2007年
06/03 大仏さんを、さびから守る「お身ぬぐい」
朝日新聞より。
3日付の仏紙ルモンドは、党勢衰退で深刻な財政難に陥ったフランス共産党が糊口をしのぐため、所蔵するピカソの絵画作品などの売却まで検討していると報じたとのこと。
同紙によると、共産党幹部一行が数週間前、パリのある主要美術館を突然訪問。応対した館長に党本部に飾ってあるフェルナン・レジェのフレスコ画の評価額を聞き、「美術館の関心を引くだろうか」と尋ねた。かつて同党の党員だったピカソ作の人物画なども売りたい様子だったという。
3日付時事通信。
高松塚古墳の極彩色壁画のうち、「青龍」に使われた鮮やかな青色の顔料について、東京文化財研究所が3年前に発表した「宝石のラピスラズリが使われており、日本では類例がない」とした説を、事実上撤回していることがわかった。
調査方法などに研究者から疑問が相次いだためで、東文研も論拠の薄弱さを認め、最近の専門誌では触れていない。青龍が描かれた側壁は7、8両日に取り外される予定で、文化庁などは、顔料の結晶構造などを詳しく調べるとのこと。
読売新聞。
木津川・蟹満寺で、白鳳時代(7世紀後半)の創建時から位置を変えていないとされる国宝の本尊「釈迦如来坐像」が、鎮座する本堂の建て替えに伴い、今秋にもいったん動かされるとのこと。
銅造の本尊は、国内に5例しかない奈良時代以前の大型金銅仏の一つで、高さ2.4メートル、重さは推定約7トン。誰が建立したのか不明で、由来には謎も多い。今回の修理事業では、本尊の成り立ち解明につながる成果も期待される。
京都新聞。
文化庁は7日、四神図「青龍」が描かれた東壁石を石室から取り外したとのこと。石材の劣化がひどく、解体手法を変更する難作業となったが、無事作業を終えた。8日に修理施設へ運ぶ。
東壁石は長さ91センチ、高さ116センチ、厚さ40センチ、重さ655キロ。ジャッキと金属棒の「コロ」で慎重に約15センチ動かして石室から分離。Π(パイ)字形の特殊機材で側面を挟んで持ち上げたとのこと。
床石を除く石室の12枚の石材のうち8枚目の取り外し。「白虎」が描かれた西壁石は14日、盗掘穴のある南壁石は15日に搬出するとのこと。
日経新聞。
カンボジアの世界遺産アンコール遺跡の隣接地に「シハヌーク・イオン博物館」を開館すると発表した。上智大の国際調査団が発掘した274体の国宝級仏像を収蔵し、うち107体を展示する予定とのこと。11月2日の開館式典にはシハモニ国王、シアヌーク前国王らを招き、カンボジア政府に博物館を寄贈する。
毎日新聞。
文化庁は13日、「白虎」が描かれた西壁石を石室から取り外した。14日午前に石室を覆う保護施設内の隣の部屋に移し、同日午後、古墳近くの修理施設に搬送するとのこと。
時事通信。
博物館や美術館、動物園、水族館などの発展を図る博物館法を、大幅に改正しようという動きが強まっている。昭和26年に制定された同法は、いまの実態とそぐわなくなり、有名無実と化していた。文部科学省は有識者会議を設置して抜本的な法改正を検討。登録基準の緩和や学芸員制度の見直しなどを内容とする同会議の最終報告がきょう15日にもまとまる。
博物館などの施設は全国に5614館(平成17年10月現在)あるが、博物館法が定める「登録博物館」は865館、登録に準じる「博物館相当施設」は331館しかない。
かつては、登録された公立博物館には国から補助金が出たが、平成9年度を最後に補助金制度がなくなったため近年は、公立博物館もあえて登録を目指さなくなっている。
文科省は有識者による「これからの博物館の在り方に関する検討協力者会議」を設置し、昨年10月から法改正を検討してきた。会議では、多くの博物館が登録できるように登録基準を緩和することや学芸員の質向上のため資格制度を見直すことなどを議論。最終報告としてまとめる。文科省は最終報告をもとに中教審生涯学習分科会で法改正に向けた審議を始める。
産経新聞。
高松塚古墳の石室解体で文化庁は15日午前、盗掘穴の開いた南壁石を石室から取り外したとのこと。午後に近くの修理施設へ運び込み、カビの除去など応急措置に取りかかる。南壁石は幅137センチ、高さ115センチ、厚さ47センチ。鎌倉時代初め(12世紀末)ごろに盗掘を受けて縦38センチ、横77センチの穴が開けられた際の衝撃で、大きな亀裂が走っている。
取り外し時に石片が落下する恐れがあったため、Π(パイ)字形の特殊機材で石材を挟み、ベルトで固定した上でクレーンで隣の作業スペースに搬出した。
日経新聞。
石室解体が進む高松塚古墳で文化庁は21日、南壁石を取り外した後の床石上に、赤い顔料が付着しているのを見つけたと発表したとのこと。調査を担当する奈良文化財研究所は「極彩色壁画を描いた画工がこぼした絵の具ではないか」とみている。
15日に南壁石を搬出後、壁石の下にあった床石表面の土砂を除去したところ発見したとのこと。3カ所あり、最大で縦2.4センチ、幅1.6センチ。蛍光エックス線分析で水銀を検出、「飛鳥美人」として知られる女子群像の唇や帯を赤く彩るのにも使った水銀朱と判明した。
日経新聞。
文部科学省は文化財をデジタルデータで記録し、インターネットなどを通じて公開する「デジタルミュージアム」の実現に向け、高精細な映像システムや、手触りや香りまで遠隔地に伝えられる技術開発を進めるべきとする報告書をまとめたとのこと。保存を優先するため公開が難しい文化財を、家庭でも鑑賞できるようにする。報告書は2006年9月に発足した有識者でつくる研究会がまとめた。
日経新聞。
壁画修復に向けた高松塚古墳の石室解体で、文化庁は26日、「男子群像」が描いてある西壁石を石室から取り外したとのこと。石室を構成する石材16枚のうち、壁画を描いた石材の搬出はこれが最後。
壁石は近くにある修理施設へ移す。今後、10年程度かかるとされる壁画の修復が本格化する。石室には床石4枚が残っており、周辺を発掘して掘り出し、7月末までに搬出する計画。
日経新聞。
朝日新聞より。
石室解体中の国特別史跡、高松塚古墳(奈良県明日香村、7世紀末―8世紀初め)を調査中の文化庁は29日、床石の上に長方形の黒ずみが残っているのを見つけたと発表した。調査担当の奈良文化財研究所は「木棺か、棺おけを載せる棺台を置いた跡ではないか」とみて調査する方針。
石室は26日までに天井石と壁石をすべて搬出し、現在は床石四枚(南北3.5メートル、東西1.6メートル)がむき出しの状態。床面が南北2.7メートル、幅1メートルに渡って黒ずんでいたほか、直径数ミリの金ぱく片や長さ1.5センチの漆片も多数発見したとのこと。石室では金ぱくを張った漆塗り木棺の破片が見つかっている。
日経新聞。






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