2009年
01/06 グラフィックデザイナーの木村恒久さんが死去
作品集「キムラカメラ」などのフォトモンタージュ作品で知られたグラフィックデザイナーの木村恒久さんが、昨年12月27日死去した。80歳。
朝日新聞。
中国・浙江省にある跨湖橋(ここきょう)遺跡(約8000年前)と田螺山(でんらさん)遺跡(約7000年前)で出土した木器が中国最古級の漆製品だったことが、日中共同研究グループの調査で分かった。従来より約2000〜1000年さかのぼり、黒漆の世界最古例も確認された。
跨湖橋遺跡では01年、棒状の木製品(長さ121センチ、太さ3センチ)が出土し、今回、クワで作った弓で、表面に透明の漆が塗られていることが判明した。補強目的などだったらしい。田螺山遺跡で04年からの調査で出土した円筒木器(長さ39センチ、長径11センチ)には植物油を燃やしたすすを混ぜて着色した黒漆が使われ、重ね塗りした跡があり、黒漆の世界最古例と分かった。
毎日新聞。「中国で最古とされてきた漆製品は、同省・河姆渡(かぼと)遺跡で出土した約6000年前の朱塗り漆椀」。だったそうです。
福田繁雄氏が11日、死去した。76歳。
国旗や切手をモザイク状に組み合わせて「モナリザ」を描いたシリーズなど、逆転的発想や視覚のトリックを駆使したデザインが特徴。67年、大阪万博公式ポスター指名コンペに入賞して脚光を浴びる。72年にワルシャワ国際ポスタービエンナーレで金賞を受賞するなど、国際デザイン賞での入賞も多い。代表作はほかに「VICTORY」(75年)など。
日経新聞。
狩野元信(1476〜1559)の水墨画が、真宗大谷派本山の東本願寺で確認された。3幅で1組の「中唐人物・左右花鳥図」で、保存状態も良いという。
3幅とも縦86.5センチ、横39.2センチ。中央の軸に中国宋代の詩人・蘇東坡(そとうば)とみられる人物と竹、向かって左は柳と小鳥、右は牡丹や鷺などが描かれている。描かれた時期は不明だが、軸を入れた木箱に玄孫・狩野探幽と安信の名前で、元信の作品であると記した札が収められていたとのこと。真宗大谷派によると、東本願寺内の美術品などを収めた倉庫で保管されていたが、2011年の宗祖・親鸞聖人750回御遠忌へ向けた資料調査で鑑定した。
朝日新聞。「作品は3月から東京、札幌、大阪、京都、名古屋を巡回する「東本願寺の至宝展」で公開される」とのこと。
金峯山寺が所蔵する釈迦如来坐像(県指定文化財)と、兵庫県所蔵の天部立像=いずれも平安時代初期=が、約140年前には同じ場所に安置されていた可能性が高いことが、奈良国立博物館の調査で分かった。構造や表現が酷似しており、同じ作者が造ったと見られるとのこと。
天部立像(高さ169.5センチ)と釈迦如来坐像(高さ83.2センチ)を比較したところ、目鼻立ちがよく似ていた。▽一本の木からの丸彫り▽衣のしわの表現が同じ――などの共通点があることも分かった。同館の鈴木喜博・上席研究員(彫刻史)は「釈迦如来坐像はかつて吉野山にあった寺の本尊だったと考えられる。天部立像は明治時代初期の廃仏毀釈の時に流出した可能性が高い」と話しているとのこと。
毎日新聞。「2体の仏像は5月17日まで、奈良国立博物館本館で展示されている」とのことです。
共同通信より。
美術館が海外から賃借した絵画、彫刻などが壊れた際に国が損害の一部を補償する制度を、文化庁が検討していることが21日、分かった。同庁は来年度に有識者による検討会を設け、制度設計を行う方針。
美術品を借りて展覧会を開く際には、所蔵する美術館への借り賃などのほか、傷ついた場合に備えた保険料が必要。国の補償制度があれば保険料が引き下げられ、陳列品数の増加や入場料の抑制が期待できる。
