2005年
01/05 現代美術家クリスト、NYセントラルパークで制作始める
全長37キロの遊歩道に「門」を7500個設置し、鮮やかなサフラン色の布で覆う、という大掛かりな作品とのこと。クリスト夫妻は1979年から、この作品の制作を計画しており、現在約100人の作業員が作業を進めている。
4日付ロイター通信。制作は2月12日に終了し、公開は2月27日までの予定。
01/08 モーツァルト最後の肖像画 ベルリンの美術館で公開へ
美術館「ゲメルデガレリー」は7日、モーツァルト(1756-91)の最後の肖像画とみられる油絵が見つかったことを明らかにした。モーツァルト生誕249年に当たる27日から一般公開する。
油絵は縦80センチ、横62.5センチ。ヨハン・ゲオルク・エドリンガー(1741-1819)の作品で、同美術館が70年前に入手していた。
共同通信。分析の結果、「恐らく死の1年前に当たる1790年にミュンヘンで描かれたモーツァルトの最後の肖像画と分かった」としているそうです。
01/11 加藤卓男氏が死去 「三彩」復元の第一人者
陶芸家、加藤卓男氏が11日、死去。87歳。
95年、三彩の研究、復元で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。
共同通信。
01/14 ダビンチの工房か 伊フィレンツェの修道院
工房として使ったとみられる部屋が、13日までにフィレンツェ市の中心部で見つかったと、トスカーナ州が発表したとのこと。絵画「聖アンナと聖母子」の制作場所と考えられるほか「モナリザ」が描かれた可能性もある。部屋はサンティッシマ・アヌンツィアータ聖堂に接したセルビ・ディ・マリア修道院にあり、陸軍地理院の研究者がこのほど、壁に描かれた鳥や天使など、ダビンチの弟子が描いたとみられる絵を発見した。
共同通信。
01/21 未盗掘のミイラ発見 3800年前の彩色木棺
エジプト・ダハシュール北遺跡を調査している早稲田大古代エジプト調査隊によると、約3800年前とみられる未盗掘の墓から、彩色木棺に納められた男のミイラが見つかったとのこと。ミイラは縦に掘った穴の下に部屋を造る「シャフト墓」から見つかった。木棺は黄色く塗られ、水色でヒエログリフが鮮明に描かれていた。
共同通信。
01/21 竹久夢二の初期作品を発見
20代後半に描いたとみられる絵が見つかったと、竹久夢二美術館が発表したとのこと。泣く子どもを墨で紙に描いており、夢二初期の日本画で童画は珍しいという。画題は不明で、同美術館は「凧」と名付けている。サイズは横約30センチ、縦約114センチで、軸装。
共同通信。今月17日、同美術館が古書店から入手したそう。署名と印の書体、画風などから明治時代末ごろの真作と判断されたとのこと。
01/22 「ダ・ヴィンチ・コード」映画版、ルーブル美術館で撮影へ
ダン・ブラウン原作「ダ・ヴィンチ・コード」の映画化にあたり、フランス政府はロン・ハワード監督にルーブル美術館での撮影を許可する見通しとのこと。撮影は5月に始まり、米俳優トム・ハンクスが主人公ロバート・ラングドン教授を演じる。フランス文化省報道官は、今年夏にルーブル美術館で撮影が予定されていることを認めた。
21日付ロイター通信。映画製作チームは、原作の冒頭に登場するグランド・ギャラリーと、修復のため一時閉鎖されているレオナルド・ダ・ビンチの名作「モナリザ」の展示室を下見したそう。
01/24 マツオ:滝川市に美術品を寄付 北海道
ジンギスカン鍋を普及させた滝川市の「マツオ」が、絵画、蒔絵、花瓶など173点の美術品を同市に寄付したとのこと。江戸時代の貴重な古美術品も多く、同社の購入価格は1億2850万円に上る。市は今年秋までに「マツオ・コレクション展」を開いて公開する。
寄贈品は陶磁器112点、書画30点、工芸品など31点。▽赤漆に竜を描いた古美術品の「龍文蒔絵台」▽尾形光琳による香りだんすか菓子器▽喜多川歌麿の美人画▽富岡鉄斎の南画など。
毎日新聞。寄付は、来年の創業50周年記念行事の第1弾なのだそう。
01/26 島根流出の南蛮屏風、オランダ国立美術館が収蔵
江戸時代前期に制作された南蛮屏風が、オランダのアムステルダム国立美術館に収蔵されていることが分かったそうです。南蛮屏風は国内外で約70点しか現存しておらず、同館が所蔵する日本絵画の代表作となっているとのこと。
島根県芸術文化センター建設室の梶山博史学芸員の文献調査で明らかになった。屏風は六曲一双。右隻、左隻ともそれぞれ縦1.5m、横3.5m。京都の絵師が描いた可能性があり、出雲部の旧家が所蔵していたが、1963年に手放し、オランダに流出したとのこと。
