ビジネス応援団藤原通信>藤原通信2004年四月号

関西経営コンサルタントの雄 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ 日本型経営の研修に最適 大阪

藤原雄一郎の時事通信 2004年4月号

 

不毛の国会 年金未納問題 4/30

閣僚七名と民主党菅代表の国民年金未納問題でゴタゴタしているうちに、大切な年金改革法案は衆議院の委員会を通過してしまいました。このような大切な法案が、民主党の不手際もあって殆ど実のある議論が国会でなされないまま通過するとは正に不毛の国会と言わざるを得ません。

また菅直人代表や福田官房長官の「他人に厳しく、自分に甘い」身勝手な態度に心底腹を立てている国民も多いことでしょう。そして今回の事件で「年金を食いつぶす官僚によるいい加減な管理体制」も白日の下にさらけ出されました。江角さんが気の毒に思えてくるほどです。マスコミも年金未納率が四割近くにのぼり、年金制度が崩壊していると騒ぐ前に「社会保険庁が未納者に対する告知さえしていない」という職務怠慢にどうして切り込まなかったのでしょうか?

江角さん事件から今回の政治家による年金未納問題まで、社会保険庁が本人に通告と督促をしつこく繰り返しておけば発生するはずのない問題です。また国民年金の未納問題がこのように大きな数字になったのも、従来地方自治体が懸命な努力で徴収していたのを、国に徴収義務が移行してから未納率は大幅に上昇しています。このような官僚の無責任体質に大きな憤りを感じます。(職務怠慢のくせに年金を自分たちの利益のために食い散らしているからなおさら怒りが増して来ます)

先日の藤原通信で選挙が官僚の無駄使いを改める唯一のチャンスと言いましたが、今回の未納問題で素早く反応しているのは、やはり与党です。報道によれば早くも与党では、このままでは参院選がもたないとの危機感から

1.年金制度移行の場合に通知を行う
2.一定の条件付きで未納分の全額払いができるようにする
3.社会保障問題全体を議論する与野党の協議機関の設置 などを柱とする改善策を急遽(きゆうきよ)まとめ、年金法案の修正にも 前向きな姿勢を示し始めました。

民主党はまたもや一歩出遅れた印象です。このような与党の素早い動きは、参議院選挙が間近でなければ決して起こりえないことです。その意味では年金未納問題など国民が呆れるような事実が、もっともっとたくさん出てきてくれないかと天に祈る思いです。

1.私たち国民はこのような選挙前に発生した問題に対してしか改革への力を持てないこと
2.逆に選挙前はこれほどまでに国民の力が強いこと

を私たちが十分に認識して、代議士の地元で大きな声を是非あげて欲しいと思います。いま日本にとって一番の問題点はお役人の天下りを中心とする税金や年金など公金の役人による無駄使いです。「高級官僚の天下り絶滅」の大きな声をあげれば、そしてそれが実現すれば、必ずお役人の公金無駄使いは劇的に減少すると確信しています。いまこそ大きな声をあげようではありませんか。
 

切歯扼腕 何とかしたら?民主党 4/28  

日曜日に行われた衆議院補欠選挙は自民党の三勝で終わりました。民主党は一つも議席が取れませんでした。その大きな理由の一つは投票率が低かったことにあります。投票率が低かったために公明党の組織票に支えられた自民党が勝利しました。なぜ投票率が低かったか?それは民主党に無党派層を引き込む魅力が無かったことに他なりません。昨年の衆議院選挙での熱気はどこに行ってしまったのでしょう。

決定的に手遅れにならないうちに官僚の放漫経営に徹底的にメスを入れ、国家財政を立て直さなければならない重要な時に、野党第一党の民主党が鋭く与党に迫らなければ官僚の放漫経営は一向に改善されません。その唯一のチャンスが7月の参議院選挙なのです。それまでに与党が青ざめるような迫力のある追求をしなければ、参議院選挙が終わった時点で完全に官僚は生き延びてしまいます。

霞ヶ関(役人)永田町(政治家)国民(有権者)の三者には奇妙な力関係があります。お役人は国民に強く、政治家は役人に強い、そして国民は政治家に強い!このような三角関係ですが、国民が政治家に対して強いのは選挙の時だけです。そこで役人による公金の無駄使いを無くそうと思えば、来るべき参院選挙前に「有権者の無駄使い追放の大きな声→政治家の落選の恐怖→官僚の無駄使い追放」のサイクルを回さなければなりません。

この場合大切なのは「役人に対して強いのは政権与党」であることです。野党では役人の無駄使いを追放することは出来ません。そこで私たちにとって一番理想的なサイクルは「民主党が役人の無駄使いの具体例を世の中に強く訴える→国民が同調し民主党に人気が出る→自民党が民主党に負けるのではないかとの恐怖心を起こす→本気で役人の無駄使い追放の策を打って当選を目指す」ことです。

官僚による芸術的な骨抜きにあった道路公団民営化法案も静かなうちに衆議院を通過してしまいました。また年金官僚を追放する絶好のチャンスである年金法案審議も国民の目には民主党がやたら審議拒否をしているだけで、年金官僚に対する批判が一向に盛り上がりません。むしろ危機感を持った与党が先手を取って年金無駄使い防止に対して着々と手を打ちつつあります。しかし野党の厳しい監視の目が無ければ官僚の手にかかって、最後の土壇場で道路公団民営化法案のように骨抜きになってしまいます。

年金問題では与党の法案に対して、民主党が独自の法案を提出しました。年金法案で民主党として独自の法案を提出するのも良いのですが、法案提出が遅れに遅れて、折角の貴重な審議時間を浪費し、あげくのはてに出てきた民主党案は数字の裏付けのない穴だらけの法案で、一向に迫力がありません。

官僚の力を借りることが出来ない民主党が法案を作成しても限界があります。独自法案を出すよりも国民の一大関心事である「官僚による年金の無駄使い」に的を絞って徹底的に追求すれば、補欠選でも成果が上がり、与党を慌てさせ、念願の官僚による無駄使いにトドメを刺すことが出来たのにと切歯扼腕の思いをしています。

