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西支部研修レポート「子育てをみんなで支える環境づくり」


平成19年6月9日 廿日市市あいプラザ

 児童虐待を中心テーマに、西支部の酒井珠江会員(大竹市家庭児童相談室)が報告された。
 報告は児童相談所・市町児童福祉担当課の業務連携や権限委譲を背景に、ソーシャルワーカーが現場で感じる諸問題を最近の児童虐待の統計も引用しながら、専門外のものにもわかりやすく話していただいた。

 児童虐待の「発生予防」「早期発見・早期対応」「保護・支援」という3本柱を、児童とその親の時間軸(妊婦時期から子の成人期まで)にからめ、決して一過性の問題でないことを指摘。また、児童相談所をはじめ、虐待死事例の8割が関係機関が虐待を認識しながら発生している現実を紹介された。冒頭から衝撃的な現状報告が続き、次いで報告は虐待を防止するヒントや現場のストレスに言及される。

 問題のある親をただ問題視し、疎外する環境について紹介されたが、これは周囲が親の虐待行為をエスカレートさせる一因になっていることを指摘しており、虐待の構造の複雑さを感じさせた。「監視ネットではお母さんを救えない」という講師の言は、聞いていて耳も心も痛いものであった。確かに、親を責める環境の中では改善は望まれない。家族支援というスタンスが必要という主張はもっともであると感じた。

 テレビで虐待死が取り上げられるときに、ほとんどが児童相談所の膨大な業務量・人手不足を訴えている。報告では、現場担当者のストレスやバーンアウトにも触れる。児童虐待に家族支援の視点が必要なように、多問題・困難事例にはチームアプローチが必要である。子の問題、親の問題、学校の問題、近隣・地域の問題などを、一人の担当者が担うことの危険性を指摘される。この辺りの報告にはソーシャルワーカーとしてのジレンマを共感する。

 講師は「親も喜びながら虐待はしていない」と、更に虐待の複雑さを指摘。あれもこれも大変で難しい。そのように感じた。そして、「難しい」で終われないのだと強く感じさせられた。
 土曜早朝であったが、ソーシャルワーカーの正義に訴えってくる、よい内容の研修であった。

(西支部監事 河口幸貴)

【 研修会での一場面 】