山陰中央新報。
01/26 「オペラ横尾忠則を歌う」を復刻
画家の横尾忠則さんと作曲家の一柳慧さんが1969年に制作した2枚組みのレコード作品「一柳慧作曲 オペラ横尾忠則を歌う」が2月3日、LPサイズのCDボックスとして35年ぶりに復刻されるとのこと。ジャケットとレコードには極彩色のイラストが描かれ、60年代文化の熱気を生々しく伝えている。
朝日新聞。
01/27 松江の天倫寺から江戸中期の名僧・白隠の絵画と墨跡
白隠禅師が描いた絵画1点と墨跡10点が伝わっていることが、島根県古代文化センターの社寺調査で新たに確認されたとのこと。見つかった絵画は「達磨図」(縦1m、横56cm)。墨跡には、天倫寺の山号の「神護山」などの文字が書かれていた。
同寺には県の有形文化財に指定されている「出山釈迦図」など、白隠作の4点の絵があることが知られていたが、これ以外の絵画と墨跡が判明した形。白隠に学んだ円桂が同寺の住職を務めたため、多くの作品が伝わった。らしいです。
山陰中央新報。同寺に残る文化財が体系的に調べられたのは初めて。2003年7月から2004年2月にかけて調査した結果、約400点の書画と典籍を確認したとのこと。
01/27 困窮、岸田劉生…お金 必死に工面 大阪で手紙発見
岸田劉生が、関東大震災で避難していた京都から大阪の知人にあてた手紙が、大阪市内の古書店で見つかったとのこと。内容は「この前、春陽会に出した椿花篭の図(五百円)をもしよろしかったら二度払い位にてとって頂けませんか、今二百円、来年の正月頃あと三百円で」と、自作を分割払いで買い取ってくれないかと、申し入れている。後半では、自分の絵を買ってもらえない場合、自ら収集している葛飾北斎の浮世絵の購入についても打診。「北斎の富士三十六景の中十五、六枚、その中一枚二百余円のものあり。(中略)それらをまとめて五百円に」などと書いている。手紙は、大阪府東成郡田辺町(現・大阪市東住吉区)の久米利助という人物にあてたもので、大正十二年十月二十一日付、京都・聖護院局の消印が押されている。
産経新聞。『劉生日記』によると、結局、手紙の相手である久米利助は十月二十九日に劉生宅を訪れ、「麗子像」の素描を百円で購入しただけだった。
01/27 フィリップ・ジョンソン氏死去、米建築界の巨匠
25日夜、コネティカット州ニューカナーンの自宅で死去したとのこと。98歳。
ニューヨーク近代美術館(MoMA)に建築部門を設立、近代建築の国際的展示を開催。コネティカット州に建設した通称「グラスハウス」をはじめ、ニューヨークのシーグラムビルやAT&Tビルなどで高い評価を受けた。
26日付ロイター通信。
01/28 ルーブル美術館、18世紀芸術家の頭部像を記録的な高値で落札
サザビーズで27日、オーストリア人芸術家、フランツ・メッサーシュミットが制作した頭部像のオークションがあり、ルーブル美術館が予想落札価格の約10倍に上る483万ドル(約4億9800万円)で落札したとのこと。
27日付ロイター通信。メッサーシュミットが制作した頭部像は、これまで43体しか見つかっていないとのこと。
01/28 輝き取り戻した古代の金具 馬具飾り復元
藤ノ木古墳(6世紀後半、国史跡)で出土した馬具の飾り金具(国宝)を、奈良県立橿原考古学研究所付属博物館などが復元したとのこと。29日から同博物館で特別陳列する。
金銅製で幅8.5センチ、長さ15.5センチ。全体は草履のような形で精密な透かし彫りで胴をくねらせる竜を表現、縁取り部はあわ粒を並べたような魚々子紋を施していた。鞍に掛ける布に付けたとみられ、8点が出土。いずれも同じと思われたが、復元の途中で竜の胴体の彫り方がわずかに違う2種類あると分かり、それぞれ復元した。
共同通信。
01/31 没収のパンダはく製、国立科学博物館が引き取り
ワシントン条約で商取引が禁止されているジャイアントパンダのはく製を売買したとして、大阪市内の元会社経営者らが種の保存法違反に問われ、東京地裁判決が没収を命じたパンダのはく製が、国立科学博物館に引き取られたとのこと。刑事裁判での没収物は換価処分が不可能な場合、廃棄されるのが通例だが、パンダのはく製には学術的価値があるため、東京地検が引き取り先を探していた。
読売新聞。国立科学博物館とありましたので。






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