【基本方針】
わが国における昨今の社会・経済の変動は、個人・家族の構造や生活の不安定化、地域社会の連帯感喪失と解体、高齢者・障害者等に対する虐待、ホームレス、障害者の地域生活からの排除などを招いており、社会の人々がこれらの問題を十分意識することができなくなるとともに、日本社会への所属感、安定感を持たない人々も出現しており、政治も住民も十分対応できているとはいえない。
1990年代から、社会保障制度の再編成と中央および地方レベルでの分権が同時進行し、すべての住民が利用できる社会福祉制度への転換および社会福祉基礎構造改革が進んだ。また、民間社会福祉や住民の自主活動の民間領域も拡大し、個人の自立生活支援をめぐって、「政府(中央・地方)・社会・個人の相互関係」が大きく変化し、政府の責任追及だけにとどまらない、住民・民間・自治体の協働活動による地方自治を作る段階に進んでいる。
このような状況の中で社会福祉士には、2007年度に予定されている「社会福祉士及び介護福祉士法」改正に見られるように、利用者の権利擁護のために「個人と社会環境との相互関係・接点」に焦点を当てて、保健医療司法の専門職および住民との「協働活動」を進め、社会的に支援の必要な個人に対する「個別支援」および地域住民の自治活動を支援する「地域支援」の力量形成が求められている。
本会は任意団体設立から15年、社団法人設立から3年を迎えるが、本年度は役員改選にともなう社団法人第2期目の新たな役員体制により、社会福祉士の資質向上に務めるとともに、広島県民の福祉増進を目的として、以下の会員活動支援や公益事業等の社会貢献活動の展開に取り組む。
〔重点事業〕
- 1 社会的支援を必要とする県民の成年後見等の権利擁護、虐待防止及び地域支援を進め、地域福祉を推進する。
- 2 「成年後見人養成支部委託研修」(日本社会福祉士会委託研修)を開催し,成年後見人等を受任できる人材を養成する。
- 3 社会福祉士の社会福祉援助技術(ソーシャルワーク)の精緻化を進める。
- 4 特に、地域包括支援センター、障害者地域生活支援領域、ホームレス、児童虐待等の領域に従事する社会福祉士を支援する。
- 5 本会の基盤である会員加入促進に努める。
- 6 引き続き支部組織の基盤強化に努め、身近なところで社会福祉士を支える仕組みを作ることにより、本会の組織化を推進し活動の強化を図る。
【事業計画】
1 成年後見・権利擁護活動(権利擁護センタ-ぱあとなあ ひろしま)
- (1) 家庭裁判所等に成年後見人,後見監督人を推薦し,受任者の支援を行う。
- (2)広く県民や関係機関を対象にした相談と啓発活動を実施する。
- (3)地域包括支援センターの社会福祉士と連携して、住民の権利擁護を行う。
- (4)成年後見活動への理解促進のため,研修等を実施するとともに,団体等に講師の紹介や人材の派遣を行う。
- (5)ぱあとなあひろしま運営委員会を開催し,後見人候補者及び受任者等の研鑚と情報交換,事業の企画等を検討する。
- (6)「成年後見人養成支部委託研修」(日本社会福祉士会委託研修)を開催し,成年後見人等を受任できる人材を養成する。
2 介護保険・ケアマネジメント活動(ケアマネジメント委員会)
- (1)介護支援専門員受験対策講座の実施
- (2)障害者自立支援法における必置職等に関連する技術研修の実施
- (3)高齢者分野におけるケアマネジメントに関連する技術研修の実施
- (4)意見交換のできる小研修として,各ブロックとの共同企画を実施
3 ホームレス自立支援活動(ホームレス支援委員会)
- (1) 巡回活動
ボランティア団体等と連携し,安否確認,食品・衣料・日常生活用品等の配布を行なうとともに,実態把握と個別相談援助を行なう。 - (2)くつろぎ入浴サービスの実施および自立支援サロン機能の試行
関係機関,ボランティア団体等と連携して,くつろぎ入浴サービスを実施するとともに,個別相談援助を行なう。あわせて一時的住所地確保,通過機能として「自立支援サロン」の試行を行う。 - (3)啓発活動
「ホームレス支援ボランティア養成講座」等,各種の学習会や研修会を開催し,ホームレス問題への理解と支援の必要性を広く県民や関係機関へ訴える。 - (4)就労開拓,相談支援事業
広島県社会福祉協議会等と連携し,就労先の開拓・確保,ならびに相談支援に取組む。 - (5)ホームレス支援活動連絡協議会の開催
