タートリン様式のパゴダが見えてきたので、あたしは操縦桿やペダルをいそがしく操作した。
古ぼけた翡翠滞空機は思いのほか滑らかに降下姿勢へと姿を変える。
なぁんだ、夜逃げ市場でとんでもない安値で手に入れたものだから、もっとガタガタだと思ってたよ。
これは嬉しい誤算……そのとたん横風にあおられて、マルタン式空中姿勢制御板がでたらめにはためいた。
やっぱり値段相応だ!
泥炭地にめり込んで五千年後に見つかって博物館で展示されるなんて、そんな末路はまっぴらごめんだああ!


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