2008年
06/03 「明日の神話」原画、広島へ
広島市は2日、恒久設置が実現しなかった岡本太郎の原爆壁画「明日の神話」について、岡本太郎記念現代芸術振興財団から原画の寄託を受けることを明らかにした。市現代美術館で所蔵し、今年の「原爆の日」に合わせた公開を検討しているとのこと。
原画は油彩で、縦48センチ、横195センチ。色遣いや構図は壁画とほぼ同じ。1967、68年に岡本太郎が制作した原画5枚のうち、最初に描かれた彩色作品とされる。
中国新聞。
AFP通信によると、フランス南部ニースの市立ジュール・シェレ美術館から昨年8月に盗まれたモネやシスレーらの作品4点が4日、南部マルセイユで見つかったとのこと。約10人が取り調べを受けているという。
見つかったのは、クロード・モネの「ディエップ近郊の絶壁」(1897年)や、アルフレッド・シスレーの「モレのポプラ並木」(1890年)、ヤン・ブリューゲルの「水の寓話」と「地の寓話」。
朝日新聞。関連:スクラップ2007年8月6日
三井寺行者堂の木造不動明王坐像が、九世紀(平安時代前期)に作られた日本最古級の不動明王像であることが4日、分かった。「国宝三井寺展」実行委員会が発表したとのこと。
9世紀の不動明王像は2、3例しかないとのこと。像は高さ約90センチで、一木造りとみられる。〔共同〕
日経新聞。「国宝三井寺展」:大阪、東京、福岡展あり
奈良・正倉院に8世紀から伝わる宝物で、これまで原料の植物がわかっていなかった生薬の一つが、中国・揚子江以南に分布するクルミ科植物の樹皮であることが28日、東京大の柴田承二名誉教授(薬学)らの研究で明らかになった。宮内庁正倉院事務所が同日に発表した「正倉院紀要」第30号で報告したとのこと。
正倉院に2束(計1700グラム)が残っている「厚朴(こうぼく)」と呼ばれる生薬で、国内ではモクレン科のホオノキの樹皮が主に使われている。中国や日本各地から集めた植物を解剖し比較した結果、厚朴の組織構造が、揚子江以南で主に分布するクルミ科植物と同じであることが判明した。
朝日新聞。
奈良県明日香村教委は10日、同村の檜隈(ひのくま)寺跡(国史跡)近くで、金メッキが施された仏の手の先(長さ2.3センチ)が見つかったと発表したとのこと。手の形や銅の純度の高さなどから、金銅仏の制作が盛んだった7〜8世紀(飛鳥、奈良時代)ごろに作られたとみられ、渡来品の可能性もあるという。
昨年10月、国営飛鳥歴史公園キトラ古墳周辺地区整備事業の事前調査で発掘した際、同寺講堂跡北約70メートル、深さ約2メートルの地中から出土したとのこと。銅製で、右手の手首より先の部分。親指と薬指以外がないため、仏の種類や全体の大きさの特定は難しいという。同寺は、飛鳥時代の渡来系氏族、東漢(やまとのあや)氏の寺。7〜8世紀は東漢氏の全盛期にあたる。
朝日新聞。出土品は11日から7月10日まで同村内の国営飛鳥歴史公園館で一般公開されるそうです。
サンパウロ州立美術館分館に12日、3人組の強盗が入り、ピカソの版画2点を含む絵画4点を奪って逃げた。被害総額は約100万レアル(6400万円)にのぼるという。
盗まれたピカソの作品は、63年制作の「画家とモデル」など。
朝日新聞。昨年もサンパウロで盗まれたピカソ:スクラップ2007年12月21日
法隆寺・金堂(国宝)内にある日本最古の四天王立像(同、7世紀中ごろ)のうち、広目天像(高さ約1.33メートル)を奈良国立博物館が赤外線撮影したところ、眉やひげなどの墨線がくっきりと浮かび上がった。表情の特徴などから当時の中国の武人を模した可能性もあるとのこと。
四天王は仏教世界の東西南北を守る護法の神で、広目天は西方守護。光背の銘文から、渡来系氏族・東漢(やまとのあや)氏である「山口大口費(やまぐちのおおぐちのあたい)」らが造ったとみられる。
朝日新聞。広目天像と多聞天像は、奈良国立博物館で開催する「国宝 法隆寺金堂展」で公開されるとのこと。7月1日からは4体すべてを展示するそうです。展覧会は6月14日から7月21日まで。
共同通信より。
同じ題名が付いたゴッホの2枚の作品「ドービニーの庭」。スイスのバーゼル美術館にある絵には描かれた黒猫が、ひろしま美術館所蔵の絵にはいないのはなぜか。吉備国際大学文化財総合研究センターが15日、同美術館の調査に協力し、放射線を使った分析を始めたとのこと。
1890年、自殺の2週間前に、尊敬する画家ドービニーの庭を描いた。スイスの絵の左下には青っぽい黒猫がいる。広島の絵にはなく、同じ位置に加筆して茶色く塗りつぶしたような跡がある。美術愛好家の間では1920年代から、猫はいたがゴッホまたは第三者が塗りつぶしたという説と、最初から猫はいなかったという説との論争がある。
