一つの社会貢献として意味のあることだと私は思っています。 しかしながら日本経済の低迷と共に企業もこのような直接利益を生まないスポーツ支援に耐えられなくなり、撤退する企業が続出したわけです。資本主義の宿命であり極めて残念ではありますが、その事情は理解出来ます。 しかしプロ野球はいやしくもプロです。そこには球団とかプロ野球界全体としての明快な戦略と、たゆまざる経営努力があってしかるべきです。当然事業として独立し、自立出来なければなりません。そこには卓越した事業経営の視点が不可欠です。 しかしながら日本のプロ野球は近鉄にしろオリックスにしろ、企業の支援が無くても経営的に安定している球団はほとんど存在していません。名前はプロ野球でも経営実態は企業丸抱えのアマチュアスポーツと大差が無いのです。そこで当然のことながら親企業の経営状況が厳しい昨今ではこのような赤字垂れ流しの球団が存続出来るわけもなく、今回のパリーグ滅亡の危機が突如表面化しました。 まさにこの問題は長い間にわたる球団経営者の経営能力の欠如がもたらした当然の帰結だと思います。特に巨人の渡辺オーナの責任は重いのではないでしょうか。古田選手が渡辺オーナと面談したいと希望しても「一介の選手ごときが私に会おうなど無礼だ」と切り捨てる問答無用の古い体質がプロ野球をここまで追い込んだ元凶に思えてなりません。 スポーツ、特にプロスポーツはファンに支えられてこそ繁栄します。ファンは何に魅力を感じるかと言えば、「自分のひいきの球団が優勝するチャンスがある」の一言につきます。優勝する可能性があれば球場は満員となり、テレビは競って放映し、球団の経営も安定します。 そのためには12球団の戦力が常に拮抗していることです。そのためにこそドラフト制度が採用され正しい道を歩んでいたのに、その制度を改悪し、フリーエージェント制度の導入で金に糸目をつけず優秀な選手を巨人に寄せ集めて、選手の給料を暴騰させた渡辺オーナの暴挙がプロ野球を破滅に追い込むことになる一端を担っていると言っても過言ではありません。 またスポーツは選手と観客であるファンに支えられて繁栄するものなのに、渡辺オーナによる問答無用の「選手とファン無視」の態度には、プロ野球全体としての視点もなければ経営努力のかけらもありません。このような老害のはびこるプロ野球経営陣を完全に追放し新しい思想での徹底的な構造改革なくしてプロ野球界の将来は無いと思います。みなさんはどのようにお考えですか? 参院選終わる さあどうする自民党 7/12参院選が終わり、自民党にとって厳しい審判が下りました。自民党は最低限の目標である現有51議席を獲得出来ず、49議席に留まりました。一方民主党は躍進し、ついに自民党の49議席を上回る50議席を獲得し、二大政党時代が名実ともに到来しました。その煽りを受けて共産党は大幅に議席を失いました。 今回の結果は事実上の小泉不信任とも言える結果であったと思います。事前の予想で自民党不利との結果が出たために、本来絶対安全と思われていた現状維持の51議席が俄に獲得目標議席にすり替わってしまいました。六年前の参院選では44議席に留まり「自民党の歴史的敗北」といわれたことを考えれば明らかに自民党の敗北です。当面は小泉首相の退陣はないでしょうが、まさに青木議員が言っていたように「小泉内閣は死に体」になってしまったと自覚すべきだと思います。ここで自民党がどのように出るかで日本の将来の大きな分かれ道になると思います。小泉マジックが去ってしまった自民党が、従来の既得権益を守る利益誘導政治に戻るか、新しい日本の生きる道をかかげて脱皮するか正念場を迎えました。 小泉政権の三年間で着実に従来の自民党政治は崩壊に向かっています。従来の自民党を支えてきた郵政族、医師会、遺族会、土建一家、農政族などの既得権益を守る勢力は小泉緊縮財政の結果「従来のような利益誘導が出来ず」確実に力を落としてきました。 一方で年金・医療・介護等の福祉予算が青天井に上昇する少子高齢化の時代になり、国と地方の借金が700兆円を超えて財政破綻を生じていますので「無い袖は振れない」厳しい世の中になって来ています。すなわち壮大な国家予算の新旧勢力による熾烈な分捕り合戦が始まっているのです。 