ヨッパライ日本暴走中。スイスさんも崩れまくってます。ギャグが書きたかったんです…!
飲み会にて、厄介な隣人をやっと黙らせたフランスは日本の姿を探していた。趣味の合う友人である日本を親交を深め、あわよくばガードが緩くなった可愛い子ちゃんにセクハラ(趣味)をかまそうという親父くさい魂胆である。 やがて見つけた日本は、なんとスイスと差し向かいで飲んでいるではないか。あーそうだったー…とフランスは軽く天を仰いだ。あのスイスが飲み会に参加するなど驚天動地の事態だが、その事態を招いたのは日本である。ヨーロッパのいくつかの国と楽しく杯を重ねていた日本は、ハイになったそのテンションでスイスの家に突撃をかましたのであった。ちょっ…撃たれるって!と日本の身を心配してあわてて追いかけたフランスの目の前で日本は、胡乱げに玄関を開けたスイスの腰にタックルをかまし(この時点で発砲されていないのが大変不思議である。フランスが同じことをやったのならば命はなかったであろう)ええい離せと足蹴にされてもひしと抱きついて離れず、その根性だけは認めるから理由を話せとついに諦めモードに入った(奇跡だ!)スイスに「教官と飲みたいんですぅー、なかよくなりたいんですぅー」とすがり付いたのであった。すげなく断ると思っていたスイスは意外なことに了承した。「いつも優柔不断なお前が強固に自分の意見を表明したことに免じてつきあってやる」との言であった。 そんなわけで珍しく飲み会に出てきたスイスであるが、こういう砕けた席で話す相手もおらず、呼んだ責任上日本が相手をすることになった(そのおかげで日本ぐらいしか友達がいないイギリスの相手はフランスに回ってきて大変迷惑である。まあスイスの酔った姿が見られるなら楽しそうだし日本の珍しい酔い姿も可愛いからいいんだけど。お兄さんは可愛い子の味方だからね☆)。観察していると、ビールジョッキをあおりながら、なにやら楽しげに会話している。ふいに日本が真っ赤な顔でジョッキをテーブルに叩きつけた。 「きょーかん!わたしには野望があるであります!」 「よし、言ってみろ」 「いえっさー!!せかいせーふくですっ!」 ほう、それは知らなかったとフランスも耳をそばだてた。世界を手に入れるなんて面倒くさい、ジジイなんですから、私の手には余ります、と言いそうなのが日本なのに。酔いが進んで普段は隠されている本音が出てきたのだろうか。アメリカの陰に隠れ、すっかり牙を折られたと思っていた日本にもまだそんな野望があったとはね。 「せかいせーふくがかなったあかつきには、きょーかんは毎日ブレネリたんです!」 ―――は!? 一瞬の思考停止。我に返ってフランスは青褪めた。おいおいおいおいあのスイスにそんな発言、今度こそ命はないだろ!? しかしフランスの案に反しスイスは冷静なままだった。 「ふむ、その場合貴様はセーラー服(日本の女子生徒の制服的な意味で)であるぞ」 「あははー、きょーかんったらー、いくら童顔でもジジイにソレはじょうだんきついですよー、スネ毛にスカートなんてー」 「どれ?…なんだ生えていないではないか」 スイスに足首を持たれてひょいとひっくり返されて日本が悲鳴を上げた。スイスはしれっとした顔でジョッキを傾けている。 そのとき、よろよろとテーブルに復帰しようとする日本とフランスはバッチリ目があった。あってしまった。あ。見てたのバレたかな、とちょっと後ろめたいフランスに日本はビシィ!と指を突きつけ。 「ギャルソンエプロンッ!」 と一言叫んだ。 眠りこけるイギリスには「国立W学園男子制服(ベストつき)ッサイッコーにお似合いです!」アメリカには「ファイヤーマン!」リトアニアには「(バルト三国の皆さんまとめて)ギムナジウム!」オーストリアには「ドクター!眼鏡白衣!」ハンガリーとリヒテンシュタインには「ナァス!ナァス!(洪さんはタイトなワンピースタイプ、リヒたんはメンタム風エプロンドレスタイプ)」次々と指差しながらどんどんテンションをあげていく。 「セーシェルさんはー」 日本がうーんうーんとうなり始めた。コギャル(ルーズソックスつき)とか似合いそうですけどちょーっと古いですかねえ…頭をひねる日本にスイスが口を開く。さすがに一言注意するのかと思ったら。 「スターバックスガール」 「きょーかん!すばらしいです!」 ガシィ! スイスと日本は空中で固く熱く握手を交わした。 えーと。なにこれ。 スイスは酔ってるのかなー…? 日本とスイスの見てはいけない一面(特にスイスの)を垣間見たような気がして、フランスはスイスに見咎められる前にそっとその場を離れたのだった。 |