2001年5-6月

アートになった動物たち展
04/20−06/03 福島県立美術館
外観。デカイです。図書館が併設されてます

▼動物をテーマにした彫刻を集めており、とっつきやすい雰囲気でした。動物が、元々親しみやすいイメージだからでしょうか。

▼それにしても、同じ種類の動物が同じ種類とは思えないバリエーションっぷり。馬の彫刻が特に多かったのですが、「馬ね」「馬かな」「…馬?」状態でした。作者の特徴がどこまでも色濃いのも面白い。ジャコメッティ馬は針金で、ボテロ馬は、ばんえいOKながたいの良さ。ボテロ馬、キュートでした。

▼他の動物にしても、タイトルを見ないと種類が判別できないのがあったりして。タイトル見ないで当てに入ってました。て、当たらないんですよ、これが。

▼彫刻は、色々な材質があって表情豊かですね。なめらかだったり、重量感があったり、ぬくもりがあったり。そこに作者のイメージが重なって、さらに沢山の表情を持った彫刻が生まれるのでしょうか。この展覧会を観て、そんなことを思いました。(05/04)

かわゆらしい駅

国宝 醍醐寺展
04/03−05/13 東京国立博物館

▼京都・醍醐寺の寺宝を110件展示。ご本尊「薬師三尊像」まで来ていました。なんでも36年ぶりに山を下りたそうです。

▼私的見所は、本尊含む仏像関係。皆、同部屋に所狭しと展示されてました。満員気味で少々窮屈そう。金剛力士立像は、頭もつかえそうでした。デカイ。木造で、彫りが荒々しい所がよかったです。というより、時の流れで磨耗してる?思わず見入ってしまったのは、大威徳明王。水牛との表情の落差が面白くて。上はカッとしてて、下はつぶらな目できょとん。たまらん。ところで、水牛が立っているのは珍しいそうです。他の作品も、彫刻史上重要な作例が多いらしいですが、理屈抜きに眺めても表情や造型など楽しめました。それぞれ個性的。仏像部屋には一番長居していました。

▼仏画は、曼荼羅が特に興味深かったです。鎌倉時代に制作された、古く貴重なもの。というより前に、細々と描かれてるのを細々観るのが好きなのですね。曼荼羅といえば、木板に金銅板を打ち付けたものも、展示されてました。金属製なんて初めて、珍しいと思っていたら、醍醐寺以外にはあと1点しか存在しないそうで。どおりで観たことないはずです。

▼国宝、重要文化財がずらり並んだ展覧会でした。まさにタイトルそのまま。でも、肩書きなんて全く関係なく、いい顔ぶれだったと思います。(05/13) 作品:「大威徳明王(「五大明王像」から)」「弥勒曼荼羅図」

そういえば、開催中は醍醐寺すっからかんだったのでしょうか?こんなにたくさん上野に来てしまってますし。


ルノワール展
04/21−06/24 名古屋市美術館

▼初公開作品約40点を含む62点を展示。この展覧会は、東京でも開催されました。東京展はえらい混みようだったらしいですが、こちらは不快にならない程度の混み具合。比較的観やすかったです。

▼ルノワール、まとめて観たのは初めてでした。今までは「印象派展」の中での一人とか、そんな形でしか観たことなかったので、とても新鮮でした。が、単独展で密度が濃い分、気付いてしまったことが。女の子や女性の肖像画とは、どうも相性が…。様々なタイプの作品に触れたのはいいけれど、自分が苦手なタイプもはっきりしてしまったという。あ、でも木漏れ日とかは本当に綺麗だと思うし、好きです。静物画でも気に入ったのありましたし。

▼全体的には、点数も手頃でまとまりのよい展覧会だったと思います。でも、人によっては物足りないかも。(05/19) 作品:「ぶらんこ」


琳派の華 酒井抱一展
05/19−07/01 出光美術館

▼酒井抱一の「過程」が観られる展覧会でした。

▼「八橋図屏風」(尾形光琳)や「風神雷神図屏風」(俵屋宗達)の模写に興味津々。模写といっても、抱一の自我が見えかくれしてる所が面白かったです。燕子花の数や位置が微妙に違ってたりして。個性って出ちゃう?出しちゃう?ものなのですね。
それから「夏秋草図屏風草稿」。下書き観ると、作者の仕事場覗き見しましたという感覚にさせられます。いえ何となくそんな気が。

▼模写、草稿共に関連作品のパネルが傍らにあり、比較できるようになってました。わかりやすい。でも、出来れば完成品を持ってきて、並べてほしかった。出光コレクションによる展覧会ですし、それは無理ですか。

▼模写ばかりふれましたが、その他の作品もおすすめなものが多かったです。銀箔の「紅白梅図屏風」とか、シブくて好きだ。

▼実の所、前に観たことがある作品が多かったのですが、何度観ても色あせることはなく堪能しました。琳派に興味のある方は、出光美術館に行くとよいことがあるかと思います。皇居が見える眺めのよさもおすすめポイントです。(06/17) 作品:「十二ヶ月花鳥図貼付屏風(部分)」


明治美術再見V 日本画−江戸の名残・京の薫
03/31−06/17 宮内庁三の丸尚蔵館

▼こちらは皇居の敷地内にある施設。うれしいことに入場無料です。不景気にもってこい。タダより高いものはない、ではなくタダより安いものはない場所であります。ふらっと気軽に入って、お気に入りの絵に巡り会っちゃったわ幸運な私、ということもなきにしもあらずな場所でもあります。しかし、その逆もありうるわけで。

▼展示は、幕末から明治20年代にかけての日本画。野村文挙、村瀬玉田、瀧和亭、野口幽谷、荒木寛畝ら伝統的保守派の活動を紹介。と、魂抜け状態で書いてます。ああっこんなことではいけない。正直に書いてしまおう。

▼ピンときませんでした。作品自体へのとっかかりが見つけられなかった。もちろん綺麗に描かれているのですが、「綺麗」から先へ進めなかった。それから、平面的な割にどことなくうねうねしてるというかデコラティブというか。その辺りの表現も、ちょっと苦手でした。単なる好き嫌いで申し訳ない限り。

▼今回は、残念ながら相性イマイチでしたが、激しく後悔というのはなかったです。やはりタダは強し?(06/17)


メイプルソープ&アラーキー 百花乱々展
06/13−07/01 小田急美術館

▼アラーキーこと荒木経惟と、ロバート・メイプルソープの写真展。花の写真のみの展示です。

▼ひとくちに「花」といっても、両者の花はまるで違う表情を見せます。アラーキーのフィルターを通した花は、鮮やかで生々しく、独特の湿り気を帯びている感じ。メイプルソープの花は、陶器のような肌触り。凛としたオブジェのような佇まいをみせてました。
しかし、両者の作品の根底には、同じような空気が流れているように思えました。生と死、性的な暗示。そして、花であると同時に花ではない不思議な感触。

▼同じ空間と時間の中に、2つの個性。それらは反発し合うでもなく、かといって馴れ合うでもない。お互いの存在感が、お互いの個性を一層際立たせている。そんな感じがした展覧会でした。1+1=2ではなかったのでした。ところでタイトルの「乱々」、どちらかというとアラーキー作品に当てはまる言葉のような。(06/17)

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巡回:2002/03/01−03/24 美術館「えき」KYOTO、2002/04/27−06/02 刈谷市美術館






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