民主党は戦略を誤っています。政権担当能力があることを示したいがために、数字の裏付けのない「高速道路の無料化」とか「年金一本化の民主党案」などにこだわって、そのプランの荒さ、実現可能性の希薄さばかりを与党から突かれ苦労しています。民主党の管代表は人を責めるのが得意ではありませんか。「役人による公金の無駄使い」を得意の弁舌で徹底的に攻めて国民の大きな盛り上がりを図ることこそが民主党の活路を開くのにと残念でなりません。
 

激震! 三菱自動車 4/25 

突然、関係者にも寝耳に水でダイムラークライスラーが三菱自動車に対する追加金融支援の中止を申し入れて来ました。関係者ばかりでなく政府にも激震が走っています。ダイムラークライスラーと三菱グループとの本件にまつわるやりとりや事態の進展については新聞等マスコミで情報が発信されますので、今回の藤原通信で取り上げることは致しません。

読者の中に三菱自動車や販売店の関係者、あるいは読者の知り合いにこのような人々がおられましたら呼びかけたいことがあります。

まず経営陣に近い人々は藤原雄一郎経営最前線シリーズの「重役は裸の王様」を是非見て下さい。
http://park5.wakwak.com/~inox/smelma/melma0003JK.htm

また若い人々や中間管理職の人々は「目指せ乱世のリーダ」を見て下さい。
http://park5.wakwak.com/~inox/smelma/melma0007JS.htm

三菱自動車が現在の苦境に陥った原因とその対策が必ずこの二つの本の中にあることを確信します。

皆さんの目は「外(顧客)より内(社内)」に向いていませんか?さらに社内では目が「下(部下・同僚)より上(上司)」に向いていませんか?自分たちの職場は自分たちでしか守ることは出来ません。あなたがたは三菱グループという大きなファミリーの中で、三菱自動車が消え去ることは無いと思っていませんか?

本当はムダやムリが随所に見えているけれど、余計なことを言って失敗したら自分の身が危ないから、嵐が過ぎ去るのを待っていようと思っていませんか?「三菱ふそうリコール問題」の不可解のように、過去の負の遺産を精算することが出来ないでのたうち回っていませんか?社内で膨大なエネルギーが消耗され疲れ切っていませんか?

もしそうだとすれば、同じ境遇にある皆さんが横の連携を取り、立ち上がる時が遂にやってきたのです。もう社内や上層部の顔色を窺うことはやめて、自分自身が惚れ込む車に向かって全ての努力を傾注する時がやって来ました。

経営陣に近い皆様に申し上げます。
三菱自動車の経営陣は総変わりしました。いづれもその道の経営のプロを揃えています。恐らくは従来にない革新的な経営手法で経営を進めていることでしょう。しかしその意図となすべき施策の精神が組織の隅々に浸透していると思っていますか?例えば販売戦略について販売店の最前線まで伝わっているかチェックされたことがありますか?「経営陣は裸の王様」と信じて今一度組織の透明度を高める施策を打つ必要があると思いませんか?

百年の歴史を持つ三菱という企業文化を良く理解した上で、その文化の徹底した破壊と創造を実施するか、あるいは逆にその文化に適合した言葉に書き換えて号令を下さないと確実に「経営陣は裸の王様」になるのではと憂慮しています。

ダイムラークライスラーによる金融支援打ち切りで三菱自動車の経営危機が囁かれていますが、三菱自動車はカネボウとは違います。長年独裁者が君臨した訳でもなく、もともと三菱自動車には優れた技術力があります。経営陣から組織の最前線まで「自分たちが何とかしなければ」という真の意味での危機感があふれ出て、経営陣と社員のベクトルが完全に一致すれば素晴らしい力を発揮すると思います。

そして全ての従業員の目が車を愛するお客様の心に集中すれば、かならず短期間で蘇生できる力を三菱自動車は持っていると確信しています。今、皆さんに必要なのは意識改革と風土改革ではないのでしょうか?

読者の中に三菱自動車の関係者がおられ、色々の悩みがあれば遠慮無くご相談下さい。秘密は守り、適切なアドバイスが出来ると思います。メールを下さい。
fuji@inox-m2.com

また読者のお知り合いに三菱自動車の関係者がおられたらこのメルマガを紹介して下さい。
 

読者の声 人質批判 もういいかげんにして下さい 4/23 

イラク人質事件の関する藤原通信に対して今までにないほど多数のお便りを頂きました。心から御礼申し上げます。大多数のご意見は私の独断と偏見に対して賛同のご意見でした。しかしながらお一人から痛烈にご批判を頂きました。表現はかなり厳しいものではありますが、文章には熱意と誠意が溢れており、何かしら私の胸に響くものがありました。

このような私の意見とは全く異なる真摯なご意見を紹介させて頂くのは藤原通信に幅が出来ることでもあり、また何よりも日頃の私自身の独断と偏見に対して別の角度から自分自身を見直すチャンスでもあります。

特に

「あなたはさも自分はすべての状況をすごくわかっているかのように、人のことを判断し決めつけて上からものいうように自分の論理を展開していますがどうしたらそこまで断定的になれて、人を非難・否定できるかわかりません。」

の文章には思わず「ハッ」とさせられるものがあり、私自身大きな反省となる有り難い助言だと感謝致しております。日頃から展開しています私の激しいマスコミ批判と同列に自分自身があるのではないかとの反省です。

是非とも掲載の許可を頂きたいと「本文に対する反対論は藤原通信には紹介しない」との約束でご了解を頂きました。今後とも皆様の暖かい声に励まされて研鑽に努めますのでよろしくお願いします。

−−−−−−−−−−−−−−−引用開始

ニュースレターを購読している者です。もういい加減にしてください。

人質事件に税金が使われているとか、そんなことまでいい始めて、真実だとしてもあなたは何が目的なのですか。税金のことでいえば、ばかな暴走族を退治したり、酔っ払いを保護したり、社会に迷惑をかけている人、その対処に税金なんてたくさん使われているじゃないですか。

前回いっていた、平和ボケっていいますけど、悲惨な戦争を反省する意味で国が私たちをそう教育してきて、国策もそうしてきた、ある意味平和ボケは国の目的が達成された形なのではないのですか。

