2008年
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07/03 達磨大師像は最古級 大津の寺院で発見
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南北朝時代の作とみられる「木造達磨大師座像」が3日までに、大津市歴史博物館の調査で見つかったとのこと。同時代までの達磨大師像は国内で数例しか確認されていないという。 像は、大津市内の寺院に安置されていた。高さ43センチの寄木造り。南北朝時代に活躍した院派の仏師の作風と酷似しているという。後世に顔に漆を塗り直した跡がみられる以外は修理の跡もなく、制作当時の趣をとどめるとのこと。 京都新聞。達磨大師座像は、13日から同博物館で開かれる企画展「石山寺と湖南の仏像−近江と南都を結ぶ仏の道」で初公開されるとのこと。「公開は今回のみで、寺院では拝観できない」そうです。
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奈良県明日香村の高松塚古墳で、石室解体の理由となった国宝壁画の劣化原因を探る文化庁の「高松塚古墳壁画劣化原因調査検討会」の初会合が4日、文部科学省であった。今後、月1回のペースで会合を開き、2年後をめどに結論をまとめるとのこと。 壁画劣化については、既存の検討会でも話し合われてきたが、原因調査に特化した専門組織がつくられたのは初めて。カビなどの微生物の影響だけでなく、文化庁が非公開で古墳の管理を続けてきた体制の問題点なども話し合うとのこと。 朝日新聞。
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豊臣秀吉ゆかりの品と伝えられる妙心寺所蔵の螺鈿細工の扉が、希少な中国・明の時代の作品とみられることが、京都国立博物館の永島明子・主任研究員(漆工芸)の調査でわかった。扉は4枚で、いずれも高さ1.8メートル、幅0.7メートル。現存品では国内最大級で、中国にも当時の大型螺鈿はほとんど残っていないという。 扉は、寺を建立した花園法皇の木像を納め、境内で最も神聖な場所とされる玉鳳(ぎょくほう)院方丈の引き戸に使われている。調査で、楼閣などを描いた中国風の図柄や技法から明代のものと推定されたとのこと。 読売新聞。扉は来年1月に東京国立博物館で開かれる「妙心寺」展で初公開されるとのことです。
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群馬県立土屋文明記念文学館(高崎市)は9日、画家竹久夢二(1884〜1934)の雑誌挿絵の版木8点が見つかったと発表した。使い捨てが普通だった版木が残っていることは珍しく、同館は「主な夢二関連施設に問い合わせたところ、版木の発見例はない」としている。 8点は、桐生市の織物図案家が自宅に保管していた版木33点の一部。同じ織物図案家だった父親が東京で修業していたころに、印刷所などから参考資料として譲り受けたものらしい。2003年に別の調査で訪れた同館職員が預かり、調査していたとのこと。 版木には美人画や風景などが彫られ、1911年から翌年にかけ、東京の出版社「博文館」が発行した雑誌「少女世界」などに挿絵として掲載された。版画家に依頼して実際に印刷したところ、摩耗や小さい傷などはあるものの、鮮明な版画となったとのこと。 読売新聞。版木などは12日から群馬県立土屋文明記念文学館で展示されるとのこと。
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村上隆氏の絵画作品を売買契約に反して海外オークションに出品しようとしたとして、村上氏が社長を務めるアート制作会社「カイカイキキ」(東京)が、都内の不動産会社に対し作品の返還と550万円の損害賠償を求めて、東京地裁に提訴したとのこと。提訴は4日付。 訴状によると、絵画を購入したのは「セルリアン」。村上氏側は1月、投機目的での売買を避けるため、10年間は作品を転売しない条件付きで、直径約1.5メートルの円形絵画「フラワーボール ブラッド(3-D)5」を約6800万円で売却したとのこと。しかし、同社が先月、作品を英ロンドンでの競売にかけようとしたことが判明。村上氏側は東京地裁に譲渡禁止の仮処分を申し立て、認められたため、出品は取り下げられた。 読売新聞。
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室町時代に書写したとみられる「源氏物語」の全54帖がそろった写本が、東京都内の旧家で確認されたとのこと。同時期の全帖そろい本は数が少ないという。 調査した中央大の池田和臣教授(日本古典文学)によると、全帖とも縦19.6センチ、横15.1センチ。表紙は、貝殻を砕いた胡粉を表面にあしらった雲母刷り信夫草文様の装丁で統一されていたとのこと。使用された和紙は、楮紙や斐紙など帖ごとに異なる。漆塗りの木箱の中に保管され、保存状態もよいという。 「明石」巻については、「是(これ)より為和卿(ためかずきょう)」と書かれた付せんが張ってあり、室町時代の歌人、冷泉為和(1486〜1549年)が書写したとみられる。