このように時代が大きく変化して、限られた予算の分配を抜本的に変えなければならない時に、縦割り行政の官僚は必死になって既得権益を死守しようとしますし、今回敗北した鈴木宗男のように「官僚を恫喝しても地元に仕事を持ってくる」と大声で叫んで拍手喝采の現状では、従来の「しがらみ」にがんじがらめの自民党政治では対応が不可能になってきています。 小泉首相は「自民党をぶっ壊す」と叫び、内容が不明の「構造改革」を叫び続け、日本の政治に大きな変革をもたらしてくれるとの「つかの間の夢」を私たちに与えてくれました。しかし三年を経過して「夢はやはり夢」と気づいた結果が今回の選挙結果ではなかったのでしょうか? 日本はいま、権力構造が大きく変化しつつある時代です。変化を拒む官僚支配を完全に破壊しなければ新しい日本の進むべき道は見えてきません。今回躍進した民主党はここのところを良く見極めないとすぐに国民から見放されてしまいます。 参院選がこのような結果で終了したわけですから当分二年間は総選挙はありません。自民党にとっても民主党にとっても、この二年間は実に貴重な二年間であることを肝に銘じて新しい日本の創造のために頑張って貰いたいものです。 参院選挙は小泉信任投票 7/09参院選挙がいよいよ迫ってきました。事前の予想である自民党敗北、すなわち「現状議席51の確保が難しいと」の報道は、参院選挙にどのような影響を及ぼしているか興味津々です。昨年の衆議院選挙のように、従来の総選挙では自民党有利の報道が流れ、ふたをあければ予想に反して自民党が苦戦して来ました。今度はふたをあける前から自民党不利の情報です。選挙前のこのような報道は「事前に有利と報道された陣営にとって不利」というのが通説でした。果たして今度はどのような審判を国民は下すでしょうか。 木曜日の小泉内閣メールマガジンは参院選前最後のメルマガとなります。ここで社会保険庁長官に民間人を起用したこと、曽我ひとみさんの家族再会のことを取り上げていましたが、さすがの小泉サプライズも種が尽きた感があります。9日の再会シーンは多くのテレビに流れると思いますが、この映像の国民に対する訴えが小泉マジックの最後になるのか固唾をのむ思いです。 前回の藤原通信で述べましたように、とっくに賞味期限が切れた自民党を小泉マジックが引っ張って来ました。小泉政権も三年を経過し、従来の自民党的な権力構造は静かに崩壊しつつあります。小泉首相が去った後の自民党はまさに外堀を埋められた大阪城のような存在になっていることを自民党は気づいていません。 そのような自民党にとって今度の参院選挙はまさに小泉首相の信任投票と位置づけて間違いありません。旧来の自民党集票組織はもう機能しなくなりつつある以上小泉人気が特に都市部でどの程度上乗せされるかにかかっているからです。 どこかの新聞が書いていましたが、小泉サプライズの最後のウルトラCは「51議席を下回ったら小泉首相は退陣する」と首相自身が宣言することです。そうすることによって参院選の意味合いを明確にすれば低調な参院選のムードは一変すると思います。その結果小泉首相が本当に退陣することになっても歴史に残る首相として後世まで語り継がれることになると思います。 私自身は小泉ファンであるだけに小泉首相には野垂れ死にをして欲しくありません。日本人の美学に合致した行動を取って欲しいなと思うだけにこのようなウルトラCを期待していますが多分無理でしょう。 色々と述べて来ましたが、今回の参院選挙はまさに小泉信任投票であることを皆さんに訴えて、結果を静かに待ちたいと思います。 自民党 終わりの始まり 7/07参院選がいよいよ間近に迫ってきました。各新聞は自民党が最低当選ラインである51議席を下回る予想を出しています。また小泉内閣の支持率もここに来て大きく落ち込んでいます。このような報道が事前に出されると自民党に危機感が浸透し、案外51議席を確保出来るかもわかりません。世の中が大きく変化する中で旧態依然の利益誘導型政治を追求する自民党政治は三年前にすでに賞味期限が切れていました。しかしながら小泉首相の登場で本来政治の表舞台から退場すべき自民党がその命を長らえて来たのは誰もが認めるところです。小泉首相の賞味期限が切れた時点で、いよいよ自民党も終わりを迎えることは明白です。 その意味で、今回の参院選挙は極めて重大な意味を持つと思います。参院選でもし自民党が敗北すれば、これは単なる敗北に留まりません。小泉効果が明確に失われた、すなわち自民党政治の「終わりの始まり」と明確に認識すべきだと思います。 