人質に同情的な人だって、平和ボケっていわれる日本人だって平和について一生懸命考えているんです。過ちがあったとして何でここまで彼らをしかるようなことがいえるのですか。政府の人が言うならともかく。

あなたはさも自分はすべての状況をすごくわかっているかのように、人のことを判断し決めつけて上からものいうように自分の論理を展開していますがどうしたらそこまで断定的になれて、人を非難・否定できるかわかりません。

そんなにあなたは複雑な人間・世の中をクリアにみているのですか。あなたがこのニュースレターで言ったことなんて、3人は自覚しているし、国民だってあなたが言うまでもなく自覚してます。

日本人はgenerousだという評判もある一方で、どの年代にわたっても”いじめ”国家である、日本のもう一つの本当の姿を露呈している今日この頃だと感じています。

あなたのような人の言葉が彼らを傷つけて、一生トラウマのようになってしまったり、押しつぶされたりしてしまったら、あなたはどう”自己責任”とやらをとるのでしょう。

命をかけて頑張ってきた人、やっと命が助かった人に向かって槍さすような人の発言はもうこれから聞く気にはなれません。

−−−−−−−−−−−−−−−引用終了
 

景気回復の陰に 4/21 

イラク人質事件で日本国中が大騒ぎしている間にも、景気は確実に回復基調にあることが明確になって来ています。今年に入って顕著になってきたのが、凄まじいばかりの中国経済の発展です。中国経済の成長にともない、中国の輸入がここ二年で七割も伸びています。国際商品市況は20年ぶりに高騰し、モノの流れが凄まじい勢いで中国になだれこんでいます。

長い間低迷を続けてきた鉄鋼などは著しい回復を示していますが、その粗鋼生産の伸びの六割は中国要因であるといわれています。不況の典型例といわれたH形鋼もトンあたり4万円台後半を随分長い間続けていたのですが、ここにきて何と7万5000円台にまで暴騰しています。総じて原材料の価格高騰が著しくインフレ傾向になってきました。

その結果、日本経済の四つの推進力である、個人消費、設備投資、輸出、公共事業のうち、中国を中心とする輸出の伸びが、設備投資の伸びを誘発し、やっと日本経済に力強さが出て来ました。この傾向に刺激されて個人消費が伸びて来ると景気回復も本物となって来ます。

さて長い間の不況で苦しんだ日本経済では、いま静かに地殻変動が起こりつつあります。景気の回復と同時に、雇用の促進が期待されるのですが、長い不況の間に、正社員からパート・アルバイトへと雇用形態が大きく移動しています。スーパや飲食店チェーンのアルバイト・パート化については皆さん既に良くご承知で、この分野ではパートの人々に重要な仕事を任せて、パートの正社員化で経営効率を上げるのに各社必死になっています。

変動が起こりつつあるのは製造業です。一時中国生産には勝てないと中国へ工場を移転して空洞化が懸念されたハイテク、電機分野では現在パートなどの請負労働者の比率が大幅に増加しつつあります。いま花形の薄型テレビやデジカメなどデジタル家電の工場では必要最低限の数を正社員で生産し、売れ行きが伸びると増産分の対応としてパートなどの請負労働力を投入しています。

この傾向はハイテク電機分野だけでなくその他の製造業にも波及しています。なぜこのような傾向が増加するかというと、経営者が過去のような高度成長が再びやってくるとは考えていないからです。この十年間散々苦しんだ過剰人員、過剰設備の悪夢を再び経験したくない!しかし需要に対して人員が追いつかない!そこでいつでも自由に切ることが出来るパート・請負労働力に依存することによって過剰労働力を抱え込まない経営戦略をとっています。

ズバリ「世界一高い人件費」をこのようなパート・請負労働力の導入により下げているのです。経済のグローバル化に従って世界一高い人件費もユニクロの価格破壊のように価格破壊されつつあります。従って日本の労働市場は恵まれた正社員と、いつでも切ることが出来る低賃金のパート・請負労働力に二極分化され、やがて社会問題として顕在化してくることでしょう。

また恵まれている正社員も、年を取れば給料が上がる定期昇給制度を廃止する会社が続出しています。景気回復という華やかな場面のかげに人件費の価格破壊が静かに進行しているのです。

結局財政が破綻してもぬくぬくと天下りを続けるお役人だけが苦しみから遠いところで安閑としています。日本国民の大多数が痛みを味わっている時に、お役人だけが無傷、しかもその費用は「イラク人質救出費用」のように我々国民負担になっています。どうしても官僚の放漫経営は止めさせるように声を上げなくてはなりません。
 

イラク人質事件 解決はしたけれど 4/19 

さきに拘束されていた今井さん他二人に後で拘束された安田さん他一人の合計五名が無事解放されました。多くの人が安堵したことでしょう。心から良かったと思います。しかしながら今井さんたち三人は、いま混乱の極にあり、心の中で葛藤が続いている様子です。正常な判断力が戻るまでメディアもそっとする配慮が必要でしょう。

さて彼ら五名の今後の評価について気がかりなことがあります。多くの良識ある人々は「自己責任」の重みについて彼らの認識の甘さを指摘していますが、メディアを中心とする「平和ボケ」思想から、一部には彼らを英雄視する傾向があることです。民主党の管代表ですら、自己責任に関する認識の甘さを強く指摘した後で「しかし彼らのこころざしまで否定することは出来ない」などと馬鹿げたコメントを発しています。これで政権を担おうとする政党の責任者の言葉かと疑います。

またテレビ朝日など問題のメディアは「危険を顧みず真実を知ろうとする努力まで否定してはいけない」と必ず付け加えます。本当にレベルが低いことを自覚していません。どんなに馬鹿げたことを言っているかたとえ話で説明しましょう。

世界最高峰チョモランマ(エベレスト)を征服する高いこころざしを持った登山家が街の中を歩く服装で挑戦して遭難したら皆さんはどういいますか?「世界最高峰に挑戦するには余りにも軽装備であった点は非難されてもしかたがないが、世界最高峰に挑戦しようというこころざしまで否定することは出来ない」などと皆さんはいいますか?「バカじゃないの!!」といいませんか?(今回郡山さんのお母さんはこのことが良く理解出来ているからこのように発言しました)

