愛知県美術館が所蔵する「黒漆厨子」内部の仏画の千体観音像が、仏像を安置する厨子本体に直接描くのではなく、絹地に描いたものが張り付けてあることが分かった。14世紀の制作とみられ、調査した京都国立博物館の大原嘉豊主任研究員は「こうした形式の厨子絵は非常に珍しい」と説明。700年前の制作時の状態がほぼそのまま残り、日本画の表装の歴史、技術を知る上で極めて貴重だ。
両開きの扉が付いた木造の厨子は高さ80・4センチ、幅66・5センチ。美術収集家の木村定三氏(1913〜2003年)と遺族が03年までに寄贈した3千点余のコレクションの1つ。県美術館が分野別に調査を進めていた。
内部の背面、側面、扉部分に仏画が張られ、11段にわたって聖観音像がびっしりと描かれているのが特徴。表情や色使い、線描などから、鎌倉−南北朝時代に制作されたとみられ、厨子も同時期のものと推定されるとのこと。
しかし、劣化が激しく、崩れ落ちる危険があるため、県美術館は今後、最新の科学技術を使って厨子の内部を分析する。結果を受けて、16年度末までをめどに段階的に修復する予定。
中日新聞より。
米誌ナショナルジオグラフィックは9日までに、インドネシアのスラウェシ島に残る洞窟壁画が、約4万年前に描かれた「世界最古の芸術作品」となる可能性があるとの専門家の研究結果を伝えた。
同誌によると、これまで最古の洞窟壁画とされるのはスペインのエル・カスティージョ洞窟のもの。約4万800年前に描かれたとされる赤い円や、約3万7300年前と推定される手形の絵が知られている。
オーストラリア・グリフィス大学の考古学者らが、洞窟壁面の年代測定法を使い、スラウェシ島の壁画を調査。その結果、洞窟の手形は、少なくとも3万9900年前と確認された。
共同通信より。
産経新聞より。
文化審議会は17日、「旧富岡製糸場」(富岡市)を国宝に指定するよう文部科学相に答申した。指定の対象は、木骨レンガ造の繰糸場(繰糸所)、東繭倉庫(東置繭所)、西繭倉庫(西置繭所)の3棟。いずれも1872年(明治5年)の創業時に建設され、2006年7月に国重要文化財に指定された。
文化審議会は、建造物9件を重要文化財に指定することも求めた。また、長野県千曲市の稲荷山地区を重要伝統的建造物群保存地区に選定することも答申した。
重要文化財の答申 築地本願寺本堂(東京都中央区)▽都々古別(つつこわけ)神社本殿(福島県棚倉町)▽旧醸造試験所第一工場(東京都北区)▽名古屋市庁舎(名古屋市)▽愛知県庁舎(同)▽三尾(みお)神社本殿(大津市)▽長谷寺本坊(奈良県桜井市)▽長浜大橋(愛媛県大洲市)▽旧増田家住宅(鹿児島県薩摩川内市)
読売新聞より。
政府は24日、2014年度の文化勲章を、ノーベル物理学賞の受賞が決まった半導体工学の中村修二(60)と電子・電気材料工学の天野浩(54)、人形浄瑠璃文楽の竹本住大夫(89)、小説家の河野多恵子(88)、分子組織化学の国武豊喜(78)、経済理論・経済学説史の根岸隆(81)、洋画家の野見山暁治(93)の7氏に贈ることを決めた。
文化功労者には漫画家のちばてつや(75)、宇宙物理学・宇宙論の佐藤勝彦(69)、スポーツの樋口久子(69)の3氏ら17人を選んだ。
共同通信より。
路上観察などで知られる前衛芸術家で、流行語となった「老人力」の生みの親でもある芥川賞作家の赤瀬川原平さんが26日午前6時33分、死去した。77歳。
「尾辻克彦」のペンネームで執筆した小説「父が消えた」で81年、芥川賞を受賞。他の著書に「超芸術トマソン」「千利休」「新解さんの謎」など。
共同通信より。
AFPBB Newsより。
ロイター通信より。関連記事:2014年7月24日スクラップ「盗難から10年以上、マティス絵画再展示」