2001年
04/01 「大仏立像」石版画で再現
アフガニスタンのバーミヤン大仏立像を破壊した同国のイスラム原理主義勢力タリバンに対する国際社会の反発が広がる中で、30日、パリの観光名所ポンピドゥ・センター正面に「大仏立像」の石版画が掲げられた。
これは1887年に制作されたバーミヤン仏像石版画の複製図で、高さ55mの仏像をほぼ半分の大きさで再現した。アラニョン同館長によると、石版画の仏像は高さ28m、仏像破壊に対する抗議の意味で作成された。
04/03 ノーベル賞博物館オープン
ノーベル賞が創設され、今年でちょうど100年になるのを記念して、ストックホルムで「ノーベル博物館」が完成、2日から一般公開が始まった。博物館のテーマは「創造性の文化」。展示では、32人の受賞者に焦点をあてた。
この展示は世界各地を巡回する予定。日本では2002年3月18日から6月9日まで、東京の国立科学博物館で紹介される。
美術ではありませんが、博物館ということで入れてみました。
04/04 飛鳥の朱雀 朱の翼 奈良・キトラ古墳四神像を確認
奈良県明日香村阿部山、キトラ古墳(国特別史跡、7世紀末〜8世紀初め)の石槨(せつかく)南壁から、古代中国の方位の守護神獣・四神の「朱雀」が発見され、1998年の調査で他の三方の壁で確認された玄武、白虎、青竜と合わせ、四神がそろった日本初の壁画古墳と判明、3日、同古墳学術調査団が発表した。
朱雀は推定縦20cm、横60cm。南壁中央上部に描かれ、力強い黒線で縁取り。頭部や背中、羽根などに鮮やかな朱色が残り、顔料は水銀朱とみられる。
三面の壁面四か所から服の衿などを描いたと見られる朱線も見つかり、人物群像が描かれていたとの見方が出ている。天井に描かれた現存する世界最古の天文図も鮮明な画像が得られた。
--04/07 キトラ古墳・続報 湿気で消えた?人物像
キトラ古墳で、朱雀など四神像の下の人物群像とみられる壁画がほぼ消えていたのは、石槨内に染み込んだ雨水の湿気が影響した可能性の高いことが、同調査団の調べでわかった。キトラには雨水のたまった痕跡があり、壁の下部に高い湿気を もたらして顔料をはく落させたらしい。四神像にも被害の恐れがある。
--04/11 キトラ古墳・続報 「朱雀」「白虎」は左利き画師作?
南壁に描かれていた朱雀像と西壁の白虎像は、輪郭の墨線の特徴から、同一人物とみられる左利きの画師が描いた可能性の高いことが11日、同調査団の調査でわかった。北壁の玄武像とは筆遣いが異なっており、複数の画師を抱えた工房が制作にあたったことをうかがわせている。
04/13 岡本太郎さん戦場デッサン 貴重な作品発見
「太陽の塔」などで知られる芸術家の岡本太郎氏(1911〜96)が第二次大戦中に、出征先の中国で描いたスケッチが13日までに見つかり、所有者から岡本太郎記念館(東京・南青山)に寄贈された。岡本氏が戦地で描いた絵が確認されたのは初めて。
絵はB4ほどの大きさで、上半身裸で休息する兵士の姿。「昭和二十年三月十日 於祁陽(きよう)」と、湖南省内の地名を記している。18歳で渡欧した岡本氏は1940年に帰国、42年に召集され、二等兵として中国の前線にいた。
04/13 堀内正和さん死去
抽象彫刻のパイオニア的存在の堀内正和さんが13日死去した。90歳。
戦前は具象、抽象の両方を手がけたが、戦後は一貫して抽象表現の可能性を探った。日本を代表する抽象彫刻家としてサンパウロ・ピエンナーレなど多くの国際展に出品。69年の第1回現代国際彫刻展で大賞、87年には毎日芸術賞。
04/21 「慶長遣欧使節資料」国宝に
文化審議会が文部科学相に、国宝、重文指定を答申したという記事。答申されたものを、以下に抜粋してみました。
国宝【絵画】紺紙著色金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅図
重要文化財【絵画】紙本着色聖母子十五玄義・聖体秘跡図▽絹本着色二美人図=葛飾北斎筆▽絹本着色吉野曼荼羅図【彫刻】銅造如来立像▽墓守=朝倉文夫作
見出しの「慶長遣欧使節資料」は、歴史資料として初めて国宝指定されるとのこと。






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