~U.P.R.F Research Data File~
地球が持つ唯一の衛星、月(MOON)。その月が、通常に比べて異常に大きく、また、違った色に見えたという経験が、あなたにはないだろうか?
一体なぜこのような現象が起きるのか? まず考えられるのは、月が大きく見えるという点から「月が地球に近づいているのではないか(仮説1)」ということである。しかし、これが正しいとなると、我々は毎晩大きい月を見るということになるが、そのようなことはない。よって、仮説1は考えにくい。
また、月について調査した結果、月は地球を中心に真円を描いて軌道しているわけではないことが判明した。月と地球との距離は約380000kmと言われているが、この距離は常に一定というわけではない。月は楕円軌道をしており、近いときで約356400km、遠いときでは約406700kmと、なんと50000kmもの差があるのだ。つまり、地球に近づく時もあれば、逆に遠ざかる時もあるということである。では「月が大きく見えているのは、月が地球に近づいている時ではないか(仮説2)」。
しかし、距離による大きさの差は、写真に写して双方を比べてみないとなかなか気付きにくく、その上、はるか上空にある月の大きさの変わり具合を肉眼で確認するのは、まず不可能といってよい。よって、この説も考えにくい。
では、我々の見る月が大きく見えるのは、一体なぜなのだろうか? 更に調査を進めると、意外な答えが我々のもとに飛び込んできた。なんと、月が大きく見えるのは、我々の目の錯覚、つまり、錯視だというのだ。
錯視/OPTICAL ILLUSION
ご存知のように、人間は外界からの情報を、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感を通じて得ているが、そのうちの1つ、視覚における錯覚、それが錯視である。具体的には、物体の形や大小・色彩などが、違ったものや歪んだ形として知覚されることを言う。
錯視は見たいものの近くに誤った知覚を引き起こす要素が存在することで起こるのだ。月の場合は、周囲の建築物が比較の対象となって、見え方が通常と異なるのである。事実、月が大きく見えるのは、月の出からそれほど時間が経過していない、東の低い空にある時だけである。
(なお、違う色に見えるメカニズムについては現在調査中です。有力なデータが入り次第、追って報告いたします。)