記念切手


小さな展覧会。開催場所は封筒に葉書。ということで美術系切手です。

絵画、浮世絵、彫刻、工芸、絵本など、これまで多種多様な作品が切手化されてきました。中でもとりわけ有名なのは、菱川師宣「見返り美人図」なのではないでしょうか。戦後初の記念切手を飾った見返り美人。彼女が出発点となり、その後の切手ブームへつながっていきました。

画像は、左が「見返り美人」、右が喜多川歌麿「ビードロを吹く娘」。2001年8月に発行された、日本国際切手展2001記念切手の一部です。見返り美人は1948年、1991年、1996年と、3度切手になっており、こちらは4代目にあたるようです。消印は見ないふりをしていただければと。(2004/07/21記)

ゆうびんホームページ:日本国際切手展2001記念郵便切手
https://www.post.japanpost.jp/kitte_hagaki/stamp/tokusyu/2001/0801/index.html

図録を探す

今回のお題は図録です。終了済み展覧会の図録が欲しい。そんなときの対処方法です。

■会場となった美術館、博物館で探す
在庫がショップに並んでいることがあります。また、通販を行ってる場合がありますので、遠方でも諦めずに。在庫、通販の有無は公式サイト等で確認なさってみて下さい。巡回展の場合は巡回会場全てのチェックを。
■別会場のミュージアムショップ
別会場の図録が置いてあることも。展覧会へ出かけついでに、まめに覗いてみては。お目当てが見つかるかもしれません。

上記の方法で見つからない場合

■美術専門古書店
最も手っ取り早く見つかると思われます。が、専門店は価値を知ってるだけに、値段がシビアになる傾向があります。希少なもの、需要があるものをご所望な場合、高くつく恐れが。
■一般古書店
対して一般の古書店は、安価で手に入れられる場合が多いです。ただし見つけにくいのがたまにきず。偶然とラッキーが重なることを祈りつつ、これまたまめに足を運ぶことが重要になります。
---が、しかし!な実例---
某店にて、元値より200円高く売られた図録を見たことがあります。展覧会は終了済みだが会場では販売中。あぁ、それなのに。図録は値段が付いてませんからね。適当に値をつけたら、逆転現象起こしたのでしょう。こんな事例もありますので、お気をつけ下さい。
■ネット古書店
少ない時間で数多く回れます。とりあえず、目以外は疲れません(笑)。購入の際は、支払方法など吟味なさって下さい。顔が見えない分、慎重に。
■ネットオークション
図録の出品も結構多いです。なにせオークションですから、思いもかけない安値で購入できるかも。その逆もあるかもしれませんが。こちらも慎重に。

どうしても見つからない。せめて見るだけでも

■美術館、博物館併設の図書室
現代美術中心、日本美術中心など、館によって傾向が異なります。置いてありそうな所を狙って行かれるのがよろしいかと。サイトで蔵書検索できる場合もあります。大学図書館という手も。
アートカタログ・ライブラリー
東京近郊の方向けですが。年代、地域、ジャンルなど幅広く揃ってます。

と、普通のことをずらずら書き連ねつつ、フェードアウトしていくのでありました。完。(2002/08/08記)

  • 「展覧会カタログの愉しみ」(今橋映子編著・東京大学出版会)という本に、図録の探し方・買い方に関する記述があります。参考になります。(2003/08/22追記)
  • アートカタログ・ライブラリーに関する追加事項
    • 2003年7月より、原則として閲覧サービスは行なわないことになったそうです。(2003/08/22記)
    • 国立新美術館アートライブラリ(2006年度中にオープン予定)へ蔵書移管されるとのこと。(2005/12/14記) 詳細は上記リンク先にて御確認下さい。
夏ならではの

夏の風物詩、幽霊。ということでベタですが、その辺りの展覧会を集めてみました。9月以降の開催が含まれているのは、気にしないで下さい。9月はまだまだ暑い!まだまだ夏!言い訳!