問題は受け皿です。本来の受け皿である民主党には政権担当能力がありません。誰しも初めは能力が無くても政権を担当するうちに次第に能力を身につけるものですが、民主党は旧自民と旧社会の混成部隊であり、組合を背景とした政治勢力もまだ残っています。従って民主党が改革に向けて走り出す時、党内にはびこる旧態依然の勢力が抵抗勢力、反対勢力として改革阻止に向かうことは間違いありません。自民政治より改革が後退することを恐れています。 特に外交、安保の面では旧自由党のような超タカ派から旧社会党の護憲勢力までその幅は広く、容易なことではまとまりがつかないでしょう。このようなことで国益が守られるかとても心配です。 はっきりしていることは十年前の細川政権誕生以来、離合集散を繰り返すなかで、極めて不自然な結びつきが出来上がったことが、現状の政治に対する閉塞感を生み出しています。同じ志を持つ政治家同士があい集う政界再編が必要な時期に来ていることは誰しもが認めるところです。 今回の参院選で自民党が敗北し、小泉首相が退陣すれば、大混乱が生じることは間違いありません。その結果、次の衆議院選挙までに大きな変化が生じる可能性は十分にあります。 今回の参院選は自民党の「終わりの始まり」に大きく一歩を踏み出すか、あるいは今しばらく延命出来るかのきわどい選択を私たち国民がすることになる大切な選挙です。私も良く考えて一票を投じたいと思います。 官僚のしたたかさ 7/05小泉首相の「特殊法人改革」の大号令で特殊法人の数は大幅に減少しました。ところが実態は「特殊法人」が「独立行政法人」に名前を変えただけで、注目度が少なくなっただけに、前より悪くなったとの評価も一部にはあります。7月3日の朝日新聞に興味深い記事が出ていました。 「特殊法人」が名前をかえた「独立行政法人」の平均年収が国家公務員の年収を上回っているという記事です。昨年10月に「独立行政法人」に衣替えした「元特殊法人」33法人のうち21法人が二割以上も平均給与が高いのです。そしてそのうち3法人は三割も国家公務員の給与より高いことが明らかになりました。 「独立行政法人」は全部で95法人ありますが、上に述べた33法人以外の「独立行政法人」ではおおむね国家公務員並か一割程度低い給与水準です。中には二割も給与が低い「独立行政法人」もあります。かっては毎年五兆円もの税金を投入して赤字の尻ぬぐいをしてきた特殊法人がいかに厚遇されていたか改めて実感します。 これら「元特殊法人」は「独立行政法人」への衣替えに際して、民間企業で言えば役員にあたる幹部職の人数を大幅に増加させて「焼け太り」と一時は非難されましたが、今では誰もこの事実を訴える人はおりません。「人の噂も七十五日」の典型例です。 小泉首相が就任当時、真っ先に叫んだ「特殊法人は原則廃止か民営化」は誠に正しい選択でしたがその手法が間違っていたために「官僚の圧勝」に終わりました。小泉首相は「まず一番難しい道路公団民営化と郵政民営化を実施する。そうすれば他の特殊法人は必ず改革に成功する」と言いました。 松下の中村改革に見るごとく、民間企業なら「一番困難な聖域に真っ先に手をつける」ことは誠に正しい手法でしょう。しかし官僚の世界は違います。世間とマスコミの関心が道路公団民営化や郵政民営化に集中して関心が薄れている間に、見事に特殊法人改革を骨抜きにしてしまいました。 そして目玉の道路公団民営化も「官僚による芸術的な骨抜き」にあって改革は一向に進んでいません。官僚の得意技は「名を捨てて実を取る」ことに天才的手腕を発揮することです。 役人退任後、「天下りのハシゴ」で優雅な人生が待っている、この既得権益を政治の手で奪われることは生命を奪われるほど耐え難いことですから、死に物狂いになります。皆さんだって辛いことの多い現在の職場を卒業して、子会社、孫会社を優雅に渡り歩く人生が待っているのに、目の前でその特権を奪われるとなれば経営トップも一緒になって必死に抵抗するでしょう。 民間会社の場合はそのような甘い経営をしていたのでは会社が破綻しますので自ずから歯止めがかかりますが、お役人の場合は税金や年金を投入すればお役所が消えてなくなることはありません。(社会保険庁関連の団体に見るように「問題が発生するとその団体を解散することによって税金により借金を清算し、身綺麗になって別の組織で全く同じ放漫経営を続ける」ことを繰り返す「目くらまし戦法」は官僚の最も得意な技です。)