2001年
01/05 東京都現代美術館の新館長決まる
東京都現代美術館の新館長にアサヒビール相談役名誉会長の樋口広太郎氏が就任することが5日、内定した。無駄が指摘されている同美術館に経営感覚を取り入れたいと、石原知事が就任を要請していた。
本当の無駄は、なくさないといけません。でも、経営感覚のみで考えると、文化事業自体が無駄に見えてきはしないだろうか。その辺がちょっと心配。
01/06 名画強奪で5人逮捕
スウェーデンのストックホルム市警察は4日、先月22日に同国立美術館で起きた名画強奪事件に関係した疑いで、スウェーデン国籍の男5人を逮捕したと発表した。
この事件では、武装した犯人グループが警備員を脅して、レンブラントの自画像1点とルノワールの作品2点(評価額 計約34億円)を奪って逃走、その後警察に作品の写真を送りつけ、返還と引き換えに現金を要求していた。(欧州総局)
01/09 バロン薩摩 生誕100年
在パリ日本人芸術家を支援し、滞仏中に現在の金額で600億円相当を散財したといわれるバロン薩摩こと薩摩治郎八氏が死去して24年、2001年に生誕100年を迎えるため、記念行事の企画を、という声が在留邦人の間で高まっている。
薩摩氏は20歳で渡欧。第二次大戦前のベル・エポック時代のパリで画家のマリー・ローランサン、ジャン・コクトーらと交遊し、藤田嗣治らを支援した。
パリ社交界で名を上げた薩摩氏が、現在の10億円程度にあたる350万フランを寄付して完成したのが日本人留学生会館「日本館」。その後、同館から多くのフランス研究者や芸術家たちが育ち、戦前、戦後を通して日仏間の人材養成に大きな役割を担ってきた。
仏側は薩摩氏の偉業を今でも高く評価している。
01/19 美術史学界最長老 源豊宗氏死去
日本美術史学界の最長老、源豊宗(みなもと・とよむね)氏が17日死去した。105歳。
京大出身。雑誌「仏教美術」の創刊に携わり、仏教彫刻をはじめ、近世絵画に至るまで幅広い分野の研究に先鞭をつけた。
文学や歴史、哲学の豊富な知識を背景にした実証的研究は、1984年から刊行中の「日本美術史論究」に集成された。他の著書に「大和絵の研究」「日本美術の流れ」など。
01/21 重文の彫刻焼失?
20日、愛知の法花院から出火、同院の本堂、庫裏など約500平方メートルを全焼した。
同院には、国の重要文化財に指定されている平安時代の彫刻「聖観音像」(木造観音菩薩立像、高さ163cm)や、愛知県の指定文化財「不動明王図」があるが、どちらも焼失した可能性が強い。同院は、尾張四観音の一つとして、参拝客を集める甚目寺観音の境内にある。
01/28 「デジタル美術館」 ソウル地下を走る
液晶モニターやデジタル写真など先端技術を駆使して地下鉄の車両をミニ美術館に仕立てた「デジタル文化列車」がソウルの地下鉄六号線で1日6回運行され、話題を集めている。
ソウル都市地下鉄公社と民間美術企画会社が共同で企画したもので、8両の車両をそれぞれテーマ別に装飾。現代美術作家が腕をふるい、独自のデジタル空間に仕上げた。
12月から3ヶ月間の予定で運行が始まったが、評判は上々。気をよくした地下鉄公社では今後、すべての路線に常時、「文化列車」を運行させることも検討している。






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