文章リハビリ中ー。
いわゆる行為をしてるわけじゃないけどちょいえろっぽいです。
少なくとも書いてるひとはえろっぽい雰囲気が漂うといいな!と思って書きました。
また、露日間に横たわる奪われた例のあの土地について書いておりますので注意。
露日で萌えてるなら一度はあそこは本田さんの身体で言うとどこなんだろうって
検討しておきたいのです…それだけです…
“ピンキーリング”
冷たく白い、大きな掌に載せられたバター色の手、
の先がつるりと薄い唇に吸い込まれていくのを、日本は呆然と見つめていた。
いったん付け根まで銜え込まれたあと、第一関節まで戻される。
ぢゅっ、ぢゅっと、音を立てながら第一関節のくびれと爪のあいだを唇が行き来する。
指の腹に舌のざらついた感触、気持ち悪い、思わず顔をしかめる。
日本の小指をねぶりまわしながらロシアは嬉しそうに笑った。
いつの間にか指は第二関節のくびれまで、勢いよく吸い込まれ、送り出され、出し入れされていた。
ロシアは疲れを知らない子供のように一心にしゃぶっている。
唾液に濡れるたびにぬめりを帯びて滑りがよくなり、
ぴちゃぴちゃと遠慮なく立てられる水音がいたたまれない。
「今は先っちょだけだけど…
そのうちこれが手に広がって、手から腕に広がって、腕から肩に広がって、
みーんな、ロシアになるんだよ、素敵じゃない?」
「わ、」
日本がやっとのことで主張した声はみっともなく上擦っていた。
「わたしものです、かえしてください…」
むなしいことだ、
案の定、ロシアが蹂躙を止めることはなかった。
舌で爪の縁をなぞり、からかうように小指の根元をかじる。
これ見よがしにねぶってみせる。
「いやだよ、ぼくのものだ」
ロシアはうっとりと日本の小指を口に含みながら華やかな笑い声を立てた。
ああ…このひとはかえしてくれる気はないのだ…と日本の顔は絶望に覆われる。
小指を抑えられているだけなのに、肩から先ががちがちに固まって動かせない。
悪戯に舌の裏側に導かれて生温かいひだに包まれる。
やわらかい…。
まるで他の何かのように生温かくやわらかい粘膜に日本の指先を沈み込ませたまま、
ロシアは指の棹の部分を舌先で何度も擦るので、
指を捕られているだけなのに、まるで他の行為をされているように頭の芯がぼうっとしてくる。
呼吸がおかしくなって、日本は取られていないほうの手を口に持っていって必死に押さえた。
ダメだ、このまま蹂躙させるままにしてはいけない…、
頭では何とかしなければと思っているのに、金縛りのように身体はひとつも動かすことができない。
「ふぁっ…!?」
小指の根元を、噛み切られるのではないかというほどの強さでかじられて、大きな黒い目に涙がにじんだ。
日本は手の先をロシアに預けたまま、くたりと力なくうつむいた。
そうなるともう、肩が揺れ、ひゅ、ひゅ、と異常な呼吸音が聞こえるだけで、
恍惚と苦悶と呆然がごちゃまぜになった顔は見られなくなってつまらない、
いつも取り澄ました顔が、ロシアの暴挙によって容易く崩れていく様は痛快なのだ。
「ひっ」
無遠慮な舌が敏感な水かきをわたって隣のくすり指に触れた瞬間、
日本はすばやく己を取り戻した。
ばっと手を払いロシアを睨みつける。
凍った時間が動き出す。
ロシアは深く入り込み過ぎたのだ。
「これ以上は、領域侵犯ものですよ…」
「あーあ、残念」
ロシアは肩をすくめた。
ひらひらと手を振りながら帰っていった。
日本はやっと解放されて息をつく。
先ほどまでロシアの口内で蹂躙されていた小指は急速に乾き始めている。
唾液で白くふやけた指は、刺激を受けすぎて、まるで自分のものでないように感覚がおかしかった。
白くふやけた小指の付け根には、赤いあと、
自分の身体の一部なのに、思い通りにならない小指の先には、ロシアがつけた痕跡がひとつ、
指輪のように存在を主張していた。