それと同じことなのです。だから政府は避難勧告を出しているのです。今回のことに懲りて危険地域へは渡航禁止にすることを法律で決めようとする動きがありますが、それはまさにチョモランマへの軽装備登山を法律で禁止することと同じ愚行です。良く冬山で常識はずれの軽装備のため遭難にあって、多大の迷惑をかける登山者がいますが、彼らが不幸にして死んだとしても誰も地方自治体を責めたりしません。

同時に常識はずれの軽装備のため遭難した登山家に「山を愛する崇高な気持ちは尊い」などと賛美したりしないでしょう。法律で禁止する必要は全くなく、同時に遭難者を二次被害の危険にあわせてまで救う義務も国にはありません。人命は地球より重いから最大限の努力はしますが、死んだら死んだで仕方がないのです。

今回のイラク人質事件はまさに危機管理が全くなっていない人々が、街中(まちなか)の服装でチョモランマを目指し、国や関係者に多大の迷惑をかけた上に、その危険性にいまだに気が付かず、このままイラクに居りたいなどと現実離れをした言動を発している事実を正確に認識して論評しなければなりません。(平和ボケから全く目ざめていない!)

このように言いますと、一部の人は「政府が自衛隊をイラクに派遣したからイラクがこのように危険になった」と必ず反論します。イラクが危険になったことと、危険の認識が甘く、国や関係者に多大の迷惑をかけることとは全く別次元の話です。それを故意に結びつけて論理を「自衛隊派遣反対」の方向に持っていこうとしている団体や政党の意図に乗ってはいけません。(一部の政党が今回の事件を自衛隊派遣反対に結びつける組織的動きをして社会の良識に猛反撃を受けました。被害者家族が当初反発を受ける発言をしたのは彼らの指導によるものです。)

たとえば土砂崩れの危険性があるので「通行禁止」の柵までしている道路を通過して土砂崩れにあったとしましょう。確かに土砂崩れの危険性を放置していた地方自治体にも問題はあります。しかし危険性を認識しているからこそ通行禁止にしているのです。危険性を放置した地方自治体を非難するのは自由ですが、だからと言って「警告を無視して被害にあった人間は悪くなく、責任は全て危険を放置した側にある」と言えるでしょうか?

たしかに政府がイラクに自衛隊を派遣していなければ、イラク人の対日感情も違ったことでしょう。そのことは今回の事件とは別に議論しなければならない問題です。現実にイラクの治安が極めて悪化しているからこそ、日本政府は14回も退避勧告を出しているのです。

そのような危険な国へ政府の勧告を無視して行くからにはチョモランマ征服にふさわしい重装備で挑戦、しかも自己責任で行って貰わなくてはなりません。もし不幸にして命を落としても政府を責めてはいけないのです。今回の五人の中にはこれだけ危険であると判明しても命が無事であったばかりに、未だに危険に対する認識が甘い人がいます。

今回の事件で、聖職者協会での引渡にイラク臨時代理大使が立ち会っていますが、この道中、臨時代理大使が銃撃を受けて殉職したら一体メディアはどのように申し開きをするのでしょう。今回の五人も視聴率至上主義のメディアも完全に狂っています。せめた私たちだけでも冷静な目で物事を判断しなければならないと痛感しました。

繰り返しますが、「イラクに自衛隊を派遣して日本人の立場が悪くなったこと」、「アメリカのイラク統治が破綻しかけていること」は事実でありますが、この問題に限定して議論しなければなりません。この事実と危険地域に政府の反対を押し切って渡航するのとは全く別次元の問題です。ここのところを明確にしないと、今回の救出はさらに無謀な多くの人々をイラクに駆り立てることになります。

危険なところに出向くにはそれなりの対策が必要であることを日本国民に周知させなければなりません。そのためには「次回このようなことが発生しても政府は救出の努力はするが、生命の保障まではしかねる」と宣言するのが一番の抑止力ではないでしょうか?
 

読者の声 泥沼化したイラクの解決方法 4/16

本当にイラク情勢は泥沼化してきました。このまま更に混乱が続くのでしょうか?前回の藤原通信でご紹介しましたペンネーム「環」さまは思い切った解決方法を提唱しておられます。藤原雄一郎のコメントは一切抜きでご紹介します。イラクは転換点を迎えた気がします。何とかしなければなりません。

−−−−−−−−−−−−引用開始

 文字どおりベトナム化したイラク問題ですが、根本的解決方法が一つだけあります。それを述べます。

 まず米英軍をはじめ、イラク派遣の同盟軍すべてがいったん撤退します。その後、ロシア、中国を含む世界各国が国連軍を結成、現地に派遣します。国連軍には全員、国連色の薄いブルーの制服を着せ、戦闘目的でないことをイラク人に知らせます。戦争の原因になった米英軍は現地住民の反発が厳しいですから遠慮してもらいます。国連軍にはモーリタニア、ルクセンブルグなど極小国、軍隊を持たない国も名目的に参加します。軍隊のない国は警官、消防士で結構です。要は全世界の国が地球人として参加することです。

 そしてイラクで「刀狩」をします。全抵抗勢力、全部族、全地域、全家庭から短銃以上の兵器、爆発物をとりあげるのです。抵抗するグループ、個人へは容赦なく攻撃します。攻撃後、ギブアップしたグループ、個人には武器を取り上げたあと、医療などを施し、無条件で釈放します。

 場合によっては自動小銃1丁100ドルなどで買い上げても結構です。仮に兵器類が500万丁・個あるとして平均100ドルで買い上げれば5億ドルで済みます。日本円で510億円程度です。なんなら全額、日本政府が平和基金として拠出しても結構です。現在の陸海空3自衛隊のイラク派遣費用がどれくらいか、知りませんが、艦船、航空機調達も含めて考えれば安いものです。イラクに金が落ちれば回りまわってすべての住民に物質的安心感を与え、武装蜂起は考えなくなります。お腹がいっぱいになれば争いは考えないものです。