  • 納涼企画 怪談と演芸展 −七代目貞山旧蔵品を中心に−
    • 6月7日(金)−8月8日(木) 早稲田大学演劇博物館
    • 怪談の第一人者と称された講談師・七代目一龍斎貞山の遺品を中心に。明治から大正時代の人気怪談師・柳亭左龍ゆかりの品、怪談を上演する際に使われる道具類、怪談を扱った芝居や映画などの資料なども展示。
    • 演芸です。タイトルに「納涼」「怪談」とありますので、ご紹介します。
  • 浮世絵のお化け・妖怪展
    • 前期7月5日(金)−8月4日(日) 後期8月8日(木)−9月8日(日) 馬頭町広重美術館
    • こちらの美術館は、交通の便が悪いです。足を運ばれる際は、車がよろしいかと。電車とバスでも行けないことはないですが。
  • 妖怪
    • 7月20日(祝・土)−8月31日(土) 群馬県立歴史博物館
    • 国立歴史民俗博物館において平成13年度夏期に開催された「異界万華鏡」巡回展として行うものです(HPより抜粋)。
  • 水辺の妖怪 河童
    • 7月20日(祝・土)−9月8日(日) さいたま川の博物館
    • 「妖怪 河童」ということでご紹介します。行ったことがないので、会場の広さ、展覧会の規模など詳細はわかりません。んな無責任な。すみません。どんな感じなのでしょう。
  • 円朝まつり
    • 8月1日(木)−31日(土) 全生庵(東京都台東区谷中5-4-7)
    • 怪談、人情話を得意とした幕末から明治初期にかけての落語家三遊亭円朝を偲び、ゆかりの幽霊画を公開。追悼寄席や法要も。
    • 恒例の幽霊画公開(来年以降は定かではありません)。何度か行きました。円山応挙(伝)、伊藤晴雨、尾形月耕、河鍋暁斎、高橋由一らによる幽霊画がずらりずらりと。谷中でお寺で幽霊なんて、ハマリすぎ。近所の瑞輪寺には、河鍋暁斎のお墓があります。
  • 異界万華鏡−あの世・妖怪・占い−
    • 9月6日(金)−10月6日(日) 鳥取県立博物館
    • 国立歴史民俗博物館巡回展
    • 多角的な見せ方が楽しい展覧会。去年の夏行きました。1年以上かけて巡回しているのですね。私が行ったときは子供が沢山来てたけど、自由研究のネタにでもしたのかな。

話は変わりますが、「異界万華鏡展」からの受け売り。足のない幽霊の創始者は円山応挙ということになってますが、実は応挙が生まれる以前から、足なしの概念は存在していたのだそうです。浄瑠璃本「花山院きさきあらそひ」(1673年)の挿絵に、足のない幽霊が既に登場しているとか。(2002/06/21記)

虎模様の予言

9勝1敗!なぜか首位を爆走中!ということで、今回のお題は阪神タイガースです。

1冊の画集があります。熱狂的なタイガースファンである、松村邦洋による「ボクの神様〜心に残るトラ戦士〜」。題材は、現役、OB入り乱れの阪神選手たち。主だった所は押さえたぞ的人選です(江川も入ってます……涙ちょちょぎれるとはこのこと)。

肝心の絵の出来栄えは、「その身体、骨折してないか?」と疑える位に狂ったデッサン、お好み焼きにどっぷり盛られたソースとマヨネーズのような厚塗り。はっきりいって下手です。タレントでなかったら、画集なんて出せないでしょう。

でも、「下手」な画面の隙間から、愛情と情熱と怨念を足して3で割ったような感情がはみ出ている所がすごい。その感情は、背負いたくもない「業」を背負ったチームを応援し続ける者だけが表現できるもの。いや、ものなのかもしれません。連続最下位、お家騒動、すぐに帰国する助っ人、関係ないが沙知代逮捕に野村の辞任、ちょっと違うが新庄電撃移籍などなど、1つの山につき100個位谷があるチームなんて、そうそうありませんからね。

