リーマン露日暗転部分
性的な意味というよりドメスティックバイオレンス的な意味で裏です。
ダメそうな方は無理しないで引き返してください。それがお互いのためです…
何で私が書くとこの人たちはこうなるんでしょう…OTL










































 すりすりと顔を摺り寄せてくるロシアを甘んじて受け入れた日本だったが、ロシアの鼻が手が寝巻の襟を割って素肌を探るにいたって大人しくされるがままにしておくわけにはいかなくなった。
 奥さんの肌が恋しいのかもしれない。口さがない同僚に噂されるほど、ロシアの妻に対する執着は目に余った。本日、やっと非常な決心でもって別れを告げたのだけど。
 日本が使っている部屋はもともと奥さんの部屋なのだろう。寝ぼけて、とっくに出て行かれたことを忘れているのかもしれない。しかし日本はロシアの奥さんではないし男の身であるので代わりになどなれない。
 何とか穏健に離れてもらおうと日本は不自然にならないように寝返りを打った。分厚い掌は離れたが、またすぐにこちらに伸びてくる。ごろごろ。日本の小さなベッドの中では逃げ場はなく、寝返りを続けるうちに、日本はベッドの縁に追い詰められてしまった。
 傾げた身体の先が空中であることに気付いて中途半端な姿勢で日本は動きを止めた。狙う獲物の動きが止まったのをいいことに、ロシアは日本の身体をすっぽりと抱きすくめてしまった。まるでもう逃がさないとでも言うように。
 (こ、困ります…)
 日本が戸惑っているうちに、無遠慮な掌はあわせから侵入して胸を探る。ちょっと、やめて欲しい。鳥肌が立つ…!日本はブンと腕を振り上げた。

 「ちょっと待ちなさい!寝ぼけるのもいい加減に…」
 「寝ぼけてないよ」

 帰ってきたロシアの声は完全に覚醒しているものだった。

 「何のつもりですか」
 「夜這いのつもりだけど。愛してるんだ、日本君」

 ……………いつの間に!?
 ロシアは同僚で部署は違うが仕事仲間で酒飲み仲間でそれなりに友好的な関係を築いている間柄だとは思うが。ロシアがそんなことを考えているとは露ほども思わなかった。驚きに打たれて頭の中が真っ白になったがここで呆然としているわけにはいかない。

 「聞いてませんし受け入れもしません!」
 「合鍵を受け取ってくれた時点で愛は確認済みだよvv」
 「あれはっ…あなたが私を締め出して酒かっくらって寝てるから…!」

 必死で断ろうとしているのにロシアは日本の意志などお構いなしに、首筋に鼻を埋める。ぺろり。濡れた感触に日本の身体が跳ねた。

 「無理無理無理無理無理絶対無理です!男同士ですしっ」
 「大丈夫だよ、こないだも君の身体はちゃんと反応してたし」
 「うわああああああああああ!」

 記憶から追い出していた過去を引っ張り出されて大ダメージ。日本は激しく赤面する顔を手で覆った。できることなら毛布をかぶって引きこもりたいが、ロシアの馬鹿でかい図体が邪魔してそれもできない。

 「だいたい意識のない相手をどうこうするなんて卑怯でしょうがっ」
 「あ、君の怒りポイントは掘られたことじゃなくてそっちなんだ」
 「掘らっ…!? とにかく無理ですから! 自分のベッドに帰ってください!」

 身体が小さいからと侮られているようだが、体術はひと通り修めている。寝技からの脱出方法も反撃方法も知っている。関節にねちねちと攻撃を加えながら何とか一定の距離を確保すると、近づけないように手足をばたつかせた。
 ガスッ
 蹴り上げた足が不用意に近づこうとしたロシアの鳩尾に入った。う、と呻く声を聞いてしまったと反射的に思う、と、いきなり身体を引っ張られた。