 刀狩終了後は改めて大統領、国会議員選出選挙を行い、イラク新政府を樹立します。選挙では各宗派、各部族、各地域に公平になるよう国連職員とイラク人が英知を込めた選挙制度を作るのです。国連軍は部族間、地域間の紛争が収まるまで、一定期間、駐留します。イラクの石油資源はイラクにすべて任せることにし、技術的な面はイラク政府と各国企業との契約に基づくシステムを採用します。大国には一切、関与させません。

 現在の暫定統治機構の職員は国連軍が来るまで、報復を避け国外に避難します。また各国軍撤退から選挙終了までのプログラムをイラク国民に徹底的にPR、軽はずみな行動を起こさないよう要請します。

 もちろんこのプログラムは米英の権威を完全に失墜させ、ブッシュ政権は即時退陣となるでしょう。超大国アメリカのメンツは完全になくなり、戦争目的だった石油利権も吹っ飛んでしまします。米英は絶対、受け入れられないプランです。でもこれしか現状を救うプログラムはないのです。アメリカに巣食うキリスト教原理主義者には神の意志を冒涜する行為に見えるかもしれませんが、平和の実現にはこれしかありません。全世界が束になってアメリカに立ち向かえば実現します。

 イラクにこれ以上の悲劇を巻き起こしてはなりません。アメリカのメンツよりイラクにいるすべてのイラク人、駐留軍、民間ボランティア、企業関係者、駐在公館職員の命の方が大切です。「人命は地球より重し」といいますが、イラクにいるすべての各国人の命はアメリカより重いのです。要はアメリカを除く国連加盟国すべてが、超大国アメリカに本気で刃向かい、国連決議のもとで行動を起こすことです。全世界がアメリカの敵となれば、いかなるキリスト教原理主義者も神の本当の意志について改めて考えるでしょう。

 米英両国をはじめ世界各国政府、そして全地球人が一切の利害関係を乗り越え、真の平和を求めることを祈ります。

    環

−−−−−−−−−−−−引用終了
 

イラク人質事件 権利と義務 4/14

イラク人質事件は、ご家族にとってまさに「地獄と天国」を行き来する展開で、その心労も限界に達していると思われます。一日も早い解決を強く望んでいます。

それはそれとして、以前藤原通信で述べました「権利」と「義務」について戦後教育の悪い点が今回の事件に凝縮してあらわれていることを指摘しなければなりません。国民としての「権利」を要求するには国民としての「義務」を遂行しなければならないという、極めて単純なことが今回の事件では忘れられているかのような報道や被害者家族の言動が目立つからです。

今や「国民の敵のように見なされている外務省」の竹内事務次官は12日午後の会見で、イラクの退避勧告に関する「スポット情報」を「13回も出してきた」と説明。その上で「外務省の同僚は命をかけて情報を収集・分析し、国民に知らせているのだ」として、そうした"命がけ"の情報に従わなかった3人にも、相応の責任があるとの考えを示しました。

皆さんはこの事実をご存じですか?マスコミは大きくこの発言を取り上げなかったために、恐らく印象に残っていないと思います。残念ながら今回の3人は日本国民としての義務を果たしていません。その上で事件に遭遇した途端にマスコミも被害者家族も「国民の生命、財産を守るのは政府の最重要課題」と「権利」ばかりを大声で叫んでいます。

そして日本赤軍による日航機ハイジャックが起きた昭和52年9月のダッカ事件を引き合いに出して「人の命は地球より重い」との故福田首相の言葉を引用します。しかしハイジャック事件で被害にあった乗客には何の落ち度も無く、堂々と権利を主張出来る立場であったことを忘れてはいけません。まさに政府は万難を排して「国民の生命、財産を守る」義務があったのです。

さすがに被害者家族は事件発生当初のような高飛車な権利ばかりを要求する発言を控え、ひたすらお願いするトーンになって来ています。「権利と義務」の重要さを認識したのでしょう。しかるに大部分のマスコミはこの「基本中の基本」を主体に報道していません。久米宏の後番組である古舘の報道ステーションなどは報道番組としての体をなさない低俗なワイドショウに墜ちてしまっています。初回の不評を必死になって挽回しようとの意図は間違っていませんが、視聴率の回復に力点を置くために、報道番組の基本からそれて、どんどん低俗化して行きます。本当に困ったことです。

さて前回の藤原通信に対しまして多くの読者の皆様から熱いメーッセージを頂戴しました。その中からペンネーム「環」様からのお便りを紹介して今号を締めくくりたいと思います。 

−−−−−−−−−−−引用開始

藤原様もお気づきでしょうが一般マスコミが書かないもう一つの側面があります。それはイラクに赴いた3人の自己責任です。各都道府県のパスポート申請窓口、各空港国際線乗り場などに明記されていますが、イラクは渡航制限地域に指定されています。事実上の渡航禁止区域です。つまり日本国家が日本人の安全について保証できない地域なのです。いわば国家権力から離れた場所、といえるでしょう。「渡航を全面禁止はしないが、国は面倒を見れない」場所なのです。

 3人ともこのことは十分承知していたはずです。つまりイラクに行くことは日本国の庇護を離れることなのです。それを承知の上で渡航したわけでから、日本政府としては3人の救出活動は国家として建前上は不要なことなのです。

 おまけに捕まった3人はその引き換えに自衛隊の退去という難題まで作ってしまいました。国に対し大きな迷惑を掛けたわけです。日本国としては3人が焼殺されようが銃殺されようが知ったことではない。行くな、というところに勝手に行って、捕まれば「国に助けてくれ」はないのです。もちろん「助けてくれ」は本人から出ているのではなく、家族からですが。

 このことをきっちり理解した上で報道していかないと、捕まった3人は悲劇の英雄になってしまいます。日本人のメンタルな性格から「自衛隊を撤去して3人を救え」という意見も出ていますが、自衛隊派遣問題と3人の救出とは次元が違うのです。私個人としては自衛隊の派遣は反対ですが、いったん出してしまったのなら目的は完遂すべきです。3人がどうなろうと自己責任ですから放っておけばいいのです。

 ただ日本人であることには間違いのないことなので外交努力や犯人との接触努力は必要ですが、自己責任という観点を忘れないでほしい、ということです。本来なら藤原様に訴えることではないのですが、こういう見方もある、ということを知ってほしいのでメールを差し上げました。日本人の甘え性は度し難いものがあります。

