藤原雄一郎の経営最前線
藤原雄一郎の時事通信 2003/09
教育の大切さを思い起こせ 9/30
常識では考えられない犯罪、特に未成年の凶悪犯罪が多発しています。この現象を私は独断と偏見を込めて「戦後日教組教育が馬鹿な親を作ることに成功し、馬鹿な親から教育を受けた子供達が思いも寄らない犯罪を引き起こしている」と説明しています。もちろん激しい非難を受けることは承知の上です。
戦後教育で一番欠落している点は「これだけは守らなければならないこと」を子供達に徹底しないことです。事柄の善悪は別として、例えば国旗、国歌の問題で、先生が「大人達の考えは間違っている」と教え込み、例えば卒業式で校長の指示に反して、先生が率先して国歌を歌わない状況を見て、子供達は「世の中で決められたルールを守らなくても良いのだ」と身をもって教え込まれます。
そうすると次第に「ルールとは守らなくて良い物」との認識が行き渡り、結局良いことと悪いことの見境がつかなくなってしまいます。事実、小中学生の間には自転車泥棒を全く罪の意識無く実行している事例が多々あります。このような小さな犯罪がやがてとんでもない犯罪を引きおこす温床になっていることは疑う余地もありません。
私たちは今一度原点に返って、学校、家庭、社会のいたる所で「これだけはやってはいけない」倫理観の確立を急がなければなりません。ましてや興味本位で事件物を大々的に取り上げるマスコミは亡国を加速する愚かな行為をしていると自覚して欲しいものです。
どこまで本気か?民主党の脱官僚 9/28
総選挙を目前に、民主党は盛んに政策を国民にアピールし始めました。政権を取った場合には本気で「脱官僚」「政・官・財」の癒着の打破を実行すると言っています。
「政・官・財」の癒着こそ既得権益の最大の旨味ですから、民主党が政権をとれば、既得権益を徹底的に破壊して、自分たちに旨味のある仕組を作り上げなければ、権力を握った意味がありませんから、本気でやるでしょう。
しかし「脱官僚」を本当に真剣にやるのでしょうか?民主党は官僚の代表である各省庁の次官ならびに主要局長に一旦辞表を出させ、民主党の政策に賛成の人間だけを再雇用すると言っています。まさに米国方式です。また大臣の席を官邸に置き、予算編成も官邸主導の省庁縦割りからの打破など、新機軸が盛りだくさんです。
いま最も大切なことは「官僚支配からの脱却」です。自民党では抜本的改革は到底無理ですから、民主党が本気で改革を実施するなら、やらせて見たい気持もします。「どうせ政権交代はないのだから」と威勢の良い出来もしない案を打ち出すことの無いように祈ります。
一番望ましいのは、民主党案に触発されて自民党が真剣になることですが、それは無理な話でしょうか・・・・
麻生総務相、郵政民営化ではや不協和音 9/26
麻生総務相が新聞に郵政民営化について否定的な話をして、あわてて打ち消す騒動が起こっています。郵政民営化については言葉だけが先走り、一向に中味が見えて来ません。郵便事業へのクロネコヤマトの参入等、郵便事業ばかりが注目されますが、本当は郵貯・簡保事業のほうが問題です。
特殊法人がどうして放漫経営を続けることが出来るかと言えば、その元凶は郵貯・簡保です。財政投融資という名前で郵貯・簡保でかき集めたお金が特殊法人になだれ込んでいます。特殊法人の放漫経営を止めさせるには「兵糧攻め」が一番です。そのためには「郵貯・簡保を廃止か民営化する」のが一番の早道と言うのが小泉思想の根底にあります。
郵貯・簡保のお金は合計すると四百兆円にも達する巨額な規模です。銀行で最大のみずほの二倍、生保で最大の日生の三倍もの巨大な額で「山より大きな獅子」なのです。このような天文学的規模の郵貯・簡保を放置していると大変なことになります。
郵便事業は民営化しなくても良い。郵貯・簡保を廃止して特殊法人への兵糧を断てば、日本は良くなります。我々庶民は貯金の先を失いますが、郵貯・簡保の利子は結局、私たちの血税でまかなわれているのですから(特殊法人に毎年赤字補填五兆円。これが利子となって私たちに還元される)馬鹿馬鹿しいかぎりです。このような本音の議論を小泉総理は国民にするべきです。
官僚支配からの脱却を 9/25
自民党総裁選も終了し、衝撃の安部幹事長の登場と内閣改造で、自民党は盛り返しました。日経新聞の世論調査では内閣支持率65%と前回より20%もの大幅上昇、毎日新聞でも同じく支持率65%と躍進しています。
次はいよいよ総選挙での民主党との決戦が待っています。民主党は「官僚支配からの脱却」を大きく訴えています。堺屋太一氏も「官僚支配が日本を駄目にした」と叫んでいます。まさに官の世界のムダ使いを徹底的に排除しなければなりません。
民主党のマニュフェスト草案には公共事業の大幅削減と、地方への税源移譲や用途を指示されない一括交付金での地方分権を主張しています。この二つはまさに官僚支配の権力の源泉です。もし民主党が本気でこの政策を遂行すれば、日本の政治は大きく変わります。官僚支配からの脱却の突破口になります。
