2014年
04/01  「二童子像」頭部が実は逆でした 寒河江・慈恩寺、修復完了し不動堂に安置

寒河江市の慈恩寺本堂東隣の不動堂に安置されており、昨年11月から修復に出していた県指定有形文化財「二童子像」(2体)の作業が終わった。修復の結果、製作時期が当初の見方より古く、さらに2体の頭部が入れ替わっていたことが判明した。
不動堂は1635(寛永2)年に建てられ、東北36不動尊第1番札所となっている。二童子像は、不動明王立像(県指定有形文化財)の両脇に控える脇侍で、正面から見て右が「矜羯羅」、左が「制●迦」と呼ばれている。2体は欠損箇所があるなど、傷みが激しいことから修復に出し、3月28日に作業が完了した。
修復を手掛けた「泉企画」によると、鎌倉時代末期とされていた製作時期が、50年以上さかのぼる1200年代の鎌倉中期ということが判明。作風などから慶派の仏師によるものの可能性があるという。二童子像の頭部が入れ替わっていたことも分かり、首と胴の接合部分が合致した。関係者は火災などで持ち出された際に入れ間違えたのではないかとみている。
●…口ヘンに屯

山形新聞より。

04/03  台所に15億円の盗難絵画 ゴーギャン、伊警察が44年ぶり発見

英BBC放送などによると、イタリア警察は2日、フランスの画家ゴーギャンとボナールの絵画を約44年ぶりにシチリア島で発見したと発表した。工場従業員が台所に約40年間、飾っていた。少なくとも計1060万ユーロ(約15億円)の価値があるという。
絵画は1970年にロンドンの収集家の自宅から盗まれ、イタリアの列車内に放置された。75年に行われた国鉄の落とし物の競売で、イタリア自動車メーカーの従業員が当時、現在の貨幣価値で23ユーロ相当の金額で落札したという。
絵画は従業員が退職してシチリア島に持ち出すまでは、イタリア北部トリノの自宅に掛けられていた。
息子が他のゴーギャン作品に似ていることに気付き、専門家に相談。警察が盗品であることを確認した。静物を描いたゴーギャンの絵画は、1千万〜3千万ユーロの価値があると推定されている。

産経新聞より。

04/04  竹久夢二の作品を発見 ハワイ滞在中に描いた日本画

竹久夢二(1884〜1934)が米ハワイ滞在中に描いた日本画「宵待草」が見つかったと竹久夢二美術館(東京都)が3日、発表した。ハワイで制作した作品が確認されたのは初めてという。
夢二は1931年5月に日本を出発し、ハワイに約2週間滞在。その後、米西海岸や欧州などを外遊した。この間に描いた作品は37点見つかっているが、ハワイでの作品はなかった。
今回の作品はハワイ島日本人移民資料館から作品を引き継いだハワイ・ジャパニーズ・センターが昨年10月、夢二美術館に鑑定を依頼、夢二の作と判断された。作品は縦127センチ、横36・5センチ。紙に岩絵の具で、テーブルにひじをつく和服姿の女性が描かれている。大正時代の流行歌にもなった夢二の詩「宵待草」がつづられていた。詩の脇には「キラウイアに宵待草を見出で今は遠き日を偲(しの)びて/千九百三十一年五月/於布哇(ハワイ)」とある。

朝日新聞より。4月4日から6月29日まで竹久夢二美術館で展示されるとのこと

04/05  長沢芦雪の絵を保管 串本町くじの川の徳泉寺

紀伊民報より。

04/11  古田織部美術館が開館、京都 千利休の高弟

古田織部の作や「織部好み」と呼ばれて茶人の間で流行した茶道具を集めた私設美術館「古田織部美術館」が12日、京都市北区に開館する。
織部作の茶杓のほか、織部好みの茶わんやびょうぶなど約500点を年4回に分け、常時50点〜60点ずつ展示する。

共同通信より。

04/12  内山武夫氏死去 元京都国立近代美術館長

元京都国立近代美術館長で美術評論家の内山武夫氏が5日、死去した。74歳。
専門は近代日本美術。ソフィア京都新聞文化会議のメンバー、続「京都 日本画新展」の審査員を務めた。著書に「竹内栖鳳」「原色現代日本の美術3 京都画壇」など。

京都新聞より。

04/17  ロバート・キャパのサイン発見 新宿の文壇バーで記す

ロバート・キャパのサインを東京都の男性が保管しており、今月、キャパの直筆と確認された。キャパが54年4月に来日した際、写真家の木村伊兵衛らと訪れた新宿の文壇バー「みちくさ」で書き残したものという。経営者の遺品に残されていた。

朝日新聞より。サインは東京都写真美術館で開催中の「101年目のロバート・キャパ―誰もがボブに憧れた」で、16日から追加展示。

04/18  「牧神」に別構図発見 大阪、フェスティバルタワー

中之島フェスティバルタワーの壁面を飾るレリーフ「牧神、音楽を楽しむの図」に別の構図のデッサンがあった。レリーフをデザインした彫刻家の建畠覚造氏(1919〜2006)の遺品から遺族が発見し、和歌山県立近代美術館に寄贈した。同美術館は「レリーフの下絵か、次回作のデッサンだったのでは」とみている。
デッサンは縦35・7センチ、横25・1センチの紙に鉛筆描きされたもの。レリーフと同様に、ギリシャ神話に登場する音楽好きの牧神(パン)3体がそれぞれ竪琴、笛、鳥を手にして、太陽、星、月とともに描かれている。58年ごろの作品とみられる。
レリーフは同年に開館した旧フェスティバルホールから、一昨年の秋に開業したフェスティバルタワーへ引き継がれた。レリーフと異なり、新たに見つかったデッサンでは牧神や天体がまっすぐ縦一列に整列。牧神や天体の形が抽象化されて描かれたものもあった。