〈1〉本の大きさや形状が全帖ほぼ同一〈2〉写本字体の書道史的特徴――などから為和が中心になって作った室町中期の写本と推定される。 今回の写本は、国文学者の池田亀鑑(きかん)(1896〜1956年)がまとめた「源氏物語大成」の中で、「空蝉」1巻が存在すると記録がある。しかし、昨年4月から都内の所蔵者宅で始めた池田教授の調査で全帖そろいを確認した。 「源氏物語」は紫式部自筆の原本が現存せず、鎌倉時代に藤原定家が校訂した「青表紙本」、源光行・親行父子が校訂した「河内本」、そのいずれにも属さない「別本」の3系統がある。今回は、光源氏の誕生を描く「桐壺」など54帖の半数弱が別本とみられ、定家らが手を入れる以前の平安期の本文が含まれている可能性もあるとのこと。 読売新聞。「写本の一部は、国立新美術館で来月3日まで展示されている」とのことです。
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文化庁は11日、キトラ古墳石室に描かれた天文図(直径65センチ)のうち、中心部分にある「北斗七星」などのはぎ取りに成功したと発表した。昨年7月に始まったはぎ取り作業は今回で全体の3分の2に達したとのこと。 今回は9日から担当者2人が石室に入り、天文図の中心に朱線で描かれた円「内軌」(直径15.5センチ)の内側にある「天子」を示す星座「紫微垣(しびえん)」など計9つの星座について、メスやヘラを使って手作業ではぎ取ったとのこと。天文図に損傷などはなかったという。 産経新聞。
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全国の重要文化財建造物のうち、耐震診断を済ませたのは9.3%にとどまっていることが14日、政府の中央防災会議の有識者検討会に文化庁が提出したアンケート結果で分かった。 3月12日から4月14日にかけて実施したアンケート結果によると、国宝や重要文化財に指定された寺社など4210棟の建造物のうち、耐震診断を受けたのは9.3%で390棟。うち耐震性が確認されたのは77棟だけで、耐震診断を受けた重文建造物の19.7%にとどまったとのこと。 重文建造物の約4割に当たる1664棟が集中する近畿2府4県(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)でみると、耐震診断を受けたのは104棟だけで耐震性を確認したのは17棟、割合は16.3%で全国平均を下回った。〔共同〕 日経新聞。
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宮崎県埋蔵文化財センターは、聖母マリアとみられる女性の顔を彫った土製の遺物の破片が、同県日向市の中山遺跡から出土した、と発表した。キリシタン遺物は、海外から持ち込まれた金属製の出土例はあるが、土製の出土は国内初という。 昨年7月、東九州自動車道の建設に伴う発掘調査で見つかったとのこと。出土品は二つに割れて中央部分は見つかっていないが、元々は円盤形に近く、大きさは推定で縦約6センチ、横約7.2センチ、厚さは平均約0.9センチ。粘土質の土を焼いていぶす「瓦質(がしつ)」と呼ばれる状態の遺物で、キリスト教が日本に伝えられた1549年から、徳川幕府が禁教令を出した1614年の間に作られたとみられる。遺物の一方にはベールをかぶった聖母マリアとみられる女性の顔が彫られ、もう片方にバラの葉とみられる植物が描かれているとのこと。 朝日新聞。
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文化審議会は18日、重要無形文化財保持者(人間国宝)に、木版摺更紗制作者の鈴田滋人氏(54)=佐賀県鹿島市=ら6人を認定するよう渡海紀三朗文部科学相に答申したとのこと。鈴田氏は現在活躍中の人間国宝では最年少。 このほかの分野の人間国宝として、能シテ方で友枝昭世氏(68)=東京都港区=、箏曲で米川文子さん(81)=本名・操、東京都大田区、蒔絵で室瀬和美氏(57)=東京都新宿区、漆工芸のきゅうしつで増村紀一郎氏(66)=埼玉県春日部市、彫金で桂盛仁氏(63)=本名・剛、東京都練馬区=をそれぞれ追加認定するよう求めたとのこと。これで人間国宝は116人、故人を含めた認定者数は322人。〔共同〕 日経新聞。
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鎌倉中期から室町期にかけて作られたとみられる「源氏物語」全54帖そろいの写本が、新たに見つかったとのこと。国文学研究資料館(東京)の伊井春樹館長が21日、大阪府内で行った講演で明らかにした。先に東京都内で確認された室町中期の54帖より古く、他の写本にない記述があるとのこと。 今回の写本は、奈良の旧家、大沢家が豊臣秀吉から拝領したとの言い伝えが明治期の調査記録に残る、「大沢本」と呼ばれるものとみられる。戦後、行方不明になっており、所有者などは非公表。縦14〜15センチ、横15〜16センチ。全帖とも金糸を使った金襴緞子の表紙がついており、保存状態は極めて良いとのこと。 写本には、鎌倉初期に藤原定家が写した「青表紙本」と、同時期に源光行らが校訂した「河内本」があるが、今回の54帖のうち28帖は、この2系統に属さない「別本」。別本には定家以前の写本から写されたものが含まれている可能性があるという。『夕霧』帖の巻末は、他の写本にはない「なにはの浦に」という言葉を引用していたとのこと。「われはおいにけるかな」と続く和歌とみられる。 読売新聞。
