ホームレス支援員会は現在、10数名のメンバーで、2002年度以来、広島、呉、福山の地域で、地域住民、ボランティア、行政、介護福祉士会、看護協会、社会福祉協議会等と協働で、夜回り、くつろぎ・入浴サービスを通して路上脱却支援を目的に、ホームレス者の支援を行っています。厳しい労働生活を経験した方、生活に必要な社会資源および社会関係を持たない方、障害のある方、多重債務、ホームレス・ウーマン、社会保険・社会福祉のネットからこぼれてしまっている方、その中にあっても自尊心を持って懸命に生きておられる姿。就労への支援、社会福祉サービス利用支援、市民社会への再統合。そこで使用する社会福祉援助技術は、アウトリーチ、相談援助、生活場面面接、個別援助、地域援助技術、社会福祉計画技法、コミュニティ・ソーシャルワークなど多用しています。
広島夜回り活動に参加
広島市内にいらっしゃる路上生活者の自立を支援する活動の根幹は、1987年以来の歴史をもつ市民主体の「野宿労働者の人権を守る広島夜回りの会」の20年間の活動です。
| (活動日時) | 4月~11月→毎月第2・4水曜日 12月~3月→毎週水曜日 夜8時30分からミーティング 9時ごろ各夜回りのコースへ出発 |
|---|---|
| (集合場所) | 観音町カトリック教会(西区観音町) |
| (活動場所) | :広島駅、八丁堀、市民球場、県立体育館、平和公園、五日市、牛田方面,他 |
私たち社会福祉士は、2003年1月からこの夜回りの会に所属し、ともに活動しています。 定期的夜回り活動ではそこで品物(食べ物や衣類・靴など依頼されたもの)をお渡しし、声かけをする中から、体調の良くない人の発見、生活保護につなぐ必要のある人へは同行相談の打診、「くつろぎ・入浴サービス」の紹介と予約、・・・何気ない世間話も、とても喜ばれます。
短時間のアウトリーチ相談で、どういう会話をし、本人の抱える事情と課題・要望を把握し、どう対処の道筋をつくるか、仕事やお金、住まい、人間関係、自信・・・とたくさんのものを失っておられる一方、社会資源も乏しい中、「自立支援」につなげるのはなかなか大変ですが、うまくいったときにはともに喜び合います!夜回りで出会った方を「くつろぎ・入浴サービス」のスタッフにつなぎ、連携して支援をします。どちらの場面でも、社会福祉士としての相談援助の力量が問われます。
まちでみかける路上生活者の方のことが気になっているなあと思う方、生活保護支援、就労支援、アウトリーチ、コミュニティ・ソーシャルワークなど関心のある方は一緒に出会いの旅に参加してみませんか?詳細は広島県社会福祉士会事務局まで(082-254-3019)。
福山市内のホームレス支援の状況
福山では、ボランティア団体・行政・社会福祉協議会などと連携して進めています。
主な活動は、①ボランティア団体が行う夜回り(炊き出し)に同行・路上相談【週1回】 ②ボランティア団体・行政・社会福祉士会3者で会食会、生活相談会、健康相談会の実施【年におおむね2回】 ③ホームレス支援ボランティア養成講座の実施 ④生活保護の申請やハローワークなどへの同行などです。
福山市内のホームレス者の人数は27人(2007年1月現在)。ピークだった2004年の58人から比べると約3分の1となっています。現時点でも住み込みの就労が決まりそうな人、生活保護により住居を構えられそうな人が数人います。これは、ボランティア団体、行政(福祉事務所、保健所)、そして社会福祉士会などが連携して支援を進めた成果です。
様々な事情があってやむにやまれずに「路上生活」を続けざるをえない人たちが存在します。こうした人たちの支援は無論継続していくのですが、やっとの思いで居宅を構えた人たちも周囲となじめず、孤独感に耐えかねて再び路上へ戻ってくる方と何回か遭遇しました。再び路上にもどらない支援のあり方も模索する時期と思っています。具体的には、路上生活を脱却したけれど、周囲になじめず孤独感を抱えた人たちが気軽に集まれるような交流の場がつくれたらよいな、と思っています。
関心のある方は是非、夜回り活動や路上相談活動に参加し、実態を把握した上で、一緒に新しい支援のあり方を考えてみませんか?毎週日曜日、17:30にカトリック福山教会(福山市昭和町)に集合し、おにぎりとスープを調理して巡回します。終了時間は約20:00です。ご都合のつく日で参加が可能です。参加してみたいと思われている福山周辺の会員の方は、鳥海(携帯09071249674)までご連絡ください。