朝日新聞より。

04/19  鳳凰堂の屋根飾りも平安期製作か 京都、平等院

京都府宇治市の平等院は19日、国宝・鳳凰堂の左右にある翼廊の屋根飾り「露盤宝珠」が平安時代に作られた可能性があるとの調査結果を発表した。
平等院によると、露盤宝珠は翼廊の屋根にそれぞれ取り付けられ、重さは140キロと150キロ。高さはいずれも105センチで、六つの部材からなり、大部分が青銅製。
平成の修理のため昨年11月に取り外され、蛍光エックス線で成分調査したところ、銀とアンチモンの割合が平安時代の作とされる鳳凰像と共通していたことから、露盤宝珠の製作も同時期だった可能性があるという。

共同通信より。

04/19  三重県総合博物館が開館「ミエゾウ」復元標本も

三重県内の歴史や文化、自然に関する資料を展示する県総合博物館(津市)が19日開館した。国内で公立博物館が開館するのは、沖縄県立博物館・美術館以来約7年ぶり。
三重県総合博物館は120億円をかけて整備され、鉄骨鉄筋コンクリート3階建てで延べ床面積約1万800平方メートル。3階中央部分には、430万〜300万年前に生息し、博物館敷地内で足跡化石が発見された古代ゾウ「ミエゾウ」の全身復元骨格標本(全長7・6メートル、高さ3・6メートル)が展示されている。
同館は初年度の観覧者を約22万人と見込んでいる。

読売新聞より。博物館公式サイト

04/20  前衛作品集めた美術館閉館へ…所蔵品海外流出も

現代芸術作品では国内屈指のコレクションを所蔵する清里現代美術館(山梨県)が、閉館することが分かった。
同館は、現代美術作品や、約1万点近い文献、関連資料などの個人コレクションを常設展示するため、1990年に開館した。
所蔵品には、ジョン・ケージの代表作「4分33秒」の楽譜や立体作品、自筆の草稿のほか、マルセル・デュシャン代表作の構想を描いた銅版画。ヨーゼフ・ボイスがパフォーマンスで用いた道具などがある。
また、1960年代を代表する前衛芸術運動「フルクサス」で作られたポスターなど関連する資料を展示。これまでに東京国立近代美術館や国立国際美術館など国内の30近い美術館の企画展に作品が貸し出されるなど、所蔵品の価値は高く評価されてきた。
閉館時期は未定。現在は所蔵品や建物の引き取り手を探し始めている。所蔵品は海外での評価が高いため、「作品や資料の多くは海外に渡る可能性が高い」という。

読売新聞より。

04/23  中之島の新美術館、2020年度までに開設 大阪市

大阪市は23日の戦略会議で、北区中之島に新設する美術館を2020年度までに開設することを決めた。「大阪と世界の近現代美術」をテーマに、大阪にゆかりのある作家の作品を中心に展示する。今年度中に市民の意見を踏まえて整備方針をまとめ、来年度以降に着工する。
この日の戦略会議で示した整備方針案によると、新美術館の延べ床面積は1万5千平方メートルで、敷地内にはレストランやショップも設ける。施設整備費として121億円をかける計画。大阪生まれの画家である佐伯祐三や吉原治良の作品を中心に約4700点のコレクションを常設で展示。集客力のある展覧会の誘致も目指していく。

朝日新聞より。

04/25  <前衛書道>カーテン裏からお宝発見 静岡・沼津市役所

静岡県沼津市役所4階特別応接室のカーテンの裏から、抽象美術家、篠田桃紅さんの壁画「泉」が見つかった。約30年前に作品の前にカーテンをかけ閉め切ったため、いつしか職員も存在を忘れていた。カーテンで日差しやたばこの煙から守られていたため、汚れや色あせがなく保存状態は良いという。
「泉」は縦2.5メートル、横7メートル。前衛書道の一種で、漢字から受けるイメージを自由に膨らませ絵画表現として描く「墨象」と呼ばれる作品。「泉」という漢字から受けるイメージを膨らませて描かれたと思われる。
1966年7月の市庁舎完成に合わせ、当時120万円で購入した。

毎日新聞より。

04/25  国立西洋美術館を世界遺産推薦へ 3度目の挑戦

文化庁は25日、国立西洋美術館本館(東京)などフランス人建築家ル・コルビュジエによる建築作品17件について、2016年の世界文化遺産登録を目指し、フランスや日本など関係7カ国が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦することで合意したと明らかにした。フランスや日本などがこれまでに2回推薦したが、いずれも登録には至らず、3度目となる。構成遺産17件のうち10件はフランスにあり、日本は国立西洋美術館本館のみ。

共同通信より。

04/26  ウォーホルのデジタル作品、約30年前のフロッピーから発見

AFPBB Newsより。

04/30  造形作家、企画展の会場で事故死か 青森

29日、青森市の青森公立大国際芸術センター青森の展示場で、造形作家の国府理さんがアクリル製の箱を使った自分の芸術作品内で倒れているのを同センターの女性職員が見つけ、通報した。国府さんは市内の病院に搬送されたが、死亡が確認された。
青森署によると、箱は縦2・3メートル、横4・5メートル、高さ2・7メートル。箱内には軽乗用車1台があり、一定の間隔でエンジンがかかる仕組みだった。国府さんはエンジンの点検を1人でしていたという。
青森公立大によると、当時は観客はいなかった。展示作品のメンテナンス中に事故が起きたとみている。

朝日新聞より。