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明治政府に命じられ、京都府が応仁の乱(1467〜1477年)以前に建立された府内の社寺建築物を調べてまとめた「四百年前社寺建物取調書」が、22日までに見つかったとのこと。京都市の個人宅に保管されており、府立総合資料館が譲り受けた。 同資料館によると、取調書は社寺の建築物に焦点を合わせた最古の調査で、「文化財保護行政の最初の業績。日本建築史研究の貴重な資料となる」という。 時事通信。
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岡山市の林原自然科学博物館は23日、モンゴル・ゴビ砂漠の白亜紀後期(約7000万年前)の地層から、約5歳と推定されるティラノサウルス科の恐竜「タルボサウルス」の全身骨格化石(全長約2メートル)を発見した、と発表したとのこと。同科恐竜の子供の化石がほぼ完全な形で見つかったのは世界初。 モンゴル科学アカデミー古生物学センターとの共同調査で06年8月、南ゴビ県の河川跡から発見した。胴体を反らせて、頭部を背中にくっつけた典型的な恐竜の死後直後の形で見つかった。恐竜の子供は骨がもろいため化石になりにくく、死後は他の恐竜に食べられて散逸しやすいという。頭部の保存状態も良く、脳の構造を復元したり、成長速度などを研究するという。 毎日新聞。
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福井県坂井市にある大善寺の本尊、木製十一面観音像(18世紀中ごろ)をコンピューター断層撮影装置(CT)で撮影したところ、内部に銅製とみられる仏像の頭部が納めてあったと元興寺文化財研究所(奈良市)が25日発表した。火災による損傷の痕があり、現在の本尊を新造した際に、火災で焼け落ちた元の本尊を納めたとみられるとのこと。 現本尊は高さ約59センチ。内部の仏像頭部は全長約9センチだった。九州国立博物館に依頼して高機能CTで立体解析。内部にあるのは現本尊と同じ十一面観音像で、表情や耳の様式から13世紀ごろ制作されたと分かった。灰のような物質も納められているという。 日経新聞。
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旧佐賀藩鍋島家の菩提寺、曹洞宗・高伝寺(佐賀市)が所蔵する、掛け軸としては国内最大級の涅槃図(縦15.2メートル、横6メートル)を、九州国立博物館で破れやしわを修復するとのこと。 涅槃図は江戸時代の1706(宝永3)年、第3代佐賀藩主鍋島綱茂の命で、京都の絵師若井利左衛門利久が京都にある東福寺の涅槃図を写し取って描いた。東福寺の図の1.5倍の大きさがある点が最大の特徴。 西日本新聞。涅槃図は、来年11月頃に九州国立博物館で一般公開予定とのこと。
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山梨県立美術館が今年で開館30周年となるのを記念して、県は29日、ジャン=フランソワ・ミレーの油彩画「眠れるお針子」など4作品の購入を決めた。 同油彩画はミレーの初期の作品で2番目の妻をモデルにしたとされ、家庭内での女性の労働風景を描く。またジュール・ブルトンの「朝」など他の3作品も、ミレー同様に19世紀にフランス・バルビゾン村に集まった風景画家の作品。ミレー作品の約8700万円をはじめ市場価格は合計約1億9500万円で、県美術資料取得基金を充てるとのこと。 産経新聞。作品は、来年1月に同美術館内にオープンする「ミレー館」で公開するとのこと。
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蘭デルフト大学やベルギーのアントワープ大学の研究者で構成される研究チームが、X線を使った新たな手法でゴッホの絵画「Patch
of Grass」の下にあった女性の肖像画を再現したとのこと。 研究チームが使った手法は、シンクロトロン放射光を使った蛍光X線分光法。絵画の隠れた層を発見するのには、たいてい従来のX線検査などが用いられているが、それには限界があるため異なるアプローチを採用したという。蛍光X線分光法では絵画の層の蛍光性を測定する。蛍光性はそれぞれの化学元素に固有なので、原子の種類(鉛や水銀など)や顔料を個々に描けるという。さらにシンクロトロン放射を使うことで、上の絵画層による測定のゆがみを抑えられ、また測定が高速になると研究者は説明している。 以前の研究で、この作品の下にある絵の頭部のぼんやりとした輪郭は発見されていた。これを独Deutsches Elektronen-Synchrotronの装置で2日かけてスキャンし、17.5×17.5センチの女性の顔を再現したという。 ITmediaニュース。「Patch of Grass」は1887年に描かれた作品で、クレーラー・ミューラー美術館所蔵。
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