官の世界の代表である特殊法人による放漫経営の穴埋めとして毎年五兆円もの血税がムダに浪費されてきたことを、私たちは決して忘れてはいけません。年金、医療などの破綻は目前です。その財源として消費税のアップは避けられないとの前提に立って、消費税アップまでに是非、官の世界のムダ使いを徹底的に追放しなければなりません。
その意味で民主党には本気になって頑張って貰い、総選挙の大きな争点として「官僚支配の弊害」をクローズアップして、多くの国民に「官僚による税金ムダ使い」の実情を植え付けて欲しいのです。そして小泉政権も本気でこの問題に取り組まなければならないように追い込んで欲しいと思います。
ポスト小泉を争う三人 9/24
今回の党ならびに内閣改造で小泉首相はポスト小泉への布石を打ったと言われています。それは世間をアッと言わせた、私の応援する安部幹事長。それに麻生総務相と谷垣財務相だそうです。その他にも石原国交相、石破防衛庁長官、茂木大臣、中川経産相などの若手を起用しています。
民間企業でも、若手登用は時代の流れになっています。年功状列の典型である自民党政治に、このような民間思想の息吹を吹き込んだ小泉総理には拍手を送りたい気持ちです。
問題は活躍の場を与えられた若手がいかにチャンスを掴むことが出来るかです。政治でも経済の世界でも、与えられたチャンスは一度しか無いと心得て、必ずチャンスを物にする不退転の強い意志を持った人物だけが生き残ることが出来るのです。そのためには日頃から、一段も二段も上の立場での広い視野に立った思考訓練を自らに課すことです。
そして絶対にブレない自分自身の哲学を早くから確立しておくことです。石原国交相も谷垣財務相も前の内閣ではさしたる成果をあげていないのに、今回の抜擢です。石原国交相に至っては「藤井総裁更迭」のお土産つきではありませんか。いささか過保護だと思いますが、これで成果をあげることが出来なければ、将来は無いと心得て、自分自身の信ずる道(そのようなものを持ち合わせているかサッパリ見えませんが)を突き進んで欲しいものです。
小泉改造内閣発足 うまい、でもずるい 9/23
23日の朝日新聞の社説を見て思わず笑った。「うまい、でもずるい」と書いてあり、全く同感だと思いました。小泉総理も二年以上の激しい戦いで、その手腕に円熟味が加わったと強く感じました。
麻生総務大臣には次期総裁のエサをちらつかせ、郵政民営化と地方分権に邁進させる。石原国交相には、道路公団民営化に邁進させる姿勢を国民にばらまきながら、チャッカリと、亀井と組んだ石原新党に強い牽制球を投げる等々、随所に「三度の飯より政局が好き」の小泉流がちりばめられています。
私自身、小泉総理に「改革へ向けての不退転の決意と実行力」があるとは思いませんが、今回の内閣改造で竹中大臣を留任させ、小泉在任の間は、バラマキ放漫財政はさせないとの布陣を敷いたことを評価しています。
橋本、小渕、森内閣の放漫財政が日本経済の産業構造変革に大きくブレーキをかけたことは明白であり、小泉政権の二年間、散々悪口を言われながらも、少しではありますが、明るい兆しが見えて来ました。ここで一挙に積極財政に打って出れば、恐らく見かけの景気浮揚には役立つでしょうが「のど元過ぎれば熱さ忘れる」の諺通り、産業構造変革にまた立ち後れてしまいます。
大切な経済政策をコロコロと変えないことが重要だと思います。そして近い将来の消費税アップに備えて、政治と官僚の世界の税金のムダ使いを徹底的に排除しなければなりません。皆さんの強い関心がそれを可能にします。
安倍幹事長 ガンバレ 9/21
私事で恐縮ですが、私が現役時代、安倍代議士とは年に数回、言葉を交わす地位にいたものですから、かげながら安倍代議士を応援していました。その安倍さんが今回異例の抜擢で幹事長就任とのニュースを聞いた時には思わず飛び上がるほど興奮しました。小泉首相の凄い人事だと思います。
安倍さんは森、小泉内閣で官房副長官という極めて重要な職責で、随分と勉強したのでしょう。私の知っていた安倍さんとは別人のように大きく成長しました。首相の海外訪問に随行し、幾多の修羅場を目撃したことが、成長の大きな要素となったことだと思います。まさに「人は修羅場を経験した回数で成長の成否が決まる」ことを文字通り立証しています。
党三役人事の堀内、額賀、安倍の組み合わせは絶妙です。小泉首相は人事の冴えを存分に発揮しました。この調子で組閣して欲しいものです。人事というものが大切と、しみじみ感じました。
さて異例の若手幹事長の登場で、前任者の山崎幹事長以上に、党内で、サンドバッグのごとく、ボカボカに叩かれることでしょう。この苦しみを耐え抜いた時、父親の果たせなかった総理、総裁への道が開かれると思います。前途は誠に多難だけれど、ガンバレ!安倍幹事長!
