01/12-02/27 東京国立近代美術館
▼戦後の美術を新たな枠組みで問い直す。てな感じでしょうか。痕跡と名付けられたイメージが、表面、行為、身体、物質、破壊、転写、時間、思考へと散らばり、再び収束するというか。多彩な作品は多彩なままそれぞれの個性を放っているのだけど、散漫に陥らず、不思議に喉ごしよく見られたりします。
▼作品自体も、面白い(と言っていいのやら)ものが多かったです。
アナ・メンディエッタは、レイプ現場の再現や、血液らしきものを身体になすりつけたりのパフォーマンスなど。これらは女子学生のレイプ殺人に衝撃を受けたことから、発せられているらしい。それは事実なのだろうけど、衝撃が開眼のきっかけともなっているのでは?血液の赤色、苦痛に対する嗜好が頭をもたげたとか。作品は他に、道端に血と臓物らしきものを撒き、通行人の反応を記録したりするのもありました。遠巻きに眺める人が大部分な中、片付けてるおじさんがいて意味不明に和む。
血つながりでは、鋭い飛沫が印象的なヘルマン・ニッチ。ウィーン・アクショニズムの人だそうです。ウィーン・アクショニズム系では、オットー・ミュールも参加。全裸の緊縛女性に絵具や食品をあびせかけ責めてみたり、糞尿・吐瀉物・ゴミの色と形状を保つ絵画をこしらえたりしています。塗りたくり。解説中に本人の言葉が紹介されていましたが、それの訳者が秋田昌美。どこかと何かがつながってすっきり爽やか。この辺りの作品は、作品としてどうよという問いもそこそこに、生理的部分に訴えてくる感じ。質より生理、質より性とか。
ルドルフ・シュワルツコグラーは、包帯ぐるぐる巻きでミイラ状態のまま、紐で縛りつけた鶏の死骸を犬の散歩よろしく引っ張ってみたり。傍らには電球や鏡、病室や刑務所を思わせる部屋。不健康なコンストラクテッド・フォトといいましょうか。
ところで、アナ・メンディエッタ、オットー・ミュール、ルドルフ・シュワルツコグラーのその後が壮絶なのは、偶然なのでしょうか。ヘルマン・ニッチのその後は、チェックし忘れました。(02/18) こういう展覧会は、構成などに重きをおいて見るべきなのかも。と、思いつつも、作家や作品のことばかり。
02/19-03/13 東京国立博物館 表慶館
▼1998年にシチリア島沖で漁船の網に掛かり、奇跡的に発見された古代ギリシャのブロンズ像《踊るサテュロス》を展示。
▼中に入ると、写真パネルがあります。様々なアングルで撮影されたサテュロスが複数。対面に向けての助走でしょうか。
現れた像は、肉付き良好で逞しく大きい。ついでに足の親指も太い。瑞々しさと筋肉の比率が、思っていたのとは少し違っていました(違う=良くないということではなく)。髪のゆるやかな流れ、身体のひねりにより生ずる躍動感が肝。臀部付近のへこみまで表現されていたり。全方位からの鑑賞可能です。(02/27) 「サテュロスに触れてみましょう」コーナーもあり。ほぼ原寸大のレプリカ(上半身のみ)、縮小サイズなど各種。原寸大では胸板を持ち上げてみたり、鼻をつまんだり、「マンダム」をしてみたりと戯れてきました。申し訳ない。
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巡回:03/25-09/25 愛知万博イタリア・パビリオン