広島県社会福祉協議会等と連携し,行政や関係機関,ホームレス支援活動に取組む団 体等との情報交換や協働の推進のため,ネットワークづくりを行う。 - (6)ホームレス支援委員会を開催し,事業の企画と運営等について検討する。
- (7)地域包括支援センターとの連携
地域包括支援センターの社会福祉士と連携して,高齢・障害のあるホームレスの自立 支援を行う。
4 研修活動(生涯研修委員会)
- (1)生涯研修委員会を開催し,各種研修事業を検討・実施し,社会福祉士の生涯研修体制の強化とソーシャルワーク技術の向上を図る。
- (2)「社会福祉士の倫理綱領」「行動規範」について支部単位で研修実施
- (3)権利擁護センターぱあとなあひろしま,ケアマネジメント委員会,ホームレス支援委員会,地域包括ケア推進委員会等と連携した各種研修会,公開講座等の実施
- (4)県内各支部での各種研修会の開催支援
- (5)訪問介護員養成研修通信課程の一部受託
- (6)全国大会・社会福祉学会,全国統一研修への参加
5 社会福祉士国家資格の取得支援(国家試験対策委員会)
- (1) 社会福祉士国家試験対策講座の実施
- (2) 社会福祉士全国統一模擬試験の実施
- (3)その他資格取得希望者への支援を行うとともに,資格取得者に対して入会促進を行う。
6 広報活動(広報委員会)
- (1)広報誌「直心」の発行(年4回)
- (2)本会ホームページの運営
- (3)広報委員会を開催し,広報誌の編集やホームページの効果的かつ効率的な運営等について検討する。
7 地域包括ケア推進委員会
- (1)地域包括支援センターに配置された社会福祉士への後方支援(個別相談,事例検討等)
- (2)地域包括ケアに関する研修ならびに公開講座の実施
- (3)地域包括支援センターにおける社会福祉士業務の実務研修の実施
- (4)地域包括支援センターにおける社会福祉士業務の評価に関する事業の実施
- (5)地域包括支援センターの実態に関する調査の実施
- (6)運営協議会への参画など市町への協力と連携
8 その他の委員会等活動
- (1)独立型社会福祉士の支援(独立型社会福祉士委員会)
地域包括ケア推進を目的とした他委員会の活動に協働・連携すると共に、地域に決ソーシャルワーク展開を基盤とする独立型社会福祉士の力量向上とネットワーク形成を支援することを目的に、勉強会の開催、実践報告会、情報交換等を行う。 - (2)第三者評価事業への取り組み(第三者評価委員会)
広島県ではまだ未整備である,福祉サービス第三者評価事業について,社会福祉士の専門性を活かし,福祉サービスの質向上と利用者のサービス選択に資することを目的に,委員会を開催し,第三者評価事業のあり方等について検討するとともに,市民向け公開講座等を開催する。
9 組織化活動(総務委員会)
- (1)社会福祉士養成校と連携し,学生への説明や入会案内の配布などPR活動に努める。
- (2)会員加入プロジェクトチームを結成し,会員加入の促進を行う。
- (3)会員による研究,研修,交流,ネットワーク形成,地域活動などを支援するため,支部組織の基盤整備に努め,支部活動を積極的に推進する。
10 組織運営(総務委員会)
- (1)年2回の総会,年6回の理事会を開催し,組織的な運営を図る。また,必要に応じて各委員会等と合同会議を開催する。
- (2)社会福祉士の資質向上,倫理綱領等の普及とともに,日本社会福祉士会の苦情対応システムと連動して,会員への苦情に対応を速やかに行う。
- (3)会員が取り組む利用者の権利侵害防止や人権尊重を支援するため,日本社会福祉士会の会員支援システムと連動して,会員支援を速やかに行う。
- (4)総務委員会を開催して,社団法人として必要な規程や体制等について検討し,整備に努める。
11 関係団体等との連携
- (1)社団法人日本社会福祉士会と連携して事業を進める。また,同会が主催する会議,委員会に積極的に参加する。
- (2)成年後見,福祉サービス利用援助事業に関連して,広島県社会福祉協議会、広島家庭裁判所,広島弁護士会,広島県司法書士会等各種機関・団体等と連携して事業を進める。
- (3)広島県社会福祉協議会,市町社会福祉協議会,社会福祉施設・事業所,広島県介護福祉士会,行政等との連携に努め,協働により事業の効果的な推進を図る。
- (4)資格制度の発展を図るため,社会福祉士養成施設(専門学校・大学)との連携・協力,情報交換等に努める。