呉市内のホームレス支援について
社会福祉士会の活動として、呉市内のホームレス支援(夜回り活動)がスタートしたのは、2004年の12月からでした。広島県社会福祉協議会の職員やボランティアの皆様の協力により10名前後が集まり、事前に打ち合わせをして夜の7時から10時半過ぎまで活動したのを今でも憶えています。
呉市内のどこにホームレスの方々が住み、何人の方がどのような生活と身体状況がどうなのかを、食糧や衣類、雑貨など生活必需品を配布し一人ひとり聞き取り調査を行いました。その結果、河川敷や川のそばでテントやベンチでの生活、また橋の下に住居を構えた人など、8名のホームレスの人たちと出会いました(未確認情報を含めると12~13人)。そして、就労している人もいれば、病気で困っている人、親子、高齢者など様々でしたが、私たちのように声をかけるものは、警察の人以外、いなかったようです。後で考えると、近年の呉市の詳細なホームレス調査・支援を、私たちの団体が行ったのではないでしょうか。
その後1年の空白の時期があり、2006年度から第2期のホームレス支援(夜回り活動)が始まりました。なぜあえて第2期かというと、呉市行政の積極的介入があったからです。これを受け、呉市社協も支援に参加し、ここに行政、社会福祉協議会、社会福祉士会、ボランティアの協働関係が生まれました。このことは、民間団体やボランティアだけの活動では限界がある中、特に生活保護の申請や市営住宅への斡旋ということを考えると心強いものがありました。
こうして2006年度からは、毎月第4火曜日に支援活動を実施し、夏と冬の時期の2回ではありますが、呉市保健師も参加しました。さらに、ボランティアの中には、一般市民、広島国際大学の医療福祉学部・看護学部の学生さんの若い力もあり、支援の輪も広がりつつありますが、以前として、資金面や物資においては不足しており課題を残しています。
一時、呉市内のホームレスの人数も4人に減少しましたが、最近また増えつつあり、女性の人もいるようです。他の地域のように入浴サービスや雇用支援といった積極的な活動は出来ませんが、呉地域として継続できるよう「出来る支援」を今後も展開していきます。支援活動は原則第4火曜日 18時半から20時です。関心のある方は事務局までご連絡下さい。待っています。
くつろぎ・入浴サービス
この活動は、2003年のホームレス実態調査からニーズとして、就職、入浴・清潔、食事などが分かり、入浴サービスを開発し、2004年2月20日から始めました。看護協会、介護福祉士会、社会福祉士会、社会福祉協議会、ボランティアとの協働です。活動の場所は西区で1年、中区で2年、この4月に再び西区に移しました。回数は、6月16日で134回を数えました。
活動は月4回で、第1、第2金曜日、第3、第4土曜日、いずれも12時30分〜18時です。利用者は予約制で、13時30分〜、15時〜、15時40分~、16時30分〜と、原則1日3、4名ですが、時には5名になることもあります。新しい場所ではまだ間もないせいか、予約が全部埋まらない日があります。少し遠くなったからでしょうか。利用者は、自転車か徒歩でこられるので、どうしても、範囲が限られてしまいます。
スタッフは、看護師2名、介護福祉士2名、社会福祉士3名、アルバイトの男性2名、他にボランティアが1〜2名随時参加しており、金曜と土曜の担当を割り振っています。
活動の内容は次の通りです。利用者が来訪されたら、まず、血圧測定、検温などの健康チェック、その間お風呂の準備、新しい下着、靴下等衣類の用意、食事の用意(調理など)をします。利用者には、入浴のあと食事をしながらくつろいでいただき、スタッフは話をきいたり、相談に応じたりします。必要に応じて、就職の支援、医療や福祉サービスの利用支援をします。1年間の実利用者約45名の中から、就職や生活保護受給で路上を脱出して行った方が毎年15人程度いらっしゃいます。清潔は、人間の尊厳を取り戻すための第一のことです。お風呂から上がると、緊張がとれてほっとした表情をされ、さっぱりと、生き返ったようになって帰っていくのを見ると、スタッフも疲れがとれる思いです。国家資格者というよりも人間としての親身の対応が、利用者の心に触れ、それがやがて自立にもつながっていくようで、大変やり甲斐のある活動です。