それから、バック全面を選手の名前で埋めたり、沢山の風船を手間を惜しむことなく描き込んだりなどの偏執狂的な部分は、アウトサイダーアートに通ずるような通じないような。妙ちくりんな味があります。

ネームバリューのみで画集を出し、個展を開催。眉間に皺寄せ、芸術家気取りのタレントには虫唾が走る思いがします。が、松村は大目に見たいな。なんてことを思いながら、大阪方面の動向が気になる今日この頃なのでした。

ところで、ひとつ気になる作品がありまして。めでたく優勝し、選手たちが野村監督を胴上げする場面を描いたものなのですが、画面中に「2002 祝 日本一」という文字が。監督は星野に変わったけれど、2002年に突入した途端の快進撃。もしかしたら、半分予言が的中するなんてことが……いや、まさか……。(2002/04/11記)

* こんなこと書いてしまいましたが、少し経ったらすっかりあっさりいつもの阪神に戻ったりして。とてつもなく高リスクな時事ネタかも。それにしても、美術の話ではないですね。

■リベロ/2000.07発行
口は災いの元

同行者とお話をしながら作品を楽しむ。美術館ではよく見られる風景です。

あれは確か、国立西洋美術館でのこと。近くにいた二人の男女が、例によっておしゃべりしつつ作品を眺めておりました。

聞くとはなしに聞こえてくるその話しは、美術解説。男性が女性に作品や作者のことを講釈し女性はそれに相槌を打つという、カルチャー(?)な図が繰り広げられていたのでした。

目の前にはモネの睡蓮。ボ〜ッと眺めていたら、すぐ隣りにその二人連れがやって来ました。
開口一番、男性は薀蓄を傾けました。

「この絵の作者はマネといってね…」

モネにマネ。(2001/10/01記)

* ところで、館内で解説なさる方って、中年以上の男性が多いような。気のせいでしょうか。

■左:クロード・モネ「睡蓮」 西洋美術館の作品ではありません。詰め甘すぎ。 右:エドゥアール・マネ「笛を吹く少年」
競馬と芸術との接点

といっても、そんな大層な話しではありません。芸術関係の名前を持つ、競走馬のお話です。

10年近く前に「メジロ画家シリーズ」というのがありまして。
冠名(メジロ)+画家の名前を付けられた馬たちが、競馬場を闊歩しておりました。
その名も「メジロモネ」「メジロゴーギャン」「メジロクレー」「メジロセザンヌ」「メジロマティス」「メジロシャガール」「メジロミレー」などなど。
この錚々たる顔ぶれだと、大規模な展覧会が開けそうです。

でも、見た目は馬。

競走馬として1番出世したのはメジロモネでした。

それから、同系で「ホッカイ画家シリーズ」というのもありまして。
「ホッカイルソー」「ホッカイマティス」「ホッカイレジェ」「ホッカイドガ」たちが走ったり、パドックでボロ(早い話しがウンコですな)をしたり。こちらも大物揃いだな〜。

でも、見た目は馬。

ホッカイルソーは引退後、種牡馬になりました。

「ホッカイ画家シリーズ」は現在も続いており、「ゴッホ」「ラファエロ」「ピサロ」「ターナー」など、よりどりみどり状態です。画家名とは違いますが「ホッカイオブジェ」という馬もいました。

そうそう、「レオダヴィンチ」という馬もいました。元ネタはナルドを足したあの方でしょう、どうみても。だったら、なぜナルドをつけないんだ?えっ?

それは、
「競走馬の名前は9文字以下」
という規定があるからです。多分、おそらく、この理由です。

尻というより腹が切れる位だったら無理して付けるな、というお話でした。

現役馬に「フェルメールブルー」という馬がいたりします。
現役最強、いえ国内競馬史上最強の芸術関連名かも(完全なる個人的見解)。4歳の牝馬で、良血馬です。

名付け親は定かではありません。でも、フェルメールの絵を観たことがあり、美しい青に魅せられた方が付けたことは間違いないと思います。

フェルメールがお好きな方は、記念馬券なんていかがでしょうか?外れても、当方は責任持ちませんが。(2001/08/17記)






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