時事通信。
フランシスコ・デ・ゴヤ(1746〜1828)の作品と見なされてきた絵画「巨人」が、実は他の画家の作品だったとする調査報告書を、所蔵するマドリードのプラド美術館が近く公表するとのこと。
同館関係者によると、真の作者はゴヤの弟子アセンシオ・フリアとされるとのこと。この作品は動物の描き方に粗さが目立つなど、ゴヤ本来の作品との違いが指摘されていた。同館は昨年6月、作者がフリアである可能性が高いと発表、専門家による検証作業を続けていた。
「巨人」は1808〜12年ごろの制作とみられてきた。今後も同館で展示されるという。
朝日新聞。この話は、以前から風の噂で聞いたことあるようなないような。巨人は二度見ましたが、この件に関しては何とも言えん感じ。
仏教で世界の中心とされる須弥山をかたどった三彩陶器が出土した京都府木津川市木津天神山の馬場南遺跡(旧・文廻池遺跡、8世紀前半)で、須弥山と四天王像を安置したとみられる仏堂跡が確認されたとのこと。13日、同市教委と府埋蔵文化財調査研究センターが発表した。最外郭の柱だけで建物を支える構造で、8〜10世紀の中国に類例はあるが、国内では初めての発見という。
仏堂跡は東西約5メートル、南北約4.5メートルで、床全面に仏像などを安置する須弥壇が築かれていたとのこと。周辺からは塑像(土製の仏像)の破片が多数見つかり、高さ160センチ前後の四天王像と推定されるとのこと。このうち多聞天とされる像の顔の破片には、左の瞳にはめたガラスが火災で溶けて流れた跡があったという。本尊にあたる仏像は確認されておらず、須弥壇の中心に三彩陶器の須弥山が置かれていたとみられる。
南側の一段低い場所には、僧らが仏事をした「礼堂」とみられる東西8メートル、南北4メートルの建物があり、仏堂とつながっていた可能性が高いとのこと。本殿と拝殿から成る神社建築に似た建物だったとみられる。
同遺跡では「神雄寺(かみおでら)」と書かれた墨書土器が出土したとのこと。同市教委は「本尊の仏像が見当たらないことや、『神』の字を使う寺名などから、最も初期の神仏習合の寺院だった可能性もある」とみる。
朝日新聞。
八戸市は21日、市美術館所蔵の油絵を修復先の火事で焼失したことを明らかにした。
絵画は、青森市生まれの画家・渡辺貞一氏(1917〜1981)が描いた「五月の暦(花みずき)」と「冬の華」、岩手県二戸市生まれの福勢喜一氏(1905〜1996)の「佐渡の海」の3点で、いずれも市民から寄贈されたものだったとのこと。昨年8月8日に亀裂や絵の具のはく離などを修復するため、宮城県富谷町の「影山絵画修復研究所」に預けていたが、今年1月4日に研究所で火災があり、絵が焼失したという。被害総額は計約200万円。
市所蔵の美術品は05年にも、福岡市に貸し出していた国重要有形民俗文化財の漁民の仕事着が、搬送中のトラックの放火被害で焼失しているとのこと。
毎日新聞。
大正、昭和初期の京都でアールデコ風の絵はがき、絵封筒を残した小林かいち(1896〜1968年)作の美術しおりが新たに発見されたとのこと。
発見されたしおりは、1枚が縦約14センチ、横約4センチの4枚セットの木版画で袋入りのものが2種類。水辺にたたずむアールデコ風の女性像、十字架などが描かれている。
袋には「さくら井屋抒情カード」と書かれているとのこと。「かいちは、京都の土産物店のさくら井屋から絵はがき、絵封筒、便箋を出していたが、手掛けていたジャンルが広がる可能性が出てきた」と竹久夢二美術館では説明する。