−−−−−−−−−−−引用終わり
 

メディアはテロリストの手先か? イラク人質事件 4/12

イラクでの日本人人質事件はメディアの役割について深く考えさせられる機会を我々に与えてくれました。

まず中東のテレビ局「アル・ジャジーラ」はテロリストの代弁者の役割を今回は演じました。テロリスト集団は対外的な発表の手段を全く持っていませんでした。それが「アル・ジャジーラ」がビデオテープを放映することにより、一躍強力な影響力を世界中に示すことが出来ました。もしメディアがこの種の情報を全く取り上げることがなければ、テロリスト集団が世界に訴える手段を持たなかったことは明白です。

日本における誘拐報道を考えてみればすぐ理解出来るはずです。誘拐事件が発生した時は人命第一の観点からあの興味本位のマスコミですら事件解決までは一切の報道を自粛します。情報が公開されるのは事件が壁にぶっつかり情報を公開したほうがより解決に近い場合にのみ情報公開がなされます。

今回のテロリストは最初、放映されてから三日間の時間制限をしました。少なくとも3〜4日間、報道をしなければ、もっと有効な捜査ができたはずです。まさに「アル・ジャジーラ」はテロリスト集団と一緒になってテロリストの情報発信源となって大活躍した犯罪者集団であると断罪する声がどうして起こらないのでしょう。事実その後も「アル・ジャジーラ」はテロリスト集団のスポークスマン(交渉代理人)のごとき役割を演じています。

次に日本のメディアです。彼らはテロリストのまさに「思うツボ」の行動をしました。「アル・ジャジーラ」に負けじと報道をエスカレートさせて「日本人は脅迫に弱い」という印象を世界中にばらまいてしまいました。アルカイーダなどのテロ集団に格好の武器を与えてしまったのです。

テロリスト集団の狙い通りに「自衛隊のイラクからの撤退」のムードを日本国民の間に醸成させてしまいました。これこそテロ集団が最も強く望んでいたことです。日本国民の心の中に「自衛隊派遣」について逡巡する気持ちがあるのを、テロリストの狙い通り「拡大・増幅」する役割を立派にマスコミは果たしました。

この意味では日本のマスコミは「テロリスト集団の強力な広報宣伝媒体」に成り下がったのです。彼らは真実を報道するのが自分たちの役目と反省の色も恐らくは見せないでしょう。しかし連日連夜このような激しい報道合戦でテロリスト集団の意図通りの「自衛隊撤退の声」を恐ろしい勢いで増幅させています。テロリストが「一」言えばそれを「十」に増幅させ、それに同調する日本人の声を発掘する役割まで演じているではありませんか。テロリストにとってはまさに理想的な展開です。

日本の国益を考えれば、マスコミは「テロに屈するのは世界に暴力の連鎖を許すこと」との一大キャンペーンで埋め尽くすべきであるのです。暴力団の実例を考えれば良く分かります。彼らは強い所は攻めません。立派に投資効果を考えて行動します。「労多くして益少ない」ことはばからしくてしないのです。脅しに屈する善良な市民は暴力団にとって格好の餌食です。日本はそのような弱い国であることをマスコミは立証しました。

繰り返しますが今回の事件で「日本人は脅迫に弱い。特に日本のマスコミはこぞって人命第一で政府に迫ってくれる」ことを世界中に訴えました。今後このような犯罪が発生したら誘拐事件のような報道自粛をするべき時期に来ているのではないでしょうか?
 

どうした民主党! 審議拒否をしている場合ではない! 4/09

現在政局はベタ凪(なぎ)状態であると言われています。毎日の新聞・テレビにも国会に関することが取り上げられることが極端に少なくなりました。しかし現在国会は道路公団民営化法案と年金法案という重要案件が審議中です。

あせりを感じた民主党が小泉首相の質問に対する回答が不十分として今週は国会の審議拒否をして、自民党の横暴と民主党の健闘ぶりを国民にアピールする作戦に出ました。しかしながら多くの国民は国会が審議拒否にあっていることすら気が付かないくらいの注目度です。あきらかに民主党の作戦負けではないでしょうか?

道路公団民営化法案は藤原通信で何度も取り上げていますが、芸術的にまで巧妙な官僚による骨抜き作業にあって風前の灯火(ともしび)です。特に重要なのは猪瀬直樹氏の指摘する、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構による莫大な借金の返済方法です。

猪瀬直樹氏は小泉首相が「長期固定、元利均等払い」を約束したので、私たちの住宅ローンのようにキチンと返済されるから、改革は大成功だと言っていました。しかし肝心の法案には「45年で債務を返済し、機構は解散する」としか記載されていません。あとは返済計画を立ててそれを国交省が認可することになっています。まさに骨抜きがここに完成しようとしているのに、民主党は一体何をしているのでしょうか?政府の法案の不備を顕在化させる絶好のチャンスを逃しつつあります。

石原国交省大臣は道路公団民営化の審議が難航すると言っていたのに、毎日の新聞・テレビには全くこの話題が登場しないではありませんか。

また年金法案については民主党の案が出来たので、審議拒否を解除して国会で論戦を闘わせると言っていますが、その前に役人の年金無駄使いを大きくクローズアップさせる予定では無かったのかと、強い失望感を抱いています。国民年金CMの問題やら、5兆円以上の年金が年金以外に使用された事実等、民主党には長妻議員のように地道に問題を掘り下げている人もいます。

どうして社会保険庁長官を国会に証人喚問しないのでしょうか?年金役人の無駄使いを徹底的に明るみに出して、その根源を断つまでは年金審議に入らないくらいの不退転の決意での国会審議をどうしてしないのでしょうか?審議拒否などで時間を浪費するのは誠にもったいないことではありませんか。

絶対多数の原理が働く国会では民主党がどんなに頑張っても限界があります。参議院選挙を控えた今こそ、国民の官僚に対する不満を背景に、官僚の無駄使いの実態を暴露して、「この問題を解決しないと参院選に敗北するのでは」という危機感を与党に与えなければ民主党の存在感はありません。

