2001年3-4月
▼近・現代の作家による版画作品を、100点余り展示。この展覧会は、丸井のコレクションを一般に初公開したものだったそうです。丸井ってあの丸井でしょうか?どこでも持っているのですねぇ。 ▼そんなことはいいとして、展覧会の顔ぶれです。ロートレック、ピカソ、マティス、ミロ、シャガール、カンディンスキー、ウォーホル、リキテンスタイン、ホックニーなど。ずらずら。有名どころは押さえたぞ、コノヤロー的な手堅さです。なんてちゃかしてますが、大変充実したコレクションで楽しませてもらいました。でもロートレック作品は、先日東武で同じの観たばかりでした。版画ですし、しょうがないかな。 ▼印象に残ったのは、フランク・ステラやディヴィッド・ホックニー辺り。淡々としてるステラって好きだ。方眼紙。ホックニーは大きくて鮮やかな色彩の作品も、もちろんいいけれど、ちょっと地味目(というと、語弊があるかも)なウェザー・シリーズも、これまたいい。さり気ない。それから、ディーベンコーンがあったのも、うれしかったです。ファンなもので。 ▼とにかく、やるじゃない丸井!な展覧会でした。実はまだまだ作品を所有してるらしいので、今回みたいな感じで、またそれらも公開して頂きたいです。(03/03) |
▼コレクションによる企画展示。あらゆる年代の作品が展示してあり、作風が変化していく様がわかりやすかったです。どんどん壁から張り出してって、重量化していくという。最近の作品は、無理やり壁にかけた彫刻という感が。でも、床に置いて、彫刻にはしたくなかったんでしょうね。 ▼その(勝手に命名)張り出し系作品、なんでも最初の1か月は組み立て前のパーツを展示して、11月3日に組立作業を見せたとか。1粒で3度おいしかったようです。3度目のおいしさしか体験できなくて、残念。 ▼展示の方も、ゆったりしていて、とても観やすかったです。大きな作品が多かったのですが、空間がある分生き生きしてました。そんな気のせいがしました。 ▼今、まとめてフランク・ステラって、さり気なく贅沢かもしれない。そんな企画を組んでくれた、川村記念美術館に感謝。以前から思ってたけれど、本当にいい美術館だ。おすすめ。ロスコルームもいいですよ。(03/11) 上:写真がしょぼいのでわかりにくいですが、絵みたいな風景。広大で気持ちの良い場所。 下:フランク・ステラの屋外彫刻。 |
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▼ある展覧会へ足を運んだとしましょう。何故、その展覧会へ行く気になったのか?行き当たりばったりで。場所自体が好きだから。そんな理由もあることはあります。でも大概は、内容が好みだったり興味があったりしたから、行く気になるわけで。そうやって自分の趣味嗜好に合わせてるから、どれ観てもある程度は楽しめるのですよ。通常は。 ▼前フリが長いぞ、本題へ入らなくては。通常…通常…この展覧会は通常じゃなかった。悲しいことに。日本画、近世、草花(花鳥画)、私の好みにジャストフィット(死語)で期待大。尾形光琳、乾山、酒井抱一、円山応挙など作者も手堅くて、これまた期待大。で、鼻息荒く行ってみたら、点数少なくてがっかりです。初めて行きましたが、展示室が狭い。この点数で500円取るなー。品性下劣かもしれないですが、ゲージュツにおいても価格と内容のバランスは吟味したい派。しょうもない展示内容では決してないんですけどね。しつこいようだが入場料が。(04/14) |
▼アウトサイダーアートとは、美術教育を受けてない人が自らの衝動のままに作り出す作品のことをいいます。仏語ではアールブリュット。元の元は、ジャン・デュビュッフェが考えた言葉だそうです。 ▼今回の展示は、クローディア・デモンテ、エド・マックゴウィン夫妻のコレクション。夫婦揃ってアウトサイダーアート収集。いい夫婦です。 ▼そうして集まった作品群は、どれも濃くて面白い。画面の隅から隅までびっちり細かく埋まってたり、形がかなりオカシかったり。どこから生まれたんだ?そしてどこへ向かっているんだ?その凄まじい発想は。飛躍しすぎた造型感覚も素敵すぎ。そして、念がこもってる割には妙な具合の開放感。かなりクセになります。「妙な」っていうのがポイント。 ▼作者たちの経歴も、興味深いものがありました。興味深いというのは失礼ですね。ええと、あまり体験しないような境遇や人生を送った人が多かったです。そんなことも、作品に反映されているように見受けられました。 ▼作家、作品数が多く、力作揃いでした。理屈抜きで楽しかった。唯一の心残りは、振ると音の出るオブジェが、当然の如く振れなかったこと。説明書きだけじゃ音きこえんし。(04/30) |