15日、同大大学院の下山進教授が低レベル放射線を照射して絵の具の組成を調べると、問題の部分に青色絵の具の成分となる鉄の元素が含まれていたとのこと。
朝日新聞。分析結果は「10月4日に始まる同美術館の展覧会で発表する予定」とのことです。
北海道でたった一つの国宝「中空土偶」が、7月7日から始まる洞爺湖サミット会場のホテルに登場するとのこと。文化庁が17日、展示することを発表した。
75年に函館市内の遺跡で主婦が見つけたもので、縄文時代後期の土偶で高さ約42センチ。自然と共生していた時代の遺物だけに、「環境が主要テーマのサミットにふさわしい」と判断されたという。日光が直接当たらない場所にガラスケースを置いて展示し、所有する函館市の担当者が近くに待機する。保安上の理由から、どういうルートで運び込むかは非公開。
朝日新聞。
岐阜市立女子短大の学生が今年2月、研修旅行で訪れたイタリア・フィレンツェで、世界遺産に登録された地区にある大聖堂の壁に落書きしていたことが観光客の指摘で発覚、短大側が大聖堂に謝罪していたことが24日分かった。
市立女子短大によると、生活デザイン学科の1年生が2月18日、学校主催の研修旅行で訪れたフィレンツェで、「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」を友人5人と拝観した際、見晴らし台の大理石の壁に、油性ペンで学校名の略称や6人のニックネームを落書きしたという。〔共同〕
日経新聞。 「京産大生3人に停学処分 イタリアの大聖堂に落書き」(6月27日付日経新聞より) 次々記事が出てくるので止めておこうかと思います。常磐大高野球部の監督が世界遺産落書きで解任というのもありました。
改修工事中の銀閣寺について、京都府教委が外装に黒漆を塗って創建当時の姿に戻すことを検討したが、解体調査の結果、断念していたことが分かった。
銀閣寺は2006年の科学的調査で銀ぱくが張られていなかったことが確認され、通説通り漆塗りだったことが分かった。現在は漆がはげ落ちて板張りに見えるため、府教委は創建時のように黒漆を塗って保護しようと検討。しかし、外壁の板の厚さが風化で半分程度になっており、最も薄いところで1センチしかなく、塗装には不適と判明。学識者などでつくる寺の保存整備委員会と協議した上で断念したとのこと。
銀閣寺は同教委が昨年末から改修工事中で、柿(こけら)ぶきの屋根も27年ぶりにふき替えられる。
毎日新聞。
クリスティーズで24日、クロード・モネの「睡蓮」がオークションに掛けられ、4090万ポンド(約86億円)で落札されたとのこと。モネの作品のこれまでの最高額だという。クリスティーズは、この絵の落札価格を1800万−2400万ポンドと予想していた。モネはこの絵を1919年にパリ郊外のジベルニーの自宅で描いた。
競売に掛けられたモネの作品のこれまでの最高額は、5月にニューヨークのオークションで記録された「アルジャントゥイユの鉄道橋」の4140万ドル(約44億円)。
24日付時事通信。関連記事:スクラップ2008年5月7日 この日の競売ではこのほかに、エドガー・ドガのパステル画「Danseusealabarre」が1350万ポンド(約28億円)で落札されたそうです。
ロイター通信より。贋作から本物へ。
ロンドンで24日から10日間、総額1000億円以上の美術品が売り出されるとのこと。
今回のロンドンでの売り出しは、ニューヨークで実施される同様のオークションに次ぐ規模で、24日のクリスティーズによる印象派と現代美術イブニングセールから始まるとのこと。クリスティーズがオークションにかける美術品の価格は計3億ポンド(約637億円)以上になる。サザビーズは計2億ポンド(約425億円)以上を予定している。
24日付ロイター通信。景気のいい話であります。
岩手・宮城内陸地震で震度6弱の揺れがあった宮城県栗原市の双林寺の薬師堂で、国指定重要文化財の「木造薬師如来坐像」と「木造持国天王立像」の2体に傷がついていることがわかった。薬師如来は胸に長さ約12センチの傷と手首部分にヒビ、持国天王は背中の部分に小さな傷ができた。仏像は、転倒防止のために胴にさらしを巻き、壁に固定された。
読売新聞。






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