もしこのような環境におかれたら、恐らく皆さんだって強く抵抗すると思いませんか。 選挙のために「目に見える成果を官僚と同様に死に物狂いで追い求める政治家」に名誉を取らせ、その陰でがっちりと実益を取る。このような強烈なタッグを組んでいる官僚に国民はかないません。税金はいつまでたっても無駄使いされ続けます。 社会保険庁が私たちの年金を五兆円以上もかすめ取っていた事実を見るとき、お役人の徹底した情報公開とそれに対する厳しい国民の監視の目が絶対的に必要です。これからも公開された情報を皆さんに訴えて行きたいと思います。 日銀短観 大企業・製造業でバブル後最高 7/02早いもので7月に入り今年も半分が過ぎてしまいました。1日には日銀短観が発表され、大企業・製造業では13年ぶりに(景気が良いと答えた企業の数から悪いと答えた企業の数を引いた数値が)プラス22を示しました。(非製造業はプラス9)また悪いと言われていた中小企業・製造業も12年ぶりにプラスとなりました。(非製造業は依然としてマイナスです)日銀短観とは景気が「良い」「悪い」を全国1万の企業に聞くアンケートのようなものではありますが、景気判断資料として重要視され新聞などに大々的に取りあげられています。「たかがアンケート」「されどアンケート」ではありますが、心理的に景気の回復が確かなものとなってきつつあることは明確だと思います。 たまたま先週、息子の結婚式でハワイに行きましたが、息子の「手作り安上がり結婚式」を行ったマウイ島のホテルでは日本人をあまり見かけませんでしたが、ホノルルのワイキキビーチは日本人で溢れかえっていました。ホテルには両手にブランド品の大きな紙袋をいくつもかかえた日本人女性が続々と帰ってきたり、超豪華結婚式のカップルがうろうろしていたり、まさにワイキキは日本人で成り立っていることを痛切に感じる風景でした。 10年ぶりに訪れたワイキキで、日頃から定点観測をしているわけでもありませんので、この状態が例年と比較して多いのか少ないのかわかりませんが、このような風景は日本の景気が良いと推測させるに充分ではありました。 日本経済はやはり製造業が主役です。その製造業に明るさが見えているのは誠に好ましい状況です。懸命の企業努力で三大過剰である「設備過剰」「人員過剰」「借金過剰」から抜け出した企業が、新しいビジネスモデルを目指して、明日への投資をし始めた兆しが見えます。企業経営の三大課題である「構造改革」→「意識改革」→「プロセス改革」の最後の項目である「プロセス改革」に手がついた証拠です。 企業改革が「構造改革(リストラ)」の段階でストップしていては、均衡縮小の泥沼に落ち込み、やがては静かに消えてゆくことになりかねません。リストラは時代に合わなくなった古い衣装を捨て去ることに過ぎず、時代の要求に合致した新しい衣装を身につけなければ、裸で街を歩くことになります。 この新しい衣装を身につける段階が「プロセス改革」です。しかしそのためには新しい衣装を買う(設備投資)お金が必要です。またせっかく購入した新しい衣装が世の中からそっぽを向かれたのでは何にもなりません。「プロセス改革」はとても難しい作業なのです。 ここで過去のように採算を度外視した多額な借金に依存した過大投資に走らず、キャッシュフロー重視で常に自分の懐具合と相談しながら、地道に投資をすることを忘れてはなりません。また世の中のニーズも時々刻々と変化しますので「情報の的確な収集と分析に基づいた事業戦略」がいよいよ重要になっています。素早い意志決定と柔軟に事態に対応する適応力が厳しく求められることも忘れてはなりません。 それから一番大切なことは、私たちが「プチ贅沢」をすることです。国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費が動き出したならば、日本経済の回復は確かなものとなります。 自分へのご褒美として今年のクリスマスは是非クルーズを試して見てはいかがでしょうか?四万円台でクリスマスディナーにショウを楽しみ、ダンスで夜遅くなってもそのまま宿泊!そして目ざめたら海の上の「クリスマス・クルーズ」は大人気です。ご予約はお早めに!! http://inox-m2.com/apple/cruise/xmas.htm あっぷる旅行なら3%割引が可能です。 |