2001年 |
07/03 電子博物館システム 著作権保護を強化 |
富士通は、博物館や美術館の収蔵品をデジタルデータとして管理し、インターネット上などで公開できる新システムを開発した。今回のシステムは、暗号技術などを駆使して、著作権の保護を強化している。 新システムは、デジタル化したデータをインターネット上などで公開する際には、画像に著作権者名などの情報を見えない形で埋め込む「電子透かし」の方法に加え、重要性の高いデータは画面に「見本」となる小さな画像だけを表示する。本物の画像は暗号化し、会員登録などによって特定のIDを持った人だけが見ることが出来るようにする。IDを入力せずに見本の画像だけを複写すると、本物の画像が消える仕組みになっていて、「データの不正利用を防ぐことができる(同社)」という。 |
07/05 世界最古級の線刻画 仏の洞くつ |
フランス南西部ドルドーニュ県キュサックの洞くつで昨年9月に発見された先史時代の線刻画は、紀元前2万2千−3万5千年に描かれた世界最古級であることが分かった。仏国立先史センターが4日、発表した。これまで世界最古とされるのは同国南東部のアルデシュ県で1994年に見つかった紀元前約3万年の線刻画。今後の調査によっては、記録が更新される可能性もある。 線刻画は高さ約12mの洞くつの壁面に長さ約1kmにわたり刻まれており、マンモスやサイなどの動物や人間の女性など約200点に上る。 |
07/12 「若き日の仏陀」登録美術品に |
フランス象徴主義を代表する画家オディロン・ルドン(1840-1916)の油絵「若き日の仏陀」が11日、国の登録美術品に加えられた。仏陀の穏やかな横顔を描いたこの作品は、日本画家・土田麦僊(つちだ・ばくせん)がフランスから大正時代の後期に持ち帰った。現在は京都市の京都国立近代美術館に寄託されており、同館の常設展で公開。 |
07/18 棟方志功旧宅公開へ |
わが国を代表する版画家の棟方志功(1903-75)が第二次大戦直後に家族で過ごした富山県福光町の旧宅が、同町に買い取られ、あす19日から一般公開される。アトリエの板戸やトイレの土壁や天井などに、棟方独特のタッチで描かれた天女、コイ、仏などの墨絵が残されている。 |
07/19 浮世絵研究第一人者 楢崎宗重氏死去 |
18日、心不全のため死去した。97歳。 東京帝大(現東大)で浮世絵を専攻。1944年、本格的な伝記研究に基づく「北斎論」を刊行するなど、趣味的な分野と見られがちだった浮世絵に、美術史学の手法で取り組んだ。62年、日本浮世絵協会(現国際浮世絵学会)を設立するなど、研究体制の整備にも尽くした。 95年、研究の過程で集めた美術品480点を東京・墨田区に寄贈し、話題を呼んだ。他の著書に「北斎と広重」全8巻など。 |