安部晋三ホームページ http://www.s-abe.or.jp/
自民党総裁選:小泉圧勝の意味 9/20
予想通り、自民党総裁選は小泉候補の圧勝で幕を閉じました。「政策より政局が三度の飯より好きな小泉候補が巧妙に仕掛けた策が成功した」とか、「主流派による旧態依然の派閥締め付けが成功した」とか色々勝因が取りざたされることでしょう。
従来の自民党なら、派閥基盤の弱い小泉候補は、「自民党の数の論理」から言えば再選は無理であったと思います。しかし「国民の支持率の高い小泉候補を引きずり降ろして自民党は一体どうするつもり?」との素朴な国民感情があったのも事実です。
自民党総裁選での小泉候補圧勝は「もはや旧来の数の論理では総裁は選べない」ことを意味しています。私たち企業サイドの人間が心しなければならないことは「市場の声に耳を傾けないと企業の存立が危うい」時代になったことの認識です。
「良い物は必ず売れる」との供給者の論理から「市場の求める物しか売れない」との消費者の論理に完全に時代は変わっていることを、改めて肝に銘じなければなりません。評価は消費者がするのです。ここのところを間違えてはいけないと思います。
さて自民党も完全に脱却しきれていません。今後すぐに明確になる人事で「自民党という商品」が市場に受け入れられるかが明確になります。注目しましょう。
お詫び:19日から20日朝にかけてサーバがダウンしました。ご迷惑をかけ申し訳ありませんでした。
まだわからない?公共事業は失業対策400兆円の資産はどこへ? 9/17
自民党総裁選もいよいよ大詰めを迎えつつあります。政治の世界は「一寸先は闇」ですから、20日が終了しないと結論めいたことを軽々に言うわけには参りません。。しかし自民党総裁選が一向に盛り上がらないことは明確です。その理由の一つに、反小泉勢力の論調に全く新味が無く、旧態依然の自民党体質での論戦に、国民はうんざりしていることがあります。
現在最も重要なのは、もちろん、国内経済政策であることに異論はありません。それが反小泉勢力の「景気刺激策として公共事業中心の積極財政」一本槍では、世間の注目を浴びないことは当然です。
なぜ公共事業中心の積極財政が問題かと言いますと、過去の橋本、小渕、森政権での公共事業の大盤振る舞いで、結局のところ、日本経済不振で生じた「余剰労働力の受け皿」として建設業を位置づけてしまったことです。
公共事業が、その必要性から行われるのでは無く、公共事業を「公共事業すなわち失業対策」としての性格に政治が無理矢理変貌させてしまいました。そのために未来永劫公共事業を投入しなければ生きて行けない多くの人々を生み出してしまいました。これでは700兆円の借金は際限なく膨張するしか方法はありません。
このようなことが明確であるにもかかわらず、積極財政を唱える以外新味のない反小泉候補に、日本国中が沸き立つはずもありません。政治と官僚が支配する世界は完全に思考停止してしまいました。嘆かわしいことです。
1400兆円の資産はどこへ? 9/15
自民党の総裁選もたけなわで、各候補は懸命の訴えをしています。その中で某候補は「積極財政で借金が嵩んでも、日本には1400兆円の資産がある。これを有効に使えば良い」と叫んでいます。とんでもない話です。今までの放漫経営で国と、地方は総額700兆円の借金をかかえ、これまた放漫経営の特殊法人は、郵貯・簡保を中心に300兆円の借金を抱えています。
民間銀行の不良債権処理で、すでに100兆円がドブに捨てられました。これらのお金はどこから来るのでしょう。それこそ某候補の叫ぶ日本国民の金融資産1400兆円に他なりません。日本国民が汗と涙で蓄積した貴重な資産が、このままの政治と官僚の世界の放漫経営が続けば、無くなってしまいます。
国民はだまされてはいけないのです。
自民党総裁選:野中氏に見る時代の流れ 9/12
9月12日の朝日新聞の社説に次のような記述があります。
引用始め
「退路を断ち、小泉政権を否定するための最大の闘いに燃焼し尽くしたい」と、何とも大時代な言
い回しだった。捨て身で同情を買い、反小泉勢力を勢いづかせられると本気で考えたのだったとし
たら、それは勘違いとしか言いようがない。
引用終わり
世の中が大きく変わり、もはや派閥次元で物事を決める時代は過ぎ去り、広く国民の声を聞かなくてはならない時代に、いまだに昔の派閥的思考を金科玉条として、一人「裸の王様」でいる野中氏。
高度成長時代の思考を未だに引きずって、時代の流れに抵抗する、企業の経営者の姿と二重写しになってしかたがありません。人のことは良く理解できても、自分だけは別だと思っている。自民党に見るごとく、あなたの会社もとっくに「賞味期限」が切れていると考えなければなりません。野中氏や自民党守旧派のように、時代の流れに取り残されないように、自分自身を見直して下さい。