【基本方針】
近年、国際関係の中にあるわが国における社会経済の急速な変動は、社会構造や家族構造、社会保障・社会福祉を含む社会制度の激変をもたらし、目に見える社会問題を多く発生させている。こうした動向の中、昨年末には「社会福祉士及び介護福祉士法」が改正され、個人・家族、社会に貢献できる一層の実践能力を有する人材育成が図られるとともに、従来の社会福祉の領域から司法福祉、労働福祉、教育分野へと、社会福祉士が社会的支援を必要とするすべての国民の生活問題の解決と自立支援を担う専門職であることが、今まで以上に期待されることとなった。
本会は、ソーシャルワークを基盤とする社会福祉士の専門性と資質向上を図るとともに、地域における社会福祉実践を支援する。また社会環境の変化や制度等の改正、委員会活動や支部活動等の活性化、会員の増加、本会への社会的要請等に対応できる組織・運営体制の充実強化を進めるとともに、組織率の向上を図る。
【重点事業】
1.昨年度に引き続き「成年後見人養成支部委託研修」を実施し、後見人等候補者の養成に努めるとともに、権利擁護センターぱあとなあひろしまの運営体制を検討する。
2.「社会福祉士及び介護福祉士法」の改正に伴い、現場実習指導者の質の担保と均一化を目的とした「実習施設実習指導者研修」(日本社会福祉士会委託研修)を実施する。
3.継続してホームレス支援等社会的排除の課題に取り組む。
4.すべての障害児者と市民を結ぶ広島県民会議(仮称)の設立を準備する。
5.引き続き支部組織の基盤強化と活動の活性化をすすめ、身近なところで社会福祉士を支える仕組みを作ることで、組織・運営体制の充実強化と組織率の向上を図る。
6.本会事業、委員会活動、支部活動展開の基盤となる事務局体制の整備と強化を図る。
【事業計画】
1.成年後見・権利擁護活動(権利擁護センターぱあとなあひろしま)
第三者後見人としての社会福祉士に寄せられる高い社会的要請に応えるとともに、質の高い後見活動と適切な業務監査体制を担保し、事業の効率的な運営とコーディネート体制確保のために、ぱあとなあひろしまの運営体制を検討する。
- (1)家庭裁判所等に成年後見人等候補者を推薦し,研修と情報交換等のために定例勉強会を開催するなど,受任者の支援を行う。
- (2)成年後見人養成支部委託研修を開催し、成年後見人等を受任できる人材を養成する。
- (3)広く県民や関係機関を対象にした相談と啓発活動を実施する。
- (4)成年後見制度への理解促進のため、研修等を実施するとともに団体等に講師紹介ならびに人材の派遣を行う。
- (5)広島弁護士会をはじめ、地域包括支援センターの社会福祉士や独立型社会福祉士等と協働して高齢者や障害者の権利擁護を図る。
- (6)名簿登録者及び受任者の増加に伴い、質の高い後見活動と適切な業務監査体制を担保し、事業の効率的な運営とコーディネート体制確保のために、ぱあとなあひろしまの運営体制を検討する。
2.介護保険・ケアマネジメント活動(ケアマネジメント委員会)
ケアマネジメント手法の啓発・研鑽を中心に、介護保険制度や障害者自立支援法における資格制度と関連した研修を行う。
- (1)介護支援専門員受験対策講座の実施
- (2)障害者自立支援法における必置職等に関連する技術研修の実施
- (3)高齢者分野におけるケアマネジメントに関連する技術研修の実施
- (4)意見交換のできる小研修として、各ブロックとの共同企画の実施
3.ホームレス自立支援活動(ホームレス自立支援委員会)
地域において偏見に晒されやすい環境下で生活するホームレス(路上生活者)を対象とした相談援助をアウトリーチすることで、協働する関係者とともにソーシャル・インクルージョンの実現を目指す。
- (1)巡回活動
ボランティア団体等と連携し、安否確認、食品・衣料・日常生活用品等の配布を行うとともに、実態把握と個別相談援助を行う。 - (2)くつろぎ入浴サービスの実施および自立支援サロン機能の試行
関係機関、ボランティア団体等と連携して、くつろぎ入浴サービスを実施するとともに、個別相談援助を行う。あわせて一時的住所地確保、通過機能としての「自立支援サロン」の試行を行い、「自立支援基金」を整備・活用して就職活動期等の地域移行前段階の支援を行う。 - (3)啓発活動
「ホームレス支援ボランティア養成講座」等、各種の学習会や研修会を開催し、ホームレス問題への理解と支援の必要性を広く県民や関係機関へ訴える。 - (4)就労開拓、相談支援事業
広島県社会福祉協議会等と連携し、就労先の開拓・確保,ならびに相談支援に取り組む。 - (5)ホームレス支援活動連絡協議会
広島県社会福祉協議会等と連携し、行政や関係機関、ホームレス支援活動に取り組む団体等との情報交換や協働の推進のため、ネットワークづくりを行う。 - (6)ホームレス支援委員会を開催し、事業の企画と運営等について検討する。
4.研修活動(生涯研修委員会)
会員個々のスキルアップにつながるような研修、特にこの委員会では専門的な分野ではなく、社会福祉士として共通に必要な基礎的なものや関心の高いテーマ、また資格取得年数の若い会員の入会をサポートできるような内容を目指す。
- (1)「倫理綱領・行動規範」に関する内容を含む支部単位での基礎研修を実施
- (2)支部ごとの企画研修会の開催支援
- (3)6領域研修の実施
- (4)その他関心の高いテーマを取り上げた研修の実施
5.社会福祉士国家資格の取得支援(国家試験対策委員会)