ほんとうに「どうした民主党! 審議拒否をしている場合ではない!」と大声で叫びたい気持ちです。
 

読者の声に励まされて 4/07

最初は軽い気持ちで始めた藤原通信も回を重ねるごとに次第に力が入って、独断と偏見の部分が多くなってゆく自分に気になっています。そのような時に、読者の皆様から頂戴するメールはとても励みになります。私の意見に賛同するメールや異なった見解を述べて頂くメール、時には厳しいお叱りも頂きます。

このような読者の皆様からのメールに支えられて、また気合いを入れて藤原通信を書く意欲が湧いてきます。とても感謝しております。

さて前回内堀様のメールをご紹介しましたら、早速ご意見を頂きました。このかたはいつもご意見を頂く常連様で、終戦まもなくの日本の事情を良くご存じのご婦人です。内堀様のご意見に対するご感想をお寄せ頂き、私一人で独占するのももったいないと思い、強くお願いして掲載許可を頂きました。

このように藤原通信を中心に、日本を強く思う人々の輪が広がることは無情の幸せです。この機会を借りまして皆様に厚く御礼申し上げると同時に今後も一生懸命頑張りますのでよろしくご指導をお願い致します。

−−−−−引用開始

内堀様のご意見全くだと思います。日本人は何時からこんな無責任な国民になったのでしょうか。こんなに平和が日本では続いているのに、何時まで儲け主義で倫理感を欠いた商売をしているのでしょうか、昔の事を言いますと変な目で見られるかもしれませんが、昔は貧しくても、もう少し心は暖かかったのではないかと思います。

官僚にしましても、一般企業のサラリーマンよりサラリーは少なかったようですが、戦後のようなひどい汚職はあまり聞きませんでした、今は何かが狂ってしまったような気がします。

商売の王道はいかに客を喜ばせ、楽しませ、客の安全を守り最後に自らも利益を得るというものではないかと、思うのですがどうもそれは理想論で現実は、いかに多くの利益を上げるかが第一で、よそより少しでも多く儲けるかに腐心し、あげくに不利な物は蓋をしてごまかすという構造になってしまったように思います。三菱自動車のリコールなど良い例です。

貧しくても健康な体と精神を持っていれば人間として本当に幸せではないかと私は思います。人間は神様より与えられた気高い魂をこの世に生きている間により高めていかなければならないのに、ますます汚してしまい肉体を失ってしまった時に神様の元に帰れなくなってしまうなど、本当にもったいなくて残念な事だとおもいます。

現在は情報があふれインターネットを開けば世界中のニュースも瞬時に解ります。世界ではいたるところで紛争があり、あきれてしまいます。日本は第二次世界大戦を経験し戦争の悲惨さを味わいました。どんなに言葉を尽くしても戦争が悪であることには変わりません、日本人はあれだけの大きな苦しみを味わい戦争は再びしないと誓いましたが、それもだんだん怪しくなってきました。

話がそれてしまい申し訳ありませんが、羊たちの沈黙のように諦めていては、何も始まりません。やはり我々一人一人がしっかりと政治を監視し、マスコミに欺かれないで、正義に対して団結していかないといけないと思います。

あと省略−−−−−引用終わり
 

読者の声 自動回転扉事故  4/05

やはり身近な出来事のせいでしょうか、読者の皆様から沢山のメールを頂戴致しました。その中から内堀啓助様のメールを皆様にご紹介致します。特に後半の部分について皆様にも色々なお考えがあると思い、是非最後までお読み頂きたいと思います。

引用開始−−−−−

今回の自動回転ドアの事故については、起こるべくして起こったという感じです。誰かが犠牲にならなければ、事が解決しない(事に着手しない)という典型的な日本の例です。

リスクを事前に察知して回避するという考えがない(言い換えれば利益が上がらな い、もっと言えば自分の出世に関係ないことには極力無関心)、経済(出世)一辺倒の発想が、招いたことです。これも役所をはじめ、日本社会の発想そのものです。

小生はサラリーマン時代に役所相手の仕事をしておりましたが、仮に若いやる気ある部下が、事前に危険を察して上司に進言しても、解決しようとすることが、逆に「やぶへび」になりかねないので、無視されたケースをよく見ました。

今回驚いたことは、森ビル、管理会社、三和シャッターの過去の事件に対する認識 が、夫々異なるということです。一体、子供の事故を何だと思っているのか。まさか、わざと混乱させて、事をあやふやにし、さらに責任の所在をあやふやにさせようとしているのではないかと、変な心配をしてしまいます。

社長が葬式に行って断られた云々ではなく、すみませんと頭を下げるべきです(ありえない話ですが)。

この事件は、リスク回避(事前事故防止)の問題と同時に、道徳の問題も関係していると思います。2つは根本でつながるかも知れません。

道徳とは何かという議論もあるかと思いますが、これだけでも相当な議論になるので、一応、新明解辞典(三省堂)によると「社会生活の秩序を保つために、一人一人が守るべき、行為の基準」とあります。この行為の基準が今日の日本人にはあるのでしょうか?

欧米にはキリスト教があり、韓国は儒教でしょうか。イスラム圏はイスラム教。日本は何でしょうか。仏教でしょうか。戦前は儒教でしょうか。または軍国主義的な行為の基準があったかもしれません。しかし戦後は、これといえるものがないような気がします。

しいて言えば、経済至上、立身出世(出生)が基準でしょうか。せめて家族でしっかり教えているでしょうか。基準がないというのは、いい時もあるでしょうが、見方によっては不安定というか、危険です。これについては、別の機会で考えてみたいと思います。

社会秩序を保つために、人間の(性悪な部分の)行動を押させる道具として法律が機能していると思います。それでは法律で裁かれなければ、何をやってもいいか、というとそうではないと思いますが、それを自分の都合のいいようにうまく利用しているのが、日本人の生き方になりつつあるような気がします。やはりモラルは必要です。理想的な社会は法律は必要がない社会だと思っています。裁判も不要です。