産経新聞。ニューオータニ美術館で保科美術館のコレクションによる「小林かいち展」が開催されるとのこと。会期は2009年7/11(土)〜8/23(日)
平等院鳳凰堂の本尊・阿弥陀如来坐像の背後にある壁画「仏後壁」(国宝)が、1053年の創建とほぼ同時期に描かれたことが初の本格調査で分かった。平等院は制作時期と画題から、創建した藤原頼通(992〜1074年)が「浄土往生を祈る気持ちと、一族の繁栄を願う思いを、壁画に託したのでは」としているとのこと。
壁画は高さ3.4メートル、幅3.7メートルで、板11枚を組み合わせている。2003〜05年、本尊を修復するため堂外へ移した際、近赤外線などで調査を行った結果、同じ色を重ね塗りして立体感を出すなど、11世紀によく見られる技法が多用されていることが判明したとのこと。金色に輝く釈迦の姿や、複数の高貴な人物が描かれており、インドの王子が釈迦から成仏できると予言され、喜んだという説話「阿闍世太子授記説話」が題材らしい。平等院は、釈迦と対面する人物か、そのそばで従者を伴って歩く人物について、頼通を描いた可能性があると見ている。
読売新聞。
東京芸術大学と理化学研究所は、第一線で活躍する芸術家の脳の活動を詳しく調べる共同研究に乗り出すとのこと。テーマは「独創的なアイデアがひらめく瞬間に脳はどんな活動をするか」「進化の過程で芸術や音楽は、どのようにして生まれたのか」「作品を鑑賞する脳の活動は、専門家と一般の人でどこが違うか」など。
年度内の協力協定締結へ向けて最終調整中で、東京芸大の研究者有志が作る研究会「芸術する脳を考える会」(代表=米林雄一教授)を中心に、理研の脳科学総合研究センターと多角的に研究を進めるとのこと。脳波のほか、磁気共鳴画像(MRI)やコンピューター断層撮影法(CT)、光トポグラフィーを使い、脳が実際に活動する様子を観察。今まで定義することが難しかった「美」や「いやし」「感動」といった人間の感性に及ぼす芸術の効果も探る。成果は将来の創作活動や教育に生かしたい考えで、脳科学に裏付けされた新たな表現方法や芸術の創出を目指すとのこと。
読売新聞。
スペインのプラド美術館は26日、長く画家ゴヤ(1746〜1828年)の作品とされてきた同美術館所蔵の油彩画「巨人」について、実際はゴヤの影響を受けた弟子のアセンシオ・フリアの作品と考えられる、との最終調査結果を発表した。同美術館は昨年6月、「ゴヤの作品ではない」との中間調査結果を発表し、専門家による調査を続けていた。
最終調査結果では、「巨人」の肉体の描写、光の表現、色遣いなどにゴヤのものとは思えない技術的な未熟さが見られるほか、作品左下の「AJ」という署名がフリアの作品であることを示していると判断した。「巨人」が1931年に同美術館に持ち込まれた当時、同国では王政が廃止され、内戦に突入していく混乱期にあったうえ、ゴヤの弟子たちに関する知識も不足し、絵画の調査技術も十分でなかったという。
読売新聞。同じような記事を数日前に紹介したのですが、結論が出たようなので改めて。
愛知県岡崎市教育委員会は27日、江戸時代の僧円空の新たな作品が市内で見つかったと発表した。
市教委によると、仏像は木製の十一面観音菩薩(高さ33.5センチ、幅10.5センチ)で、滝山東照宮本殿に収納されていたのを、市教委の職員が見つけた。1677年ごろの作品とみられ、円空学会の担当者が真作と判断したとのこと。
円空作の仏像は全国で約5200体が発見され、十一面観音菩薩像では68体目という。
産経新聞。
共同通信より。






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