364日間の不安と焦燥



「今日は7月7日だね」
「ああ」
「だから会いにきてくれたのか?」
「さあな」
「あなた、意外とロマンチストだもんね。宇宙へ来れば天候など関係ない、なんて言いそうだけど」
「もともと天気など、私に関係のないものさ。私はいつだって、好き勝手にする。君も知っているだろう?」
「まあね」

 そうだ俺は知っている。これが夢であることを。夢というのはとかく自分に都合よくできているものだ。すべては俺の願望をあらわしている。眼が覚めたらシャアがいて、俺に笑いかけ、なにげない会話を交わす。部屋にひとりでも孤独ではないたしかな存在感。あなたがいなくなった今でも、記憶に、身体に残っている。

 いつか、忘れてしまうだろうという恐怖と戦っている。俺の、だからこれは夢。



おとぎ話第4弾。
「七夕」でアムシャア。
CCA後、シャアが死んでアムロが生き残ったパターンです。