今回の事件の前に32件の事故があったようですが、せいぜい足の怪我だったので、大丈夫だろうとの一種のおごりがあり、せっかく多額の金をかけて完成したばかりなのに、わざわざセンサーを改修するとか、別のタイプに換える必要もないと考えていたのではないでしょうか?小生も担当であれば、そう考えるかもしれません。しかし、いつか死亡事故につながるかもしれないという恐れがあれば、例え自分の身に降りかからなくても、当事者(親や子供)の立場になって、真剣に検討するべきだったと考えます。三菱地所などは正直言って、自分のとこでなくてほっとしいていると思います。

本件は、「道徳」という考えからも、この際、徹底的に責任の所在を突き止めるべきと考えます(朝日新聞的な考えですが)。但し、別の見方から、お子さんに同行していたお母さんにも少しは後悔があると思います。マスコミは例のごとく被害者に同情していますが、冷静に考えれば、自動回転ドアは見てのとおり、大変重量感もあり、センサーがあるとは言え、一度回り始めたら、急に止まれないであろう事は想像つくことです。ご家族には、同情申しあげますが、しっかり手をつないでいればという思いもあるのではないでしょうか。やはり、まわりには危険が多く、自分たちの身は自分で守るという、気持ちも必要と思います。

別件で、以前鳥インフルエンザで、浅田の会長が自殺して、マスコミの取材に目に余るものが、あったようですが、会長か、社長のどちらが責任を取るべきかは、わからないのですが、仮に浅田農産船井農場ということで考えると、正直言って、小生は自殺に同情はしませんでした。やはり浅田農産の行為は明らかにモラルを逸していたと思います。社長の言明の「まさかインフルエンザと思わなかった」といういい訳は、食品を扱っている以上は、通用しません。仮にその発言が事実であれば、その養鶏場は営業停止にすべきです。

中小企業がこの不況で、経営が大変だということは、小生も理解しているつもりです。しかし一方で、見つかったら知りませんでしたで通そうと考えている会社も実際たくさんあります。役所の定める不合理な規制がそれを加速していることもまた事実だと思いますが。事件にならないだけで、だれがババを引くかという世界です(話が抽象的ですみません)。

内堀啓助
 

週刊文春逆転判決  4/02 

週刊文春の田中真紀子代議士長女をめぐる記事について東京高裁は一審判決での差し止め命令を取り消す逆転判決を決定しました。当事者であるマスコミ業界はこぞって「最低限の良識を司法は守った」と歓迎しています。しかし東京高裁も「記事には公益性がなく長女のプライバシーを侵害している」と明確に認定しています。

過去にもゴシップ記事を巡って何度も賠償命令がなされていますが、マスコミ側には全く反省の色もありません。賠償命令が出されていると言うことは明らかに記事に違法性があることになりますが、それでもこの種のトラブルが一向に減少しないということは「罰金と儲けのどちらが大きいか」との判断で平気で違法行為を行う編集方針にあるとしか思えません。

司法の世界でこのような悪質なマスコミにこれ以上罰を与えることが出来ないとすれば、出版社が一番困る「出版差し止め」しか方法が無いのです。今回の差し止め命令は命令が出ていた時点で雑誌の発送が大部分完了していたためにむしろ大きな宣伝効果となりたちまち完売したのは皮肉としか言いようがありませんが・・・

浅田農産のように一般市民が問題を起こすと、司法の判断が出る前に、中小企業を叩きのめして再起不能にするマスコミが自身のこととなれば、誰もこのような違法なことをしでかした出版社の息の根を止めることが出来ないのは誠に不公平ではありませんか。この辺でマスコミも少しは反省して欲しいものです。しかしマスコミは全く懲りない実例をこれからお話しましょう。

視聴率不正操作問題を引き起こした日本テレビの氏家会長が日経ビジネスの「敗軍の将兵を語る」で述べている内容に愕然としました。そこには全く反省の色もありません。そのいくつかの言葉を引用します。

「視聴率が売上げにつながっている以上、視聴率が力を持つのはどうしようもないんだよ。結局買い手の尺度が視聴率だから・・・」「つまり買い手の意識改革が起こらないかぎり視聴率というものは構造的に力を持ち続けるんだな。何もかも悪いのはメディアというふうになっているけれどね」

あげくの果てに「視聴率の問題はうちだけじゃあない。うちはたまたま業績も視聴率も良いから叩かれた。日本人は一位については叩くものなのだ。うちが視聴率3位くらいだったらこれほどまでに叩かれない。日本の資本主義は嫉妬資本主義なんだ」等々全く反省の色もない言葉が次々と出てきます。これでは必ず不正操作問題も再発するでしょうし、やらせ問題も絶えることがないでしょう。

視聴率不正操作問題以降もサブミナル問題とか「やらせ」とか色々日本テレビは問題を起こしています。これに対しても「要するに制限速度50キロのところを55キロ出すようなものだ。他局でも買ってきた魚を釣ったように見せるのは良くあること。しかし報道番組でこれをやってはいけないから謝った。法律違反は法律違反だから、社内では55キロでも駄目だよと言い続けるしかないんだ。」 テレビ業界トップが「報道の不公正さ」に対してかくも甘い態度だとは、呆れて物も言えません。

さらに公私混同についての発言は目を疑いました。「これはダメだという伝票の中にはいじらしいものもあるんだよ。飲み屋に行って2万円飲むと1万円ずつ分けて別の日にするとかね。何十万というカネを横領するわけでも何でもない。いじらしいけれど、これも50キロと55キロとの差と同じもので、法令は順守しなければいけない。」まさに問題を起こした日ハムや雪印よりもっと悪い精神構造ではありませんか。

テレビ界トップの会長が、しかも不祥事を起こした反省がこの程度では、マスコミに「報道の自由」だとか「表現の自由」などと叫ぶ資格があるのでしょうか。このような発言を不祥事を起こした一般企業のトップがしたならばマスコミは狂ったように企業を叩きのめすのにと無力感が漂います。

現在のようにマスコミが態度を改めないで権力にあぐらをかき続けると、いつかは厳しいしっぺ返しに会い、戦前のような報道の自由を奪われ、国民は知る権利を奪われます。自分で自分の首を絞めるような行為を自らが改めるべきです。

日本を滅亡から救うには「官僚支配からの脱却」にあわせて「マスコミ支配から脱却」が絶対的に必要です。

ビジネス応援団>藤原通信>藤原通信2004年4月号