 足の上にはロシアの石地蔵のように重い身体がのっていて動かせない。暗い寝室の中でうすぼんやりと伺えるロシアの表情はいつものようにほわほわと笑ってはいなかった。由々しきことに、その掌は日本の首を押さえて呼吸を遮断している。
 見下ろしてくる無表情が口を開いた。

 「君は意識がないときのほうが従順だね」
 「がっ…あ…ぐぅ…」

 喉仏が声にならない不快な音を立てた。頚動脈も遮断されてうっ血した頭部が蟇蛙のように膨れてはじけるイメージ。ギリギリと締め上げられて閉じられない唇から舌がはみ出す。口の端から唾液が流れてロシアの指を濡らし枕にしみこんでいく。
 このままじゃしぬ。ころされる。
 無意識に酸素を求めてロシアの手首に爪を立てた。切り揃えられた爪はそれでも瀕死の人間の馬鹿力で厚い肉を破って血を流させたが、首を圧迫する力はまったく緩まなかった。

 うわんうわんと耳鳴りがする。すぅっと視界が狭くなっていく。いつしかロシアの手首に食い込んでいた爪は外れて、日本の手はぱたりとシーツの上に落ちた。半分意識を飛ばした酸欠状態の脳にロシアのささやきが滲み込んでいく。

 「そう…いい子だ…大人しくしてたら、僕もこんなことしなくて済むからね…」

 急に入ってきた酸素に身体が対応しきれず日本は激しくむせた。ひくひくと波打つ身体にあらためてロシアが手を伸ばす。ロシアの肉が食い込んだ爪を口に含まれて、日本は反射的に腕を引いた。抵抗されて、む、とロシアの眉間にしわがよる。

 「僕の邪魔しかしない手足なら、なくったってかまわないんだよ…?」

 持っていた日本の腕を凄まじい力で捻りあげた。このままもぎ取ってしまうつもりなのか。皮膚が、筋肉が、関節が悲鳴を上げている。非日常の暴力をいきなりもっとも無防備になる寝室に持ち込まれて日本は訳が分からなくなっていた。いつも気丈な瞳に怯えが走る。
 ロシアは不意に綺麗に微笑んだ。

 「安心して。君の手足がなくなったらベッドに寝かせてご飯も作ってあげるしずーっと面倒見てあげる。君は外に働きに行く必要はない、ベッドで僕を待って、僕を受け入れてくれればいんだ」

 うっとりと思いを馳せるロシアの言葉は本当になるのかもしれない。もうすぐ、肩の関節が…、

 「やーめた」

 ロシアがぱっと手を開くと、腕はぼすんと布団の上に落ちた。痛みに日本の顔が歪む。

 「日本君の手じゃなくちゃ、うさぎさんりんごを作れないもんね」

 子供のように無邪気な顔をして、先ほどまで日本の腕をもぎ取ろうとしていた男は言った。殺そうとしていた相手に覆いかぶさり、顔を近づけてくる。
 ぬるり。
 ロシアの舌を抵抗せずに受け入れた。舌の先から伝わってくるぐにょぐにょとした感触にどこかに連れて行かれそうになるのに、ぼんやりとかすむ目の前にあるのは同僚の顔。この現実はあまりにも受け入れがたい。
 (もーどうでもいいです…目をつぶって大人しくしてますから、さっさと終わらせてください…)
 明日になったらまた考えよう。
 日本はきつく目をつぶって口腔の感触を追うことに集中しだした。






友情が勝ってる二人ですので急に布団にもぐりこまれて寂しいのかな
と思っていたら妙なことになってはじめてこれはヤバイと思う日本君
前回は意識がなかったのでトラウマにはなってなかったんですね。
しかし今回もそれほど怖がっていないようなので、ぽやっとした年上ですが
修羅場をくぐってきただけあって日本君は意外と神経が太いようです。













露様はひどくした後は甘えがひどくなると思います。
それでどこまで許してくれるのか測ってるんじゃないかと…
暴力夫はDV後優しくなると言いますが露様ですから(汗)