2002年
08/01 「ダリ」商標不可
スペインの画家サルバドール・ダリの著作権管理会社(オランダ)が、日本メナード化粧品の知的財産権管理会社による「ダリ」の商標登録を有効とした特許庁の審決を取り消すよう求めた訴訟で、東京高裁は31日、オランダの会社側の主張を全面的に認め、商標登録を無効とする判決を言い渡した。
商標は「DARI」、画家のダリは「Dali」と、綴りが違うそうなのですが、認められなかったようです。美術分野の記事ではありませんが、ダリの名前が出てきたので強引に入れてみました。
08/02 紙幣 2004年度から一新
5000円札の裏面が、富士山から江戸中期の画家、尾形光琳作の「燕子花図」に変更されるとのこと。ちなみに表面は、新渡戸稲造から樋口一葉へ。
08/04 石山寺本尊から胎内仏4体 1体は飛鳥期、国内最古級
大津市・石山寺の本尊で重文の秘仏、木造如意輪観音半跏像(高さ5.3m)の胎内から7-8世紀の銅造の仏像4体が見つかり、3日、奈良国立博物館が発表した。4体もの胎内仏は初めて。
胎内仏は、8月9日から9月8日まで同館で展示。
08/06 太平記絵巻、幻の第6巻
鎌倉時代末期から南北朝時代の争乱を扱った長編戦記「太平記」を題材に、江戸時代初期に描かれた「太平記絵巻」(全12巻)のうち、最後まで存在が確認されていなかった第6巻を、埼玉県が英国で開かれたオークションを通じて3220万円で購入した。これにより、計200mにも及ぶ長大な絵巻の全容が明らかになった。
「太平記絵巻」は、海北友松の息子、友雪(1598-1677年)が描いたとされる。
埼玉県立博物館で、巻1、2、6、7、10の合わせて5巻を公開。3期に分け、3分の1ずつ展示する。8月6日から25日まで。
08/06 エジプト博物館、開館100周年を記念して特別展開催へ
5日 ロイターより。カイロのエジプト博物館が特別展を開催し、地下倉庫に保管されている未公開の品々を初公開する。展示品の中にはツタンカーメン王の墓で見つかった宝飾品など、約40点が含まれる。特別展「エジプト博物館の秘宝展」は、今年12月から1年間にわたり開催予定。
08/16 東京都美術館・博物館共通パスポートを発売
asahi.comより。都が運営する5つの美術館や博物館に1回ずつ入れる共通入場券が発売された。
入館できるのは、東京都庭園美術館、東京都江戸東京博物館、江戸東京たてもの園、東京都写真美術館、東京都現代美術館。 8月31日までの2日間有効で、値段は850円。券は、前記の5館、チケットぴあ、ファミリーマートなどで購入できるとのこと。(購入は29日まで)
対象展示など、詳細:東京都歴史文化財団HP
08/17 人も美術品も避難 欧州洪水
ラファエロの「システィナのマドンナ」などルネサンス期の貴重な絵画や陶磁器などを所蔵するツウィンガー宮殿では数日来、所蔵品をコンテナに積んで安全な場所に移す作業に追われている。
エルベ川とそれに注ぐムルデ川の合流地点に近いデッサウでも浸水が始まり、バウハウスの建築群から展示物が運び出された。
08/20 エドゥアルド・チリーダ氏、死去
19日 ロイターより。スペインを代表する現代彫刻家エドゥアルド・チリーダ氏が死去した。78歳。チリーダ氏は鉄を素材にした作品で知られ、「風の櫛」などの代表作がある。
08/23 ムガール皇帝の品だった
東京の出光美術館の館蔵品展「世界を魅了したコバルトブルーの陶磁器」に出品されている明時代の「青花葡萄唐草文輪花皿」が、かつてインド・ムガール帝国皇帝の所蔵品だったことがわかった。
大皿は15世紀初めの永楽期、景徳鎮窯で作られた。底面にペルシャ文字による11の書き付けがある。展覧会に際して、専門家に解読を依頼した所、1758年、即位4年目のムガール帝国14代皇帝アーラムギール2世がこの皿を見た際の記録と見られる文などを確認できた。
08/24 隠密作戦で7年ぶりに絵を回収
河北新報より。7年前に英国ウィルトシャーの貴族の屋敷から盗まれた、ティツィアーノの「エジプトへの逃避途上の休息」が、美術品に詳しい探偵や元泥棒まで動員した隠密作戦の末、ロンドンのバス停で回収された。ビニールの袋に入った絵は額が失われていただけで、本体は無傷だった。
盗難当時、持ち主のバース卿が10万ポンド(約1800万円)の報奨金を提示、泥棒の側も「身代金」を要求してきたと報じられていた。
「誘拐事件の解決のような謎だらけのドラマ」と、報じられているそうです。誘拐ということは、やっぱり身代金と引き換えに戻ってきたのでしょうか。バス停が引き渡し場所ですか。
08/26 彦根城築城 石曳図屏風
彦根城を築く際の巨石を運ぶ様子を描いた江戸時代前期の「石曳図屏風」が、京都市の美術館・中村甲刀修史館で見つかった。築城途上を描いた図は全国に数例しかなく、城が特定されたものは初めて。
縦95センチ、幅1.7メートルの二曲屏風。右下に「江州佐和山普請 井伊采女石曳之図」との墨書きがある。
08/27 犬の死がい利用の美術作品、チリで物議かもす
26日 ロイターより。保守的なお国柄のチリで、車にひかれた犬の死がいを使った美術作品が公開され、論議を呼んでいる。
制作したのは、画家兼彫刻家のアントニオ・ベセーラさん。サンティアゴ市内各地で集めた犬の死がいに防腐処理を施したうえで、体に絵を描いたり、ピンやくぎを刺すなどして、「Oils on Dogs」と称する作品を仕上げた。
動物愛護団体や政治家は、この作品が政府の助成金(7800ドル)で制作されたであろうことを問題視し、強い反発を表明。一方、ベセーラさんは制作意図について、社会における暴力や残酷さを投影した、と説明している。
08/27 カンボジアで黄金の仏像27体発掘される
27日 ロイターより。カンボジアの首都プノンペンの北に位置するコンポントムで、黄金の仏像27体が発掘された。
仏像の大きさは約10センチで、重さ0.5キロ。1970年代のポル・ポト政権時に破壊された仏塔の修復工事のため、土地を掘り起こした作業員が発見した。現場からは銀製と銅製の仏像4体も見つかっているという。砂岩造りの仏塔は200年前に建設されたとみられており、仏像はそれ以上古いものだと考えられている。
仏像をめぐっては、修復後の仏塔に奉納するか、博物館に展示するかで既に意見が分かれているという。
08/31 三千院、秘仏の本尊・薬師如来像を初公開
asahi.comより。京都市の三千院が、秘仏の本尊・薬師如来像を9月8日から10月8日まで初公開するとのこと。最澄が比叡山に三千院の起源といわれる堂を開いて約1200年とされるのを記念した。薬師如来像は、最澄の作とも伝えられ、宸殿にある厨子の中に安置されてきた。
拝観料:大人600円、中・高生300円、小学生150円






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