露様の心臓漫画にいいようのない衝撃を受けたんです…!
素直に考えると心臓が落ちる=首都が陥落する。かなーと思いつつ。
そんなことは全然関係ない電波短文を置いておきます。
日本は手の中にある肉の塊を見た。
きれいな薄桃色に赤黒い墨のぼかしを入れたような色合いで、一定のリズムでびくっびくっと震えている。
血でぬめった感触は気持ちのいいものではない。それが持つ熱が何だか可笑しかった。
流れる血まで凍っているのではないかいわれているロシアの心臓は火傷しそうなほど熱かった。
「どう?僕の命を握っている気分は」
胸にぽっかりと空洞を空けた男が笑っている。
「…昔の私なら、ためらいもなく握りつぶしていたでしょうね…」
日本はロシアの心臓を巣から落ちた小鳥を保護するようにそっと両手で包んだ。
これを握りつぶせばロシアは大混乱に陥る。社会はひっくり返り、行き場を失った国民たちのエネルギーが凶暴な奔流となってロシアの国土や周辺の国に牙を剥くだろう。
戦前の日本はロシアの混乱を狙って陰謀を仕掛けたこともあるし、混乱に乗じてロシアを保護の下に置こうとしたこともある。
しかし今の日本にはロシアの心臓を握りつぶした後の責任は取れないし、握りつぶしたいとも思わなかった。
「今の私には、重すぎて扱いかねます」
ついと返そうとするのにロシアは受け取らない。
によによと笑みを浮かべて言った。
「これが僕の愛だよ」
「悪趣味です」
日本は握りつぶさないと知っているからか、それとも日本になら握りつぶされてもかまわないとでも言うつもりか。
自分の生殺与奪権を賭けておいて笑うロシアの笑顔の裏にあるものが読めなくて、日本は眉根を寄せた。
目の前の大男はほのぼのと笑みを浮かべているが、心臓は先ほどから早鐘のように打っている。
本人は分かっていないようだが身体は正直なものだ。
怖いのなら、試すようなことをしなければいいのに…と呆れてしまう。
「軽々しく人の目に晒したり、ましてや預けたりするものではありませんよ。大事にしまっときなさい」
ようやく心臓を受け取って胸にしまいこむとロシアは笑顔で日本に促した。
「で?君の愛を見せてはくれないの?」
「私は(あなたと違って)普通の国ですから。心臓は取外し不可ですので承りかねます」
心臓を渡すなんてタンビーになりそうなものなのにならないのはネタでなく書き手の問題ですね…!
同ネタ多数と見ました。早く皆様の心臓ネタが見たいです…!(わくわく)