地方自治体などの博物館で収蔵庫が満杯になり、収蔵品があふれるケースが相次いでいる。
個人収集家の高齢化などに伴い、寄贈品は増えるばかり。貴重な資料の廃棄・流出を防ぐためにも拒めない。資料の劣化や損傷を防ぐため室温や湿度が管理できる施設が必要だが、どの自治体も財政難で増設などは難しい。
日本博物館協会(東京)によると、博物館は70年代半ばから各地で開設され、現在の収蔵スペース不足は全国的な傾向。同協会の5年に1度の調査(2008年度)では、全国の施設の47%が「ほぼ満杯」や「収蔵庫に入りきらない」状況。
読売新聞より。
文化庁は4日、国の重要文化財指定を受けた美術工芸品のうち、国宝の刀剣1件を含む27都府県の109件が所在不明になっているとの調査結果を発表した。33件は盗難で、所有者の転居や死亡で所在が分からなくなっている事例も多かった。
このほか確認作業を終えていない重文が238件(うち国宝12件)あり、8月までに調査するとしている。
109件のうち59件は工芸品で、刀剣が52件と大部分。
共同通信より。
長野県松本市出身の前衛芸術家、草間彌生さんのデザインを施したバスが完成し、同市で7日、披露された。首都圏への観光PRを狙い、市とアルピコ交通が企画。同社が8日から、同市と東京・新宿を結ぶ高速バスで運行する。
バスのデザインは、松本市美術館の前庭にある草間さんの屋外彫刻「幻の華」をモチーフにしており、側面と後部にチューリップの花や犬、赤い水玉などが描かれている。名前も、「草間号 幻の華」と名づけられた。
朝日新聞より。
オランダの画家フェルメール(1632〜75年)の油彩画「聖プラクセディス」が8日、ロンドンで競売にかけられ、約624万ポンド(約11億円)で落札された。クリスティーズが明らかにした。フェルメール作品と確認されているのは世界で三十数点しかなく、競売は異例。個人の所有は同作品を含め2点だけという。
真贋論争もあったが、同社はアムステルダム国立美術館が顔料分析で真作と鑑定したと強調。1655年と記入され、22〜23歳の最初期の作品とされる。
共同通信より。
英国のテレビ番組で発見されたアンソニー・ヴァン・ダイクの失われていた絵画が8日、競売に掛けられた。事前の予想では、元の値段の1000倍で落札されるとみられていたが、結局買い手が付かなかった。
クリスティーズは、1635年の作品「The Magistrates Of Brussels」のためのスケッチについて、30万ポンド(約5200万円)〜50万ポンド(約8700万円)で落札されると予想していた。
この絵画はもともと、カトリック教会の司祭ジェイミー・マクロード氏がイングランド北部チェシャー州の骨董品店から400ポンド(約7万円)で購入したもの。昨年、専門家が骨董品を鑑定するテレビ番組で本物であることが明かされた。
クリスティーズによると、スケッチは重ね塗りが主な原因で不透明になっていたことから、ヴァン・ダイク研究者から見逃されていた。
同作品は、長期にわたる修復作業が施された後、ヴァン・ダイクの世界的権威クリストファー・ブラウン氏により本物と発表された。
時事通信より。スクラップ2013年12月31日「バン・ダイク作品を発見 英鑑定番組、7千万円相当」の続報と思われます
美術家の河原温さんが死去したことが11日、分かった。81歳。
読売アンデパンダン展などに出品し、1953年に第1回ニッポン展に出品した「浴室」の連作で注目された。65年から米ニューヨークを拠点に活動。コンセプチュアルアートの代表的な作家となり、国際的に高く評価された。代表作に、単一色で塗ったキャンバスに制作年月日を白色で描いた「デイト・ペインティング(日付絵画)」シリーズ。
共同通信より。
昨年のNHK大河ドラマ「八重の桜」に関連する企画展に、同志社大の同志社社史資料センター(京都市上京区)が新島八重の兄山本覚馬が所有していたとして貸し出した日本刀が、覚馬とは別人の刀だったことが12日、分かった。
所有を裏付ける資料がないのに、「覚馬が持っていた可能性がある」と判断。出展を決めたという。
同志社大によると、東京や福島、京都で昨年開いた展示会で、この日本刀を「伝山本覚馬所用長巻」として貸し出した。しかし、その後別人が寄付した大刀だったことが判明したという。
共同通信より。