社会福祉士国家試験受験者を対象として、国家試験準備の一助となるよう、受験に向けて実力の向上を図り、合格率を高めること及び準会員入会促進により組織化を図ることを目的とする。
- (1)国家試験受験対策講座の実施
- (2)社会福祉士試験全国統一模擬試験の実施
- (3)社会福祉士国家試験会場等での入会促進活動、勧誘等
6.広報活動(広報委員会)
会員及び県民に本会活動を広く伝え、社会福祉士の存在意義をアピールし、また会員に対する情報提供(政策動向・制度改正・公益事業・会員情報・研修情報等)及び会員相互が繋がり合える仕組みを作る。さらに、県民に対する本会活動(公益事業・公開講座)のPR推進・強化を行う。
- (1)ホームページ再編成への取組み
・内容の再検討
・ホームページデザイン(構成)の外部委託の検討 - (2)機関紙「直心」の定期発行
・4月、7月、10月、1月(年4回)の発行
・編集作業の外部委託の検討 - (3)委員会会議の開催
・年間3~4回開催
・会議以外には、メール等の活用にて意見交換を行う。
7.地域包括ケア推進活動(地域包括ケア推進委員会)
制度発足後2年を経過した地域包括支援センターが本来の役割を果たし、地域包括ケアの推進に貢献できるように、社会福祉士会を中心としたネットワークを活用し、研修の実施やサポート体制の構築などにより支援するとともに、一般市民に向けての地域包括ケアの周知を図ることも加えて、社会福祉士としてソーシャルワークを地域に展開するための活動を行う。
- (1)実務者研修(日本社会福祉士会の方針による)の実施
- (2)評価シート活用講座(日本社会福祉士会の方針による)の実施
- (3)地域包括支援センター職員を対象とした研修への協力
(広島県・市、介護予防研修センター等) - (4)公開講座(市民講座)の開催
- (5)地域包括支援センター社会福祉士の組織化・相談支援
(評価シートを活用したサポート体制構築,個別相談,事例検討,報告会,報告集作成) - (6)調査事業(行政・地域包括支援センター・社会福祉士を対象に)
- (7)高齢者虐待対策
8.その他の委員会等活動
○子ども家庭支援(子ども家庭支援委員会)
- (1)県内の各相談機関の実態把握
- (2)各種研修会の開催と参画
- (3)委員会独自の調査と研究の実施
○独立型社会福祉士の支援(独立型社会福祉士委員会)
地域の社会資源として活動できる場に積極的に参加するとともに、独立型社会福祉士としての力量形成を支援し、ネットワークの形成を図る。
- (1)地域で必要とされる場(高齢者虐待事例対応,成年後見制度申立事例対応等への支援)へ積極的に関与する機会を作るよう、地域包括支援センターや相談援助職との連携を強化する。
・研修会・勉強会への参加要請へ応じる
・高齢者虐待対応チーム編成への積極的参加 - (2)独立型社会福祉士の力量形成を目的とした勉強会の開催
- (3)独立型社会福祉士実践報告会の開催の実施
○第三者評価事業への取組み(第三者評価委員会)
福祉サービスの質の向上と、利用者へのサービス選択に資する情報提供を目的として実施される「第三者評価事業」について、引き続き調査研究を行い、市民向けの発信を行う。
○すべての障害児者と市民を結ぶ広島県民会議(仮称)の設立準備
障害児者と家族、支援者、関係者等が抱える問題と現状をわかりやすく社会に伝え、市民の理解と支持を得ることを目的とする標記県民会議の設立準備委員会を設置して、設立に必要な業務を行う。
○実習施設実習指導者研修
「社会福祉士及び介護福祉士法」の改正に伴い、現場実習指導者の質の担保と均一化を目的とした「実習施設実習指導者研修」(日本社会福祉士会委託研修)を開催する。
9.組織化活動(総務委員会)
- (1)統一模擬試験・受験対策講座の会場で当会PR
・国家試験会場内で勧誘チラシを配布できるように、試験センターへの働き掛けを日本社会福祉士会へ要望する。
・実習指導者研修等で、未入会者に対してのPR - (2)昨年度立ち上げた会員加入プロジェクトチームを引き続き開催することを通して、組織率向上への対策を検討
- (3)社会福祉士養成校、大学へのPR活動
・研修・講座で提示物(のぼり等)を購入設置 - (4)会員名簿作成と管理等についての検討
・県内会員名簿・各委員会名簿の作成
10.組織運営
- (1)年2回の総会、年6回の理事会を開催し、組織的な運営を図る。また、必要に応じて各委員会等と合同会議を開催する。
- (2)社会福祉士の資質向上、倫理綱領等の普及とともに、日本社会福祉士会の苦情対応システムと連動して、会員への苦情対応を速やかに行う。
- (3)会員が取り組む利用者の権利侵害防止や人権尊重を支援するため、日本社会福祉士会の会員支援システムと連動して、会員支援を行う。
- (4)総務委員会を開催して、社団法人として必要な規程や体制等について検討し、整備する。
11.関係団体との連携
- (1)社団法人日本社会福祉士会と連携して事業を進める。また、同会が主催する会議・委員会に積極的に参加する。
- (2)成年後見、福祉サービス利用援助事業に関連して、広島県社会福祉協議会、広島家庭裁判所、広島弁護士会、広島県司法書士会等各種機関・団体等と連携して事業を進める。
- (3)広島県社会福祉協議会、市町社会福祉協議会、社会福祉施設・事業所、広島県介護福祉士会、行政等との連携に努め、協働により事業の効果的な推進を図る。
- (4)資格制度の発展を図るため、社会福祉士養成施設(大学・専門学校)等との連携・協力、情報交換等に努める。