入浴サービスの利用者は、ほとんどが男性ですが、2007年6月初日に「夜回り」からの紹介で、50代の女性利用者が来られました。3ヶ月前に仕事を求めて関西から広島に来たが、うまく行かず、路上へ。家族は無く天涯孤独とのことでした。保護が必要と判断し、住居が見つかるまで入浴サービスの場に一時滞在するよう、すすめたところ、「先日、友達に偶然会い、今夜から2、3日そこへ泊る」と言われました。本人の意向を尊重し、来週同じ日に来るよう言って、スタッフの連絡先を渡して帰しました。しかし、二度と来られず、路上からも見かけなくなりました。女性の場合、安全面から徹底して見守ることが大事、とあらためて思い知り、不十分さが、反省点として残りました。
* 病気の方の生保利用支援一年半ほど利用していた常連の50代後半の男性。糖尿病の持病がありながら、60歳までは保護を受けないと言って医療機関にもかからずに頑張っていましたが、皮膚疾患が見つかり、スタッフの看護師の強いすすめで、ようやくその気になり、社会福祉士が、福祉事務所に同行、生活保護を申請、受理。間もなく保護が決定しました。アパート探しにも付き添って、契約、入居にこぎつけました。病院の検査で静脈瘤が見つかり、8月に入院、手術の予定です。路上生活者が生活保護を受ける場合は、同行して申請に立ち会い、住居の契約から入居を見届けるまで付き合うことが必要のようです。
いろいろと書いてしまえば簡単ですが、実際は人手が圧倒的に不足していて、ギリギリのところで活動しているので、何かあっても休むわけには行かない状態です。会員、ボランティアの皆さんが、一人でも多くこの活動に参加してくださることを待ち望んでいます。社会福祉士会事務局までご連絡ください(082-254-3019)。
2006年度くつろぎ・入浴サービス事業の実績
| 年度 | 回数 | 実利用者 | 延利用者 | 路上脱却 | 死亡 | 路上 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2004 | 45 | 47 | 165 | 20 | 27 | |
| 2005 | 36 | 30 | 125 | 12 | 18 | |
| 2006 | 46 | 49 | 138 | 17 | 1 | 31 |
| 合計 | 48 | 1 |
- (1)実施回数: 46回。2006年6月から月4回(第1-3金曜日、第4土曜日)に回数を増やした。できるだけ多くの人が利用できるように、一人当たり月にくつろぎ入浴1回、入浴券1回提供した。
- (2)実利用者49名、延利用者138名。2006年度は全員男性であった(年によって女性がいる)。
- (3)路上脱却をした者は17名(34%)、依然路上生活を続けるが清潔を保持できた者は31名(63%)。死亡1名。
- (4)路上脱却者17名の内訳は、就労自立2名、貯金+就労1名、年金3名、帰郷0名、半就労+半福祉1名、福祉的自立10人(20%)と、多様な方法になった。
- (5)新しい脱出経路: A 路上生活しつつ2,3年にわたって貯金→アパートに移る者。B アルバイト収入+本会の自立生活支援基金の貸付+低家賃住宅で路上を脱出し→1、2年貯金し→アパートにステップアップする経路を辿ったものが居た。(鍵概念)低家賃、金銭管理、相談支援。
- (6)事業開始以来の3年の長期利用者は4人であり、また就職し路上生活を止めたが様々な事情で路上に舞い戻った者が5名であった(18%)。いずれもこの支援ネットに入っている。
- (7)支援内容: ①入浴→②必要物品の提供(衣類・靴・帽子・バッグ・風邪薬・蚊取り線香・カイロ・自転車など殆ど寄付物品) →③軽食の提供 →④相談支援(いろいろな話し合いを経て、生活再建を方策など協働で探す)→⑤就職支援、帰郷支援、年金取得支援、福祉サービス利用支援→⑥アパート探し支援→⑦その後の日常生活の相談支援。
- (8)財政は次の組み合わせです。広島県共同募金会助成金(県内全般の事業)、広島市補助金(広島市内の入浴事業のみ充当)、広島市社会福祉協議会(講座事業)、自己資金(他で充当できないもの)で、入浴事業、相談支援、連絡協議会事業〔関係支援団体・社協・行政(県、広島市、呉市、福山市、県警)〕等。会員、住民の方の寄付金、寄付物品が支えです。
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