夢で見たどシリアス伊日/抽象的/ぼかしすぎて分からないけど世界的大喧嘩のはなし/着地点を見失って/全体の半分ぐらいで頓挫/消化不良
ゆめのはなし
ザッ…ザッ…
足元にスコップをさして、すくう。
土が重い。そのまま手首を返して頭上に放り投げる。
穴の縁から滑り落ちた土が俺たちの頭上に降り注ぐ。
俺たちはずっと穴を掘っている。
何のための骨折りなのかは分からない。
分からないまま空虚を広げ続けている。
何のためかなんてもはや考える気力もない、とにかく疲れた。もうイヤだ。
くらりと揺れた視界を支えようと額に手をやると、汗でぬるりとすべる。
ごほごほ、土ぼこりをすってしまったらしい相棒が重い咳を零す。
俺はいつまで経っても慣れられない。
相棒は黙々と作業を続けている。
俺は早々に音を上げてしまう。
どうして俺たちは、こんなに汗まみれ砂まみれになりながら、この穴を広げているんだろう。
肩を並べて汗している相棒に零すと、相手は困ったように微笑んだ。
辛いばかりの日々の中で、優しい年上の相棒の笑顔だけが俺に元気を与えてくれる。
お腹がすいたんですか?―――さんにはナイショですよ?
そう言ってポケットから取り出したのは一粒のキャラメル。
相棒が持っていた最後の糖分だとか、俺は何にも考えないで、パクリと口に含み、舐め転がす。
久しぶりに身体の中に入ってきた甘味に、思わずにっこりと蕩ける俺。
半分こすることも思いつかないで、一人で全部口の中に溶かしてしまってから、はっとして見ると。
相棒は、自分が食べたみたいに、とろけるような笑顔を浮かべて俺を見ていた。
初めて会ったときから比べてずいぶん痩せてしまっている。そのことに悲しくなる。
「自分のはかあなを掘っているようなものです」
「え?何?」
「…いいえ?」
微笑む相棒の笑顔は疲れていて、そのことに俺はまた悲しくなった。
―――気がつくと、俺たちはバスに乗っている。
土ぼこりを上げて道なき道をバスは行く。
見慣れない、アジア?特有の色をした岩がちの砂漠、アフリカの赤い沙漠とは違う。
ガタガタと揺れる車内に俺は眉をひそめる。
相棒は、確か重い怪我を負っていた。傷に触るじゃないか。
覗き込んだ隣の席の相棒の顔は安らかで、俺はホッとする。
ホッとしたらお腹がすいてきちゃった!騒ぐ俺を相棒はニコニコと眺めている。
いっつも見張ってる―――がいないからシェスタし放題だよーシェスターシェスター♪
相棒の嬉しそうな笑顔は本当に久しぶりで、はぐって抱きついても、相棒は淡く笑っている。
「眠いんですか?寝たらいいです、先はまだ長いですよ」
「…どこに向かうか知ってるの?」
「ええ」
何となく、分からないのだと思っていたから、びっくりした。
どこへ向かっているか、聞いたら何かが壊れる気がして、聞けない俺は相棒の腰にしがみつく。
相棒の器用な手が、俺の髪を優しく梳く。その動作が好きだ。
「…んーん、起きてる」
何だか急にもったいなくなって。
―――もったいない?自分の思考に俺は首をかしげる。
俺たちは運命共同体なんだから、望めばいくらでもおしゃべりできるし、ハグ出来るのに。
目を離したら、消えてしまいそうで。
俺は結局起きている。
耳に何かが聞こえてくる。
痛くて、苦しくて、もうこんなことやめようと。
振り向いても、そこにはただバスの座席とあとにしてきた道なき道があるだけ。
「…耳が、よろしいんですね」
「え?あ、そうかも。オーストリアさんのところでいつもピアノを聴いてたからかな?」
オーストリアさんのピアノの話題でひとしきり盛り上がったあと、相棒はふいに視線をはずした。
銀河鉄道の夜の雰囲気を狙ったものと思われる。
銀河鉄道の夜ならじょばんに=フェリちゃん かんぱねるら=菊だよなあと思うわけです。
このあとは日本がいつの間にかバスから降りちゃっててそこには去っていった同胞達がいて
中央アジアの砂漠?の真ん中で手を振る仲間達、降りたいけど下りられないイタちゃん、
はっとして目が覚めると、ベッドのそばには仏兄が立っていて「ドイツが降伏した」
という最後でした。
どシリアスもファンタジーも書けませんでした。