福島県相馬地方の伝統行事「相馬野馬追」(国指定重要無形民俗文化財)を描いた江戸中期のものとみられる屏風絵4隻分が北海道伊達市で見つかったとのこと。
1隻は6面あり、高さ約1・8メートル、幅約4メートル。3日間の相馬野馬追の様子が描かれている。1隻目には、中村城下(福島県相馬市中村)を出発した中村藩主・相馬家の行列が原ノ町宿(南相馬市原町区)で調馬訓練をする初日の「宵乗」の様子、4隻目は、野馬を素手で捕らえる最終日の「野馬懸」が描かれている。
2、3隻目は、現在は行われていない、騎馬武者・足軽らの部隊をほら貝や太鼓の合図で動かす「駆引」、神前に奉納する野馬を小高神社(南相馬市小高区)に追い込む「野馬追」の様子が描かれていた。
屏風は、仙台藩伊達家の分家・亘理伊達家(宮城県亘理町)の重臣の子孫にあたる北海道伊達市の民家で見つかった。2012年秋から同市噴火湾文化研究所が約1年かけて鑑定。南相馬市博物館の協力も得て相馬野馬追の屏風と確認し、「奥州相馬氏野馬追図屏風」と名付けた。
読売新聞より。
日本美術協会は16日、世界の優れた芸術家に贈る第26回高松宮殿下記念世界文化賞に、アフリカ初の受賞者となる劇作家アソル・フガードさんら5人を選んだと発表した。受賞者は次の通り(敬称略)。
▽演劇部門 アソル・フガード(82)=南アフリカ共和国生まれ。▽絵画部門 マルシャル・レイス(78)=フランス生まれ。▽彫刻部門 ジュゼッペ・ペノーネ(67)=イタリア生まれ。▽建築部門 スティーブン・ホール(66)=米国生まれ。▽音楽部門 アルボ・ペルト(78)=エストニア生まれ。
共同通信より。
文化審議会(宮田亮平会長)は18日、重要無形文化財保持者(人間国宝)に古典落語の柳家小三治さんら7人を認定するよう下村博文文部科学相に答申した。
落語の人間国宝は、小三治さんの師匠に当たる故五代目柳家小さん、上方落語の桂米朝両氏に続き18年ぶり3人目。存命中の人間国宝は116人となり、最年少は今回認定される色絵磁器の十四代今泉今右衛門さん。ほかに認定を答申されたのは、能囃子方太鼓の三島元太郎さん、刀剣研磨の本阿弥光洲さん、能シテ方の梅若玄祥さん、彫金の山本晃さん、木工芸の須田賢司さん。
産経新聞より。
AFPBB Newsより。2012年7月19日スクラップ「盗難のマチス絵画とみられる作品、FBIのおとり捜査で発見」の続報
長沢芦雪(1754〜99年)の絵巻物「人物花鳥図巻」が見つかったとのこと。存在も全く知られていなかった新出の作。長さ16メートルを超え、画風などから若い時期の作品とみられる。
同作は縦31.1センチ、横16.1メートル。紙に墨と顔料を使い、四季折々の場面が描かれている。じゃれあう数匹の犬や川のアユを狙うイタチなど、芦雪が得意とする動物をはじめ、子供や仙人、花木など多彩なモチーフが現れる。芦雪の絵巻物は、これまで晩年の2点しか知られていなかった。
静岡県立美術館の学芸員が4月、展覧会の準備中に発見した。個人宅で、少なくとも所有者の祖父の代から保管されていたというが、詳しい入手経緯は不明。やや硬い筆さばきや署名の書体などから、芦雪早期の作と考えられる。
毎日新聞より。
兵庫県立考古博物館(同県播磨町)は30日、県内の収集家から寄贈・寄託を受けた中国の鏡315点のうち、約4千年前の青銅鏡など主な100点を報道陣に公開した。鏡のコレクションとしては国内最大規模で、重要文化財級も数十点含まれるという。
同館によると、戦国時代(紀元前5〜同3世紀)や隋・唐時代(6〜10世紀)のものが充実している。約4千年前の夏時代に鋳造されたとみられる最古級の「松緑石象嵌鋸歯縁鏡」や、正倉院に保存されているのと同種の螺鈿細工の鏡もあるとのこと。
共同通信より。
大阪府は30日、万博記念公園(吹田市)の「太陽の塔」の内部公開について議論する部会で、2016年度末の公開予定に合わせ、大阪万博時に塔の地下に展示され、その後行方不明となった「第4の顔」を復元する方針を決めた。
太陽の塔は、胴体前部の「太陽の顔」、上部の「黄金の顔」、背面の「黒い太陽」の三つの顔のほか、「地底の太陽」と呼ばれる展示物があったが、万博終了後行方不明になった。
部会では、残っていた図面などをもとに、当時と同じ強化プラスチックで原寸大に復元し、内部公開に合わせて塔の地下に新設する資料展示